2022年10月3日放送スタートの第107作となるNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」
ヒロイン・岩倉舞(いわくらまい)は、福原遥(ふくはらはるか)さんが演じます。あらすじは、以下の通りです。
ものづくりの町・東大阪で生まれたヒロイン岩倉舞。長崎・五島列島に住む祖母や様々な人との絆きずなを育みながら、パイロットとして空を飛ぶ夢に向かっていくストーリー。
「舞いあがれ!」舞(福原遥)の隣に住む幼なじみが、梅津貴司(赤楚衛二)です。舞にとって貴司はオアシスのような存在です。
貴司は世間の”ふつう”に馴染めずに、就職した会社を辞め、旅をしながらその土地で働き、自分の居場所を探しています。
ドラマ内で登場する貴司が創作した、言葉や詩・短歌をまとめました。
「デラシネ」で八木巌の詩集「どこからも遠い場所」に出会う
幼少期の舞、貴司、久留美が集まる場所が古書店「デラシネ」です。古本屋の主人・八木巌(又吉直樹)との出会いが、貴司の人生に大きく影響を与えることになります。

少年時代の貴司(齋藤絢永)が「ことば」を紡ぎ出すことに興味を持ったのは、八木巌が自主出版で作ったこの世に2冊しかない詩集「どこからも遠い場所」を読んだことがキッカケです。
第12話(2022/10/18)、舞と貴司は模型飛行機の作り方の本を探しに「デラシネ」に行きます。そこで貴司が手に取ったのが詩集「どこからも遠い場所」です。
ドラマの中では「白い蝶」が読まれていました。
この世に2冊しかない、八木さんの詩集。
貴司くんが共感していた詩はこちらの「白い蝶(ちょう)」です。
この詩は「#舞いあがれ!」の作者、桑原亮子さんの作品だそうです。もうすぐお昼の放送です。
詩を読んでからもう一度、ぜひこのシーンをご覧ください😊#朝ドラ #舞いあがれ美術図鑑 pic.twitter.com/n8HlxXtqtD— 朝ドラ「舞いあがれ!」 (@asadora_bk_nhk) October 18, 2022
白い蝶
静かな夜に
白い蝶が生まれようとしていた
大地にたよりなく根差した
一本の細い茎が
しかし
蝶になろうとするものの重みを
立派に支えていた
その茎の先では
青い花が
不安な揺れに花弁をひとひら失って
それでもなお
白い蝶の無事だけを祈っていた
その花の上では
半月が
やわらかい光を
辺り一面にそそいでいた
白い蝶の初めて見る世界が
美しくあるようにとけれども
蝶の孤独な闘いに
手を貸してやれるものはいなかった
蝶もそして茎も花も月も
ひとりぼっちなのだった出典:NHK「舞いあがれ!」第12話(2022/10/18)
脚本家「桑原亮子」は歌人でもある、ドラマ内の短歌も手掛ける
「舞いあがれ!」のメイン脚本家は「桑原亮子」さんです。

「桑原亮子」さんは歌人でもあり、前述の「白い蝶」は、桑原亮子さんの作品ということがNHK公式ツイッターから発表されています。
また、「白い蝶」だけでなくドラマ内で貴司が創作した詩・短歌などは、「桑原亮子」さんが手掛けています。※ソースはNHKドラマガイド「舞いあがれ Par2」に記載がありました。
俵万智さんがツイッターで貴司の短歌の感想をつぶやく
貴司くんの短歌、頼んでおいた…っていう動詞の距離感が絶妙。実質なんもしてないくらいの軽さで、でも気にかけてるってことは、しっかり伝わる。 #舞いあがれ pic.twitter.com/RKSdyLvOlO
— 俵万智 (@tawara_machi) January 16, 2023
貴司の短歌がドラマ内で放送されると、歌人の俵万智さんがツイッターで感想を述べられることもあり、ツイッター上でも話題となっています。
俵万智さんは代表歌集「サラダ記念日」など、現在も短歌界の第一人者として活躍する女流歌人です。
貴司(赤楚衛二)が創作した言葉・詩・短歌一覧
ドラマの中で、貴司は思いがけない言葉を発したり、詩や短歌を作ります。劇中で貴司が創作した言葉・詩・短歌をまとめました。
「干からびた犬」ノーサイドで書いた詩、第23話(2022/11/2)
第23話(2022/11/2)、喫茶店「ノーサイド」で貴司が紙ナプキンに書いた詩の一文が「干からびた犬」です。
高校卒業後にシステムエンジニアとして働き始めた貴司が、営業ノルマを達成できずに悩んでいる時に書いた詩です。
「干からびた犬」と聞いた久留美(山下美月)が心配しますが、貴司は「干からびた犬は、僕のことや」と、しんどいからこそ詩を書いていると答えます。
「星たちの光あつめて」五島列島で書いた短歌、第33話(2022/11/16)
結句の倒置が、いいなあ。「僕は」って開かれて終わると、そこに無限の未来が感じられる。 #舞いあがれ pic.twitter.com/OmI7aFLwto
— 俵万智 (@tawara_machi) November 16, 2022
貴司は会社を突然退職、幼少期に舞からもらった絵葉書の場所「五島列島の灯台」に行きます。
心配して五島列島に迎えに行った舞と久留美、少し元気を取り戻した貴司が五島列島の浜辺で2人に発表したのが以下の短歌です。
星たちの 光あつめて
見えてきたこの道をいく
明日の僕は出典:NHK「舞いあがれ!」第33話(2022/11/16)
「トビウオが飛ぶとき」福井県の港で書いた短歌、第41話(2022/11/28)
舞ちゃんがトビウオで、たかし君はまだ海の中の魚なんだね。でももう彼は知っている。世界が広いということを。 #舞いあがれ pic.twitter.com/uAUUiDVmkk
— 俵万智 (@tawara_machi) November 27, 2022
「航空学校」帯広分校でフライト課程に進んだ舞に、貴司の絵葉書が届きます。
貴司は福井県の港で働きながらハガキに書いたのが、以下の短歌です。
トビウオが
飛ぶとき
他の魚は知る
水の外にも
世界があると出典:NHK「舞いあがれ!」第41話(2022/11/28)
「おめでとう」の短歌、第58話(2022/12/21)
おめでとう、の濁点まできっちり織り込む。しかもただの作文ではなく、しっかり短歌に。ますます腕を上げた貴司。#舞いあがれ pic.twitter.com/Kodebrl54I
— 連続8度 (@c_octave) December 20, 2022
舞は骨折したをばんば・才津祥子(高畑淳子)を手伝うため、五島列島に滞在します。そこに現れたのが貴司です。
紙飛行機に書いた「短歌」を飛ばし、航空学校を卒業した舞を祝福した短歌が以下です。
屋上を
めぐり続ける
伝書鳩
飛べるよ高く
浮き雲よりも出典:NHK「舞いあがれ!」第58話(2022/12/21)
最初の文字を繋げると「お・め・で・と・う」となっています。紙飛行機を拾って短歌を読んだ舞の元に、「舞ちゃん、航空学校卒業おめでとう」と言って貴司が登場します。
「見上げる白い星の裏は黒」短歌の一文、第60話(2022/12/23)
学校に馴染めず、島の留学体験で祥子の家に滞在する子供・朝陽(又野暁仁)と一緒に星を眺める舞と貴司。
家の縁側で、朝陽は双眼鏡でずっと星を眺め、舞はパイロットの飛行機訓練、貴司は短歌を作ります。
星を見ながら貴司はつぶやいた一文は
「見上げる白い星の裏は黒」「見上げる星の裏側」「星の裏側・・・」
と、短歌の最初を考える貴司でした。
「君が行く 新たな道を」舞が工場を引き継ぐ、第73話(2023/01/17)第82話(2023/01/30)
パイロットの夢を諦め、舞は父の工場の経営を立て直すと決意します。新規の仕事を取るために、舞は営業で会社を回りますが、なかなか結果が出せません。
落ち込んで家に帰る舞はポストに入っていた、貴司からのハガキを手に取ります。ハガキに書かれていた短歌は以下です。
貴司くんの短歌、頼んでおいた…っていう動詞の距離感が絶妙。実質なんもしてないくらいの軽さで、でも気にかけてるってことは、しっかり伝わる。 #舞いあがれ pic.twitter.com/RKSdyLvOlO
— 俵万智 (@tawara_machi) January 16, 2023
君が行く
新たな道を
照らすよう
千億の星に
頼んでおいた出典:NHK「舞いあがれ!」第73話(2023/01/17)
貴司からの短歌を読んだ舞は、夜空を見上げ元気を取り戻します。
また第82話(2023/01/30)、長山短歌賞の受賞を「うめづ」でお祝いした後、舞と貴司は公園で星を眺めます。上記の「君が行く 新たな道を」の短歌がドラマ内で再登場しました。
新鋭歌人として新聞に掲載、第76話(2023/01/20)
五島列島から東大阪に帰ってきた貴司を囲み、幼なじみの舞・久留美の3人が「うめづ」で乾杯していると・・・
貴司の母・雪乃(くわばたりえ)が、貴司の短歌が新聞に掲載されたと舞・久留美に伝えます。「今月の新鋭歌人」として掲載された、貴司の短歌は以下です。
\今月の新鋭歌人 梅津貴司(東大阪市)/
貴司くんスゴイ!👏
雪乃さん、とってもうれしそうでしたねー!どれもええ歌ですね…みなさんの心に寄り添ったのは、どの作品でしたか?#貴司の短歌 #短歌 #朝ドラ #舞いあがれ pic.twitter.com/IFyF3iWv7W
— 朝ドラ「舞いあがれ!」 (@asadora_bk_nhk) January 19, 2023
- 陽だまりの方へ寝返り打つように昆布は水にひらいていった
- 幾たびか咳に目覚めて対岸の灯を恋うように朝を待ってる
- 暗闇のどこで鳴いている三毛猫よ 白い部分手がかりに捜す
- 落ち込んで立ち直るまでの僕の歌パラパラマンガのように眺める
- 麻酔から覚める心地で見分けゆく雨に揺れる葉、風に揺れる
出典:NHK「舞いあがれ!」第76話(2023/01/20)
この後、元・デラシネ店主の八木巌(又吉直樹)が現れ、貴司にデラシネの鍵を渡し、古書店を譲ります。
「長山短歌賞」に応募する短歌を舞と選ぶ、第77話(2023/01/23)
デラシネを引き継いだ貴司は、短歌を作り続けます。貴司は短歌の芥川賞と呼ばれる「長山短歌賞」に応募することに。
デラシネに子供が来た時、選んでいた短歌の一文は
携帯電話が震えれば朝
出典:NHK「舞いあがれ!」第77話(2023/01/23)
そして、仕事帰りの舞がデラシネに寄り、「長山短歌賞」に応募する短歌を一緒に選びます。舞が読ん貴司の短歌の一つが
舞い落ちる桜の花弁乗せたとき
オダマキの葉の揺れが止まった出典:NHK「舞いあがれ!」第77話(2023/01/23)
短歌の芥川賞と呼ばれる「長山短歌賞」とは?賞のモデルについては、以下でまとめています。

※貴司の詩・短歌が登場しだい、順次更新中です!
まとめ
「舞いあがれ!」では舞の幼なじみ梅津貴司(赤楚衛二)が創作した詩・俳句・短歌などが登場します。
ドラマ内に登場した貴司の詩をまとめました。貴司の詩・俳句・短歌が登場しだい、順次更新中していきます。
他にも「舞いあがれ!」の登場人物・キャスト一覧は、以下をチェックしてください。


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