2023年10月2日放送スタートの、第109作となるNHK連続テレビ小説「ブギウギ」
ヒロイン・福来スズ子(花田鈴子)は、「趣里(しゅり)」さんが演じます。「ブギウギ」のあらすじは、以下の通りです。
大正の終わり、大阪・下町の小さな銭湯の看板娘・花田鈴子は、歌って踊るのが大好きな天真爛漫な女の子。鈴子は「歌と踊りでみんなを笑顔にしたい」と、道頓堀に新しくできた歌劇団に入団。生まれ故郷・香川への思い、大阪の華やかなステージ、そして夢を追いかけ東京へ・・・“ブギの女王”と呼ばれる戦後の大スター歌手となっていくヒロインの物語。
朝ドラ「ブギウギ」第1話のオープニングは、戦後の大スター・福来スズ子(趣里)が「東京ブギウギ」を歌唱するシーンから始まります。
スズ子のモデル「笠置シヅ子」さんが歌い、敗戦で落ち込む日本人を元気づけ、熱狂的な大ヒットとなった「東京ブギウギ」が誕生した史実などを紹介します。
笠置シヅ子が歌った「東京ブギウギ」誕生までの史実を紹介
私と同じアラフォー世代は、「笠置シヅ子」さんの「東京ブギウギ」といってもピンとこないかもしれません。(私も同じです)
ちなみに私がよく耳にしたのは、「東京ブギウギ」の替え歌となったビールのCM「クリアアサヒが~♪家で冷えてる~♪」です。
「東京ブギウギ」は服部良一さんが作曲、「笠置シヅ子」さんが歌い、敗戦で落ち込む日本国民を勇気づけた大ヒット曲です。「東京ブギウギ」が発表された、大まかな年表は以下の通りです。
- 1947年1月末 笠置シヅ子、妊娠六ヶ月で日劇公演「ジャズカルメン」主役
- 1947年5月19日 吉本頴右が逝去(享年24歳)
- 1947年6月1日 娘・ヱイ子を出産
- 1947年9月10日 「東京ブギウギ」レコーディング
- 1948年1月 「東京ブギウギ」レコード発売
“ブギの女王”と呼ばれようになった笠置シヅ子さんの「東京ブギウギ」誕生の史実を、紹介していきます。
笠置シヅ子は子供を産んで歌手の引退を決意
スズ子(趣里)のモデルである「笠置シヅ子」さんは「吉本頴右」さんとの子供を妊娠した後、歌手を引退して家庭に入ることを決意していました。
「ブギウギ」では、吉本興行の御曹司「吉本頴右」さんは役名・村山愛助として登場、「水上恒司」さんが演じています。
一方、「東京ブギウギ」を作曲した「服部良一」さんは、戦争中に陸軍報道班員として渡った上海から戻り、戦後はレコードの作曲、舞台音楽と大忙しでした。
服部良一さんは、ブギウギでは役名「羽鳥善一(草彅剛)」として登場してます。
日劇「ジャズカルメン」で妊娠6ヶ月で主役
服部良一さんのアイデアにより、1947年の日劇で「ジャズカルメン」を上演、「笠置シヅ子」は主役のカルメンを演じます。
妊娠6ヶ月の「笠置シヅ子」さんは「ジャズカルメン」で主役を演じ、その後は引退を決意していました。
妊娠中の「笠置シヅ子」さんは、主治医の先生が楽屋にいて、何かあればすぐに対応するということで出演を決断しています。
ところがその後、「吉本頴右」さんが持病の肺結核で亡くなるという悲劇にみまわれます。
舞台「ジャズカルメン」の詳細と史実については、以下でまとめています。
シングルマザーとして歌手を続ける
悲しみのどん底にいた「笠置シヅ子」さんでしたが、「吉本頴右」さんが亡くなった一ヶ月後に愛娘・ヱイ子を出産します。
シングルマザーという言葉がなかった時代に、「笠置シヅ子」さんは一人で子供を育てていくため、「服部良一」さんに「センセたのんまっせ」と、明るく頼んだそうです。
「東京ブギウギ」が大ヒット
「服部良一」さんは、「笠置シヅ子」さんの苦難、そして敗戦で沈む戦後の日本人のために心ウキウキするような新曲を作ります。
「笠置シヅ子」さんは、その思いを受け止め、「東京ブギウギ」を歌って踊り、熱狂的な大ヒットとなります。
「東京ブギウギ」は、最愛の人を亡くした「笠置シヅ子」さんが立ち直る曲でもあり、戦後の日本人を元気づけた曲です。
参考文献:「ブギの女王・笠置シヅ子 心ズキズキワクワクああしんど」
「東京ブギウギ」の特徴は?誕生秘話とエピソード
まずは、「YouTube」などで、笠置シヅ子さんが歌う「東京ブギウギ」を聞いてください。
「東京ブギウギ」は、戦後の敗戦の苦境をふきとばすような、心躍るリズムが特徴的です。
「ブギウギ」の由来、どういう音楽?
「ブギウギ」の音楽は、以下が由来となっています。「ブギウギ」は1930年代末から40年代にかけて、アメリカで流行したダンスミュージックの一つのジャンルです。
ブギウギは略して「ブギ」とも。1920年代のアメリカで黒人ピアニストによって始まったブルース・ピアノの奏法。 左手で8分音符のベース・ラインを繰り返し弾き、右手はメロディーを奏でる。
服部良一「東京ブギウギ」作曲のキッカケ
服部良一さんは1942年、「ブギウギ・ビューグル・ボーイ(Boogie Woogie Bugle Boy)」に出会い、戦争が終わったらブギウギソングを作ろうと考えていました。
「ブギウギ・ビューグル・ボーイ」は1941年にアンドリューズ・シスターズが発表したアメリカの戦意高揚ソングです。
「東京ブギウギ」の発想は、服部良一さんが帰宅途中、電車のレールのジョイントの音と、つり革が網棚に当たるアフタービート(裏拍)の音からメロディを思い付いたそうです。服部良一さんは、すぐに電車を飛び降り、駅前の喫茶店のナプキンに音符を書き留めました。
また、「服部良一」さんが「”東京ブギウギ”が実質的に生まれたのは上海」と語っているように、戦前の上海渡航の経験から「東京ブギウギ」が生まれています。
「服部良一」さんの上海渡航の史実は、以下でまとめています。
「東京ブギウギ」作詞は鈴木勝(すずき・まさる)
「東京ブギウギ」の作詞は、「鈴木勝(すずき・まさる)」さんが担当しています。
鈴木勝さんは、日本の禅文化を海外に紹介した仏教学者・鈴木大拙(すずき・だいせつ)さんの養子です。スコットランド人の父と日本人の母のハーフという説があります。
また、「東京ブギウギ」は、鈴木勝さんのアイデアを元に当時の妻で歌手・池真理子さんが作詞したとされています。ただし服部良一さんは、鈴木勝さんが持って来た歌詞を気に入らず、二人で手直ししたそそうです。
スタジオに米兵が集まり「東京ブギウギ」をレコーディング
「東京ブギウギ」は昭和22年9月10日に、東京・内幸町のコロンビアのスタジオで収録されました。
英語が達者だった作詞・鈴木勝さんが、スタジオの隣のビルにあった米軍クラブに「東京ブギウギをレコーディングする」と宣伝すると、「日本人がブギを歌うとは面白い」と進駐軍のアメリカ兵たちがビールを片手に集まります。
コロンビアの担当者は慌てますが、服部良一さんは「かえってムードが盛り上がるかもしれない」とレコーディングを決行します。
笠置シヅ子さんが歌う「東京ブギウギ」を聞くと、アメリカ兵は「素晴らしい」と口々に歓声を上げたそうです。
参考文献:「笠置シヅ子ブギウギ伝説」
朝ドラ「ブギウギ」でも、上記のエピソードが、ドラマ内にいくつか登場するかと思います。
※「ブギウギ」は実話をエピソードにしている場合もありますが、フィクションとして制作されたオリジナル作品です。
スズ子がステージで「東京ブギウギ」を歌うシーンは第91話
第1話でスズ子が「東京ブギウギ」を歌唱しているように、「東京ブギウギ」の大ヒットが描かれます。
スズ子が最初に、「東京ブギウギ」をステージ上で歌うシーンは【第91話】(2024/02/06)です。【第91話】のあらすじは、以下の通りです。
ブギウギ【第91話】あらすじ
羽鳥善一(草彅剛)の気合が入った稽古に臨むスズ子(趣里)だが、愛子の世話をするために何度も中断することになってしまう。このままでは稽古にならないと悩む一同だが、いい解決策を見出すことができない。そんな時、茨田りつ子(菊地凛子)が稽古場を訪ねてくる…。やがて迎えたショーの当日。人々を楽しませ、励まし、生きる活力を与え、日本中をズキズキ・ワクワクさせた名曲「東京ブギウギ」で、ブギの女王が誕生する!
出典:NHK番組表
朝ドラ「ブギウギ」では、「東京ブギウギ」の次は「ジャングル・ブギー」のエピソードが描かれます。
また、福来スズ子(趣里)がドラマで歌った、劇中歌を収録したアルバム「福来スズ子 傑作集」が発売中です。スズ子(趣里)が歌う、「東京ブギウギ」も収録されています。
まとめ
NHK朝ドラ「ブギウギ」福来スズ子のモデル「笠置シヅ子」さんが歌い大ヒットした「東京ブギウギ」誕生秘話や史実などを紹介しました。
他にも、スズ子が「ブギウギ」のドラマ内で歌う劇中歌は、以下でまとめています。
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