2023年4月3日放送スタートの第108作となるNHK連続テレビ小説「らんまん」
主人公の植物学者・槙野万太郎(まきのまんたろう)は「神木隆之介」さん、ヒロイン・寿恵子(すえこ)は「浜辺美波」さんが演じます。あらすじは、以下の通りです。
江戸時代末期の高知県、酒造業を営む商家に待望の男の子・槙野万太郎が誕生。虚弱な子どもだが、植物のことが大好き。両親を早くに亡くした万太郎は祖母・タキの手で育てられる。幕末から昭和にかけ、愛する植物のため「日本独自の植物図鑑を編纂する」夢へと邁進する。
詳細はこちら>>各週のあらすじ・見所
万太郎が植物標本を送ったりと、ドラマ内で何度も名前があがるのが「マキシモヴィッチ博士」です。実在するロシアの植物学者・マキシモヴィッチ博士について紹介します。
ロシアの植物分類学者「カール・ヨハン・マキシモヴィッチ」
度々セリフで登場する「マキシモヴィッチ」は、ロシアの植物学者のカール・ヨハン・マキシモヴィッチです。
彼は、日本にも滞在していたことがあり、日本を始めとする極東アジアの植物相を研究していて、多くの新種を記載していました。#朝ドラらんまん pic.twitter.com/gm8aDt9qfN
— nozo99136 (@nozo99136) May 29, 2023
ドラマ内の会話で名前があがる「マキシモヴィッチ博士」は、実在するロシアの植物分類学者です。
カール・ヨハン・マキシモヴィッチ(1827-1891)
19世紀に活躍したロシアの植物学者。専門は被子植物の分類。1860年から3年5ヶ月間、日本に滞在して多くの植物を調査、数多く新種について学名を命名した。
草創期の日本の植物学者は、新種と思われる植物標本を「マキシモヴィッチ博士」の元へ送り、植物の分類を依頼。博士の尽力により、日本の植物学のレベルは著しく向上した。
「牧野富太郎」と「マキシモヴィッチ博士」の交流とは?
神木隆之介さんが演じる主人公・槙野万太郎の実在モデルは植物学者の「牧野富太郎(まきのとみたろう)」さんです。牧野富太郎さんについては、以下でまとめています。
主人公の実在モデル・牧野富太郎さんと、マキシモヴィッチ博士との交流も実際にありました。
東京大学に出入りする前の牧野富太郎さんも、頻繁にマキシモヴィッチ博士に植物標本を送っています。
牧野富太郎さんが送った「マルバマンネングサ(Sedum makinoi Maxim.)」は、マキシモヴィッチ博士に新種と認められ、献名まで受けています。
※献名(けんめい)とは、特定の人物の名前を入れること
他にもは牧野富太郎さんによって高知県・横倉山で発見した「ジョウロウホトトギス」は、マキシモヴィッチ博士が新種として1888年に学名を付与して発表しました。
「Sedum makinoi Maxim.」のMaxim.は、マキシモヴィッチ博士が命名したという意味です。
明治時代の初めは、日本には文献も標本も少なく、新種を発見しても鑑定できませんでした。そのため、ロシアの植物学者・マキシモヴィッチ博士に植物標本を送っていました。
日本人で初めて、植物に学名を付けた人物は「伊藤篤太郎」です。トガクシソウの初めて学名を付けますが、東京大学「植物学教室」の初代教授・矢田部良吉から破門されてしまいます。
伊藤篤太郎が、トガクシソウに学名を付けた「破門草事件」については、以下でまとめています。
また、牧野富太郎さんが初めて学名を付けるのは、「ヤマトグサ」です。日本人としては伊藤篤太郎の2番目になります。
1889年に「ヤマトグサ」は学名は「Theligonum japonica Okubo et Makino」が付けられました。「Makino」は牧野富太郎さんが命名したことを意味します。
「らんまん」でもエピソードが描かれる「ヤマトグサ」の詳細については、以下でまとめています。
万太郎は「Sedum makinoi Maxim.(セドゥム・マキノイ・マキシム)」と献名される
「らんまん」のサブタイトルには植物の名前が付いています。第12週のサブタイトルは「マルバマンネングサ」です。
ドラマでも万太郎(神木隆之介)が「マルバマンネングサ」を、マキシモヴィッチ博士に新種として認められるエピソードがあります。
あらすじ【第60話】2023/06/23
タキ(松坂慶子)は医師の鉄寛(綱島郷太郎)に病気を治してほしいとお願いするが、難しいと言われてしまう。鉄寛はタキに、東京に戻らずそばにいてほしいと万太郎(神木隆之介)に伝えてみては、と話す。そんな中、万太郎に手紙が届く。それは、マキシモヴィッチ博士が、万太郎が送った標本の中からマルバマンネングサを新種と認めた、という知らせだった。竹雄(志尊淳)と寿恵子(浜辺美波)も大喜び。その話を聞いたタキは…
出典:NHK番組表
万太郎はドラマの中でも、実際にマルバマンネングサに名付けられた学名「Sedum makinoi Maxim.(セドゥム・マキノイ・マキシム)」の献名を受けています。
実在人物・牧野富太郎の「まきの」、「らんまん」の架空の主人公・槙野万太郎の「まきの」を同じ読みにしていたのは、このエピソードがあったからかもしれません。
牧野富太郎さんはマキシモヴィッチ博士を頼って留学を計画
1890年(明治23年)牧野富太郎さんは、食虫植物「ムジナモ」を日本国内で初めて発見します。「ムジナモ」の開花を確認、図解して「植物学雑誌」に発表、牧野富太郎の名前を世界に知らしめた植物です。
ところが、この時期に初代植物学教室の教授・矢田部良吉から、東京大学への出入りを禁止されることに。
出禁により研究ができなくなった牧野富太郎さんは、マキシモヴィッチ博士を頼りロシア行きを決意しますが・・・博士が亡くなり、留学を断念することになります。
「らんまん」でもエピソードが描かれる「ムジナモ」の詳細については、以下でまとめています。
まとめ
NHK朝ドラ「らんまん」万太郎が植物標本を送ったりと、ドラマ内で何度も名前があがるのが実在するロシアの植物分類学者「マキシモヴィッチ博士」です。
「らんまん」の登場人物・キャスト一覧は、以下をチェックしてください。
他にも「らんまん」に登場する植物・花・草などは、以下でまとめています。
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