2022年10月3日放送スタートの第107作となるNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」
ヒロイン・岩倉舞(いわくらまい)は、福原遥(ふくはらはるか)さんが演じます。あらすじは、以下の通りです。
ものづくりの町・東大阪で生まれたヒロイン岩倉舞。長崎・五島列島に住む祖母や様々な人との絆きずなを育みながら、パイロットとして空を飛ぶ夢に向かっていくストーリー。
「舞いあがれ!」舞(福原遥)の隣に住む幼なじみが、梅津貴司(赤楚衛二)です。舞にとって貴司はオアシスのような存在です。
貴司は世間の”ふつう”に馴染めずに、就職した会社を辞め、旅をしながらその土地で働き、自分の居場所を探しています。
ドラマ内で登場する貴司が創作した、言葉や詩・短歌をまとめました。
※「舞いあがれ!」の中で出てきた短歌・詩をまとめたアンソロジー「トビウオが飛ぶとき」が書籍化されました。
- 書籍化!「トビウオが飛ぶとき」2023/5/29発売
- 「デラシネ」で八木巌の詩集「どこからも遠い場所」に出会う
- 脚本家「桑原亮子」は歌人でもある、ドラマ内の短歌も手掛ける
- 俵万智さんがツイッターで貴司の短歌の感想をつぶやく
- 貴司(赤楚衛二)が創作した言葉・詩・短歌一覧
- 「干からびた犬」ノーサイドで書いた詩、第23話(2022/11/2)
- 「星たちの光あつめて」五島列島で初めて作った短歌、第33話(2022/11/16)
- 「トビウオが飛ぶとき」福井県の港で書いた短歌、第41話(2022/11/28)
- 「おめでとう」の短歌、第58話(2022/12/21)
- 「見上げる白い星の裏は黒」短歌の一文、第60話(2022/12/23)
- 「君が行く 新たな道を」舞が工場を引き継ぐ、第73話(2023/01/17)舞への恋心を綴った短歌
- 新鋭歌人として新聞に掲載、第76話(2023/01/20)
- 「長山短歌賞」に応募する短歌を舞と選ぶ、第77話(2023/01/23)
- 「銀の糸通し」秋月史子が初めて出会った貴司の短歌、第92話(2023/01/23)
- 「水底に」リュー北條から催促されて作った短歌、第92話(2023/02/13)
- 「僕ひとり」秋月史子がお守りとしてメモっていた貴司の短歌、第94話(2023/02/15)
- 「目を凝らす、」舞への告白・覚悟を決めた短歌、第96話(2023/02/17)
- 「デラシネの日々」貴司の短歌集、第98話(2023/02/21)
- 「この小舟」連載を決めたバイト募集の短歌、第105話(2023/02/17)
- 「連星」貴司の第二歌集、第112話(2023/03/13)
- 「海底の砂に手指して」祥子(高畑淳子)が気に入った短歌、第119話(2023/03/22)
- 随筆集「トビウオの記」深海の星を知らない魚、第125話(2023/03/30)
- その他、秋月史子(八木莉可子)や子供の短歌一覧
- まとめ
書籍化!「トビウオが飛ぶとき」2023/5/29発売
「舞いあがれ!」の中で出てきた短歌・詩をまとめたアンソロジー「トビウオが飛ぶとき」が2023/5/29発売!登場人物の短歌は脚本家の「桑原亮子」さんが創作しています。
梅津貴司が作った第一歌集「デラシネの日々」、第二歌集「連星」、随筆集「トビウオの記」だけでなく、秋月史子の短歌、八木巌の短歌、リュー北條がかつて詠んだ短歌などが収録されています。
「デラシネ」で八木巌の詩集「どこからも遠い場所」に出会う
幼少期の舞、貴司、久留美が集まる場所が古書店「デラシネ」です。古本屋の主人・八木巌(又吉直樹)との出会いが、貴司の人生に大きく影響を与えることになります。
少年時代の貴司(齋藤絢永)が「ことば」を紡ぎ出すことに興味を持ったのは、八木巌が自主出版で作ったこの世に2冊しかない詩集「どこからも遠い場所」を読んだことがキッカケです。
第12話(2022/10/18)、舞と貴司は模型飛行機の作り方の本を探しに「デラシネ」に行きます。そこで貴司が手に取ったのが詩集「どこからも遠い場所」です。
ドラマの中では「白い蝶」が読まれていました。
この世に2冊しかない、八木さんの詩集。
貴司くんが共感していた詩はこちらの「白い蝶(ちょう)」です。
この詩は「#舞いあがれ!」の作者、桑原亮子さんの作品だそうです。もうすぐお昼の放送です。
詩を読んでからもう一度、ぜひこのシーンをご覧ください😊#朝ドラ #舞いあがれ美術図鑑 pic.twitter.com/n8HlxXtqtD— 朝ドラ「舞いあがれ!」 (@asadora_bk_nhk) October 18, 2022
白い蝶
静かな夜に
白い蝶が生まれようとしていた
大地にたよりなく根差した
一本の細い茎が
しかし
蝶になろうとするものの重みを
立派に支えていた
その茎の先では
青い花が
不安な揺れに花弁をひとひら失って
それでもなお
白い蝶の無事だけを祈っていた
その花の上では
半月が
やわらかい光を
辺り一面にそそいでいた
白い蝶の初めて見る世界が
美しくあるようにとけれども
蝶の孤独な闘いに
手を貸してやれるものはいなかった
蝶もそして茎も花も月も
ひとりぼっちなのだった出典:NHK「舞いあがれ!」第12話(2022/10/18)
脚本家「桑原亮子」は歌人でもある、ドラマ内の短歌も手掛ける
「舞いあがれ!」のメイン脚本家は「桑原亮子」さんです。
「桑原亮子」さんは歌人でもあり、前述の「白い蝶」は、桑原亮子さんの作品ということがNHK公式ツイッターから発表されています。
また、「白い蝶」だけでなくドラマ内で貴司が創作した詩・短歌などは、「桑原亮子」さんが手掛けています。※ソースはNHKドラマガイド「舞いあがれ Part2」に記載がありました。
俵万智さんがツイッターで貴司の短歌の感想をつぶやく
貴司くんの短歌、頼んでおいた…っていう動詞の距離感が絶妙。実質なんもしてないくらいの軽さで、でも気にかけてるってことは、しっかり伝わる。 #舞いあがれ pic.twitter.com/RKSdyLvOlO
— 俵万智 (@tawara_machi) January 16, 2023
貴司の短歌がドラマ内で放送されると、歌人の俵万智さんがツイッターで感想を述べられることもあり、ツイッター上でも話題となっています。
俵万智さんは代表歌集「サラダ記念日」など、現在も短歌界の第一人者として活躍する女流歌人です。
貴司(赤楚衛二)が創作した言葉・詩・短歌一覧
ドラマの中で、貴司は思いがけない言葉を発したり、詩や短歌を作ります。劇中で貴司が創作した言葉・詩・短歌をまとめました。
「干からびた犬」ノーサイドで書いた詩、第23話(2022/11/2)
第23話(2022/11/2)、喫茶店「ノーサイド」で貴司が紙ナプキンに書いた詩の一文が「干からびた犬」です。
高校卒業後にシステムエンジニアとして働き始めた貴司が、営業ノルマを達成できずに悩んでいる時に書いた詩です。
「干からびた犬」と聞いた久留美(山下美月)が心配しますが、貴司は「干からびた犬は、僕のことや」と、しんどいからこそ詩を書いていると答えます。
「星たちの光あつめて」五島列島で初めて作った短歌、第33話(2022/11/16)
結句の倒置が、いいなあ。「僕は」って開かれて終わると、そこに無限の未来が感じられる。 #舞いあがれ pic.twitter.com/OmI7aFLwto
— 俵万智 (@tawara_machi) November 16, 2022
貴司は会社を突然退職、幼少期に舞からもらった絵葉書の場所「五島列島の灯台」に行きます。
心配して五島列島に迎えに行った舞と久留美、少し元気を取り戻した貴司が五島列島の浜辺で2人に発表したのが以下の短歌です。貴司が初めて作った短歌です。
星たちの 光あつめて
見えてきたこの道をいく
明日の僕は出典:NHK「舞いあがれ!」第33話(2022/11/16)
「トビウオが飛ぶとき」福井県の港で書いた短歌、第41話(2022/11/28)
舞ちゃんがトビウオで、たかし君はまだ海の中の魚なんだね。でももう彼は知っている。世界が広いということを。 #舞いあがれ pic.twitter.com/uAUUiDVmkk
— 俵万智 (@tawara_machi) November 27, 2022
「航空学校」帯広分校でフライト課程に進んだ舞に、貴司からの絵葉書が届きます。
貴司は福井県の港で働きながらハガキに書いたのが、以下の短歌です。
トビウオが
飛ぶとき
他の魚は知る
水の外にも
世界があると出典:NHK「舞いあがれ!」第41話(2022/11/28)
「おめでとう」の短歌、第58話(2022/12/21)
おめでとう、の濁点まできっちり織り込む。しかもただの作文ではなく、しっかり短歌に。ますます腕を上げた貴司。#舞いあがれ pic.twitter.com/Kodebrl54I
— 連続8度 (@c_octave) December 20, 2022
舞は骨折したをばんば・才津祥子(高畑淳子)を手伝うため、五島列島に滞在します。そこに現れたのが貴司です。
紙飛行機に書いた「短歌」を飛ばし、航空学校を卒業した舞を祝福した短歌が以下です。
屋上を
めぐり続ける
伝書鳩
飛べるよ高く
浮き雲よりも出典:NHK「舞いあがれ!」第58話(2022/12/21)
最初の文字を繋げると「お・め・で・と・う」となっています。紙飛行機を拾って短歌を読んだ舞の元に、「舞ちゃん、航空学校卒業おめでとう」と言って貴司が登場します。
「見上げる白い星の裏は黒」短歌の一文、第60話(2022/12/23)
学校に馴染めず、島の留学体験で祥子(高畑淳子)の家に滞在する子供・朝陽(又野暁仁)と一緒に星を眺める舞と貴司。
家の縁側で、朝陽は双眼鏡でずっと星を眺め、舞はパイロットの飛行機訓練、貴司は短歌を作ります。
星を見ながら貴司はつぶやいた一文は
「見上げる白い星の裏は黒」「見上げる星の裏側」「星の裏側・・・」
と、短歌の最初を考える貴司でした。
「君が行く 新たな道を」舞が工場を引き継ぐ、第73話(2023/01/17)舞への恋心を綴った短歌
パイロットの夢を諦め、舞は父の工場の経営を立て直すと決意します。新規の仕事を取るために、舞は営業で会社を回りますが、なかなか結果が出せません。
落ち込んで家に帰る舞はポストに入っていた、貴司からのハガキを手に取ります。ハガキに書かれていた短歌は以下です。
貴司くんの短歌、頼んでおいた…っていう動詞の距離感が絶妙。実質なんもしてないくらいの軽さで、でも気にかけてるってことは、しっかり伝わる。 #舞いあがれ pic.twitter.com/RKSdyLvOlO
— 俵万智 (@tawara_machi) January 16, 2023
君が行く
新たな道を
照らすよう
千億の星に
頼んでおいた出典:NHK「舞いあがれ!」第73話(2023/01/17)
貴司からの短歌を読んだ舞は、夜空を見上げ元気を取り戻します。
また第82話(2023/01/30)、長山短歌賞の受賞を「うめづ」でお祝いした後、舞と貴司は公園で星を眺めます。「君が行く 新たな道を」の短歌がドラマ内で再登場しました。
第94話(2023/02/16)では、秋月史子(八木莉可子)から奈良の歌人・「狭野茅上娘子(さののちがみのおとめ)の本歌取りで「恋の歌」だという説明があります。
「本歌取り」とは有名な昔の短歌の一文を、自分の短歌に取り入れてオマージュすることです。
本歌は「別れざるを得なくなった夫への思い」を書いた狭野茅上娘子の和歌です。これを本歌取りした貴司の短歌は、舞への恋心を歌ったものです。
新鋭歌人として新聞に掲載、第76話(2023/01/20)
五島列島から東大阪に帰ってきた貴司を囲み、幼なじみの舞・久留美の3人が「うめづ」で乾杯していると・・・
貴司の母・雪乃(くわばたりえ)が、貴司の短歌が新聞に掲載されたと舞・久留美に伝えます。「今月の新鋭歌人」として掲載された、貴司の短歌は以下です。
\今月の新鋭歌人 梅津貴司(東大阪市)/
貴司くんスゴイ!👏
雪乃さん、とってもうれしそうでしたねー!どれもええ歌ですね…みなさんの心に寄り添ったのは、どの作品でしたか?#貴司の短歌 #短歌 #朝ドラ #舞いあがれ pic.twitter.com/IFyF3iWv7W
— 朝ドラ「舞いあがれ!」 (@asadora_bk_nhk) January 19, 2023
- 陽だまりの方へ寝返り打つように昆布は水にひらいていった
- 幾たびか咳に目覚めて対岸の灯を恋うように朝を待ってる
- 暗闇のどこで鳴いている三毛猫よ 白い部分手がかりに捜す
- 落ち込んで立ち直るまでの僕の歌パラパラマンガのように眺める
- 麻酔から覚める心地で見分けゆく雨に揺れる葉、風に揺れる
出典:NHK「舞いあがれ!」第76話(2023/01/20)
この後、元・デラシネ店主の八木巌(又吉直樹)が現れ、貴司にデラシネの鍵を渡し、古書店を譲ります。
「長山短歌賞」に応募する短歌を舞と選ぶ、第77話(2023/01/23)
デラシネを引き継いだ貴司は、短歌を作り続けます。貴司は短歌の芥川賞と呼ばれる「長山短歌賞」に応募することに。
デラシネに子供が来た時、選んでいた短歌の一文は
携帯電話が震えれば朝
出典:NHK「舞いあがれ!」第77話(2023/01/23)
そして、仕事帰りの舞がデラシネに寄り、「長山短歌賞」に応募する短歌を一緒に選びます。舞が読んだ貴司の短歌の一首が
舞い落ちる桜の花弁乗せたとき
オダマキの葉の揺れが止まった出典:NHK「舞いあがれ!」第77話(2023/01/23)
短歌の芥川賞と呼ばれる「長山短歌賞」とは?賞のモデルについては、以下でまとめています。
「銀の糸通し」秋月史子が初めて出会った貴司の短歌、第92話(2023/01/23)
秋月史子(八木莉可子)が実家を出て、やるせない気持ちを抱えていた時、貴司の短歌に出会って救われたと告白します。その時の貴司の短歌は以下です。
銀の糸通しのように足重ね
羽虫はやがて沈んでいった出典:NHK「舞いあがれ!」第92話(2023/02/13)
貴司は、沈んでいったのは自分ではなく「自分の孤独」だと答えます。
「水底に」リュー北條から催促されて作った短歌、第92話(2023/02/13)
長山書店の編集者・リュー北條(川島潤哉)に催促されて作った短歌が以下です。10首作れと言われますが、できた1首を舞に見せます。
水底に
影を預けて
釣られゆきし
川魚らの
形群れおり出典:NHK「舞いあがれ!」第92話(2023/02/13)
舞の次に短歌を読んだ秋月史子(八木莉可子)からは、「紀貫之(平安時代の歌人)の本歌取りですね」と貴司に伝えます。
「僕ひとり」秋月史子がお守りとしてメモっていた貴司の短歌、第94話(2023/02/15)
秋月史子(八木莉可子)が、孤独を癒やす自分のお守りとしてメモっていた貴司の短歌は以下です。
僕ひとり残ったバスに「ここ?」「ここ?」と
行先表示切り替わってく出典:NHK「舞いあがれ!」第94話(2023/02/15)
「目を凝らす、」舞への告白・覚悟を決めた短歌、第96話(2023/02/17)
いつもの公園で貴司を見つけた舞が「好き」と告白、貴司も「ずっと好きだった」と伝えます。
舞への思いを伝えられず、短歌が作れずに悩んでいた貴司のノートに綴られていた短歌が以下です。
目を凝らす、見えない星を
見るように一生かけて
君を知りたい出典:NHK「舞いあがれ!」第96話(2023/02/17)
貴司が舞への告白と覚悟を決めた短歌のように思います。
「デラシネの日々」貴司の短歌集、第98話(2023/02/21)
貴司が初めて出版した短歌集のタイトルが「デラシネの日々」です。デラシネとはフランス語で「根無し草」の意味です。
前述しましたが、幼少期の貴司は古書店・デラシネで八木巌(又吉直樹)でが自費出版した詩集「どこからも遠い場所」に心を奪われ、言葉を紡ぐことに興味を持ちます。
短歌集にもタイトルにもなった「デラシネの日々」には、貴司の様々な思いが込められているのかもしれません。
第98話(2023/02/21)、デラシネに貴司を訪ねてきたリュー北條(川島潤哉)から、「短歌集としては異例の重版」の報告があります。
「この小舟」連載を決めたバイト募集の短歌、第105話(2023/02/17)
担当編集者・リュー北條から、「全国を旅して子供たちに短歌を教えながら雑誌の連載をする」企画を提案されます。
迷っていた貴司が連載を決め、舞に見せた短歌(バイト募集の張り紙)が以下になります。
この小舟
守ってほしい
月七日
ときどき本の
売り買いもして出典:NHK「舞いあがれ!」第105話(2023/03/02)
「デラシネ」はバイトを雇い、月に7日は連載のために旅することを決めた貴司でした。
「連星」貴司の第二歌集、第112話(2023/03/13)
貴司の第二歌集のタイトルが「連星(れんせい)」です。重版もされています。
「海底の砂に手指して」祥子(高畑淳子)が気に入った短歌、第119話(2023/03/22)
脳梗塞で倒れたばんば・祥子(高畑淳子)は、大阪の家でめぐみ、舞、貴司と一緒に生活を始めます。
祥子が第一歌集「デラシネの日々」を読み、気に入った短歌を貴司に伝えます。その短歌が以下です。
海底の砂に手指して冷たさにしびれた指を水でぬくめる
出典:NHK「舞いあがれ!」第119話(2023/03/22)
貴司は感謝しますが、「もう、こういう歌は詠めません」と本音を祥子に伝えるのでした。
他にも、この場面で確認できた第一歌集「デラシネの日々」には以下の短歌が掲載されています。
親よりも割り箸短く持ちながら食べる子映る夜更けの車窓
仰向けに寝転んで歌をつくるときカンバス広く使えるようだ
アパートの部屋番号まで書かれてる絵馬夕風に回り始めた
出典:NHK「舞いあがれ!」第119話(2023/03/22)
随筆集「トビウオの記」深海の星を知らない魚、第125話(2023/03/30)
短歌が作れずに苦しんでいた貴司が、書く力を取り戻し出版したのが「トビウオの記」です。随筆集の中に、短歌も収録されているようです。
何も書けなくなった貴司はパリに旅立ち、舞への手紙のように随筆から書き始めます。
ドラマの中では2026年、パリに住むデラシネのおっちゃん八木(又吉直樹)が、貴司の本を手に取り、「トビウオの記」を読むシーンがあります。
その中で読んでいた貴司の俳句は、以下の通りです。
深海の星を知らない魚(うお)のためカササギがこぼした流れ星
出典:NHK「舞いあがれ!」第125話(2023/03/30)
舞は物語終盤、島と島を繋ぐ「空飛ぶクルマ」の開発に携わります。その「空飛ぶクルマ」に「カササギ」と名前を付けます。
「深海の星を知らない魚」とは貴司のことで、カササギは「舞」として表現しているのかもしれません。貴司にとって、舞はずっと星を見せてくれる希望だったのかも?(※勝手な推測なのでご了承下さい)
その他、秋月史子(八木莉可子)や子供の短歌一覧
「長山短歌賞」を受賞した貴司の短歌に感動した秋月史子(八木莉可子)は、デラシネへ会いにやって来ます。
秋月史子の短歌や、デラシネに出入りする子供の短歌は以下の通りです。
「水族館の短歌」デラシネで初めて読んでもらう、第90話(2023/02/09)
短歌を誰かに見せることに臆病だった秋月史子(八木莉可子)が、デラシネで初めて貴司に読んでもらった短歌が以下です。
今朝産みし子を連れ水槽巡りたるイルカは如何に海を教へむ
完璧な解釈をしたうえで「一番近くにおんのに、どうしても伝えられへんことがある切なさみたいなもん」を感じた貴司くん。それって今の自分の、舞ちゃんへの想いだよね😭 #舞いあがれ pic.twitter.com/9jTImxMhgw
— 俵万智 (@tawara_machi) February 8, 2023
今朝産みし
子を連れ水槽
巡りたる
イルカは何処に
海を教へむ出典:NHK「舞いあがれ!」第90話(2023/02/09)
デラシネに出入りする子供・根岸陽菜(徳網まゆ)の短歌、第99話(2023/02/22)
短歌の宿題を出されたデラシネに出入りする子供・根岸陽菜(徳網まゆ)が、貴司に教わりながら作った短歌は以下です。
いやなこと
ふきとばすよな
言葉やな
すかんぴん ママ、
大丈夫やで出典:NHK「舞いあがれ!」第99話(2023/02/22)
デラシネに出入りする子供・広田大樹(中須翔真)の短歌、第99話(2023/02/22)
同様に短歌の宿題を出されたデラシネに出入りする子供・広田大樹(中須翔真)が、貴司に教わりながら作った短歌は以下です。
すべり台
すべっただけで
あながあく
ズボン弱すぎちゃうんか
お前出典:NHK「舞いあがれ!」第99話(2023/02/22)
また、広田大樹を演じる子役・中須翔真さんは、「おちょやん」で天海一平(成田凌)の幼少期、「スカーレット」ではヒロイン・川原喜美子の息子・武志(伊藤健太郎)の幼少期を演じていました。
貴司の「こども短歌教室」の男の子(湯田大夢)の短歌、第100話(2023/02/23)
貴司が短歌の楽しさを伝えるために開いた「こども短歌教室」で、男の子(湯田大夢)が考えた短歌は以下です。
下向いて
じーっと見てた
アリたちが
おれたちよりも
ならぶんきれいで出典:NHK「舞いあがれ!」第100話(2023/02/23)
男の子からは「最後がどうしても8個(8文字)」になると聞かれた貴司は、「ちょっとくらいはみだしても、ええやん」と教えるのでした。
貴司の「こども短歌教室」の女の子(清水美怜)の短歌、第100話(2023/02/23)
「こども短歌教室」の様子を公園の外から見ていて、舞から声をかけてもらい途中から参加した女の子(清水美怜)が考えた短歌は以下です。
木にのぼり
ピースした子は
キズがいっぱい
わたげはもっと
上までいくよ出典:NHK「舞いあがれ!」第100話(2023/02/23)
貴司からは「わたげを見たときはどんな気持ちだった?」と聞かれて、女の子は短歌を作り直します。
また、短歌教室に参加した女の子を演じた「清水美怜」さんは、朝ドラ常連の子役です。
「カムカムエヴリバディ」では、ベリー(市川実日子)の娘・野田一恵(三浦透子)の幼少期を演じていました。他にも「おちょやん」「まんぷく」にも子役として出演しています。
まとめ
「舞いあがれ!」では舞の幼なじみ梅津貴司(赤楚衛二)が創作した詩・俳句・短歌などが登場します。
「舞いあがれ!」の中で出てきた短歌・詩をまとめたアンソロジー「トビウオが飛ぶとき」は2023/5/29発売です!
他にも「舞いあがれ!」の登場人物・キャスト一覧は、以下をチェックしてください。
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