「虎に翼」戦前の「華族制度」の史実とは？桜川涼子、桜川家の特権は？

2024年4月1日（月）放送スタートの、第110作となるNHK連続テレビ小説「虎に翼」

ヒロイン・猪爪寅子は、「伊藤沙莉（いとう・さいり）」さんが演じます。「虎に翼」のあらすじは、以下の通りです。

日本初の女性弁護士で、後に裁判官となったヒロイン・猪爪寅子（いのつめ・ともこ）の物語。

寅子は戦前に日本初の女性弁護士となり、日本中から注目され憧れの的に。ところが、戦争へと突き進んでいく日本では法学を使える場は急速に消えてしまう。

戦後、寅子は裁判官になることを決意。寅子は困難な時代に道なき道を切り開き、弱者を救っていくリーガルエンターテインメント。

寅子は戦後に「女性裁判官」となり、その後、判事補から判事に昇格すると「新潟地家裁・三条市支部」に異動を命じられます。

寅子は新潟で明律大学の同級生、華族のお嬢さまだった桜川涼子と再会、涼子は喫茶店「ライトハウス」で働き、普通の生活をしています。

戦後すぐに廃止された「華族制度」、日本の戦前の「華族制度」の史実について紹介します。

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「虎に翼」元・華族だった桜川涼子と新潟で再会
戦前の「華族制度」とは？日本の貴族階級
「華族階級」の特権とは？
日本の「華族制度廃止」の経緯
まとめ

「虎に翼」元・華族だった桜川涼子と新潟で再会

寅子（伊藤沙莉）は、新潟地方裁判所の近くにある喫茶店「ライトハウス」を経営する、華族のお嬢さまだった桜川涼子（桜井ユキ）と再会します。

【虎に翼】第81話（2024/07/24）

喫茶ライトハウスを経営していたのは涼子（桜井ユキ）と玉（羽瀬川なぎ）だった。再会を喜ぶ寅子（伊藤沙莉）だったが、玉はある事情を抱えていた。

出典：NHK番組表

戦後は「華族制度」は廃止されており、桜川家は華族としての特権を失っています。

戦前の桜川涼子の桜川家は、男爵の位です。爵位は女性が継承できないため、涼子の母親・寿子（筒井真理子）は娘に結婚してもらい、桜川家の華族の地位を守ろうとしました。

桜川涼子（桜井ユキ）と、お付きの人だった・玉（羽瀬川なぎ）は、二人で喫茶店「ライトハウス」で普通に働いています。

戦前の「華族制度」とは？日本の貴族階級

「虎に翼」戦前の「華族制度」とは？日本の貴族階級華族制度は、明治時代初頭から第二次世界大戦後まで日本に存在した貴族階級制度です。1869年（明治2年）に創設され、1947年（昭和22年）に廃止されるまで78年間存続しました。

明治政府が江戸時代の旧体制から新体制への移行を円滑に進め、政治的安定を確保するための重要な施策の一つとされます。

旧大名や公家、功績のあった人物や家族が、華族として認定されました。華族は、公家と武家を一つに統合し、五爵（上から位の順番は、公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵）から成り立ちます。

明治維新において、重要な役割を果たした人物も華族として認定されました。例えば、板垣退助は伯爵の爵位を与えられましたが、彼自身はこれを辞退しようとしています。

「華族階級」の特権とは？

戦前の日本の「華族」には、以下のような特権がありました。

爵位の継承

華族の爵位は世襲であり、家督を相続する際に爵位も引き継がれました。

政治的特権

華族は貴族院（後の参議院に相当）に議席を持ち、立法に関与する権利がありました。

社会的地位

華族としての地位は社会的にも高く、特定の社会的・文化的行事において優先的な扱いを受けました。

経済的特権

華族には領地や財産が与えられ、経済的にも裕福であることが多かったです。

他にも、子弟は学習院に無試験で入学できるなど、教育面でも優遇されていました。

日本の「華族制度廃止」の経緯

第二次世界大戦で敗戦した日本は、連合国軍最高司令官総司令部（GHQ）の占領下に置かれます。GHQは、日本の民主化と非軍事化を進める中で、「華族制度」の廃止を指示します。

そして「華族制度」は、第二次世界大戦後の1947年に日本国憲法が施行された際に廃止されました。日本国憲法の第14条に、以下の記載があります。

すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

華族その他の貴族の制度は、これを認めない。

栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。この栄典の授与は、一代に限り、その効果を有する。

出典：日本国憲法

戦後の「華族制度」の廃止は、日本における平等主義の確立と民主化の重要な一歩となりました。