「ブラッサム」珠と保はなぜ北海道・札幌へ?宇野千代も移住した史実と小説家デビュー
朝ドラ「ブラッサム」【第6週】「ふたり、北へ」では、ヒロインの葉野珠(石橋静河)が、木村保(金子大地)とともに北海道・札幌へ向かいます。
珠の実在モデルである作家・宇野千代も、1920年(大正9年)、夫・藤村忠とともに北海道・札幌へ移住した史実があります。
そして札幌で暮らしていた1921年(大正10年)、懸賞小説「脂粉の顔(しふんのかお)」が一等に入選。小説家への道を切り開きました。
「ブラッサム」で珠と保が北海道へ向かう理由と、宇野千代が札幌で過ごした史実を解説します。
「ブラッサム」珠が北海道・札幌へ?保との新生活の行方
「ブラッサム」【第6週】「ふたり、北へ」では、珠と保の生活に大きな転機が訪れます。
珠のお腹に子どもが宿るものの、保はまだ大学生。出産費用や生活費など、お金の不安を抱えることに。
そんな2人のもとを訪ねてくるのが、保の母・照子(山田真歩)と、札幌の銀行に勤める親戚・木村正吾(三宅弘城)です。
照子と正吾は、出産費用や生活費を援助する代わりに、珠たちにある提案を持ちかけます。
週のタイトル「ふたり、北へ」のとおり、珠と保は東京を離れ、北海道・札幌で新しい生活を始めます。
史実でも宇野千代は1920年(大正9年)に北海道・札幌へ移住
珠のモデル・宇野千代も、実際に北海道で暮らした時期がありました。宇野千代は1919年(大正8年)8月、いとこの藤村忠と結婚。
翌1920年(大正9年)、藤村忠が北海道拓殖銀行に就職したことに伴い、札幌へ移住しています。
つまり、宇野千代が北海道へ渡ったのは、夫・藤村忠の就職がきっかけでした。
藤村忠は、東京帝国大学(現在の東京大学)の法学部で学んだ人物。就職先の北海道拓殖銀行は、北海道の開拓や産業を資金面で支えるために、1900年(明治33年)に設立された特殊銀行(国の政策にもとづいてつくられた特別な銀行)です。
また、宇野千代は札幌へ移る前の1917年(大正6年)には、東京・本郷の西洋レストラン「燕楽軒(えんらくけん)」で18日間だけ働いた経験も。
「ブラッサム」でも、珠は西洋レストラン「悠樂軒」で働き、文芸雑誌「首都公論」の編集長・黒崎大三郎(遠藤憲一)らと出会っています。
東京での暮らしから北海道・札幌へ向かう流れは、宇野千代の実際の人生と重なります。
関連記事:「ブラッサム」悠樂軒のモデルは燕楽軒?
関連記事:首都公論のモデルは中央公論?
宇野千代は札幌時代に「脂粉の顔」で一等入選!小説家デビューへ
宇野千代にとって、札幌での暮らしは小説家としての人生を切り開く重要な時期となりました。
1921年(大正10年)1月、新聞「時事新報(じじしんぽう)」の懸賞小説に応募した短編小説、「脂粉の顔」が一等に入選。23歳のときのことです。
賞金は200円でした。
この懸賞では、のちに宇野千代と結婚する作家・尾崎士郎(おざき・しろう)が二等に選ばれています。
宇野千代の小説家デビューのきっかけとなった作品は、北海道・札幌で暮らしていた時期に生まれました。
宇野千代はその後、札幌を離れて東京へ
「脂粉の顔」の入選をきっかけに、宇野千代の人生は大きく動き出します。
1922年(大正11年)には、雑誌「中央公論」に小説「墓を発く(はかをあばく)」が掲載。同じ年、上京中に尾崎士郎と出会い、そのまま東京で暮らし始めます。
1924年(大正13年)4月には藤村忠と協議離婚し、尾崎士郎と正式に結婚しました。札幌での暮らしは、宇野千代が作家として飛躍する前の、大きな転換点だったといえます。
木村保のモデルと考えられる藤村忠と、宇野千代の結婚から離婚までの史実については、以下の記事で解説しています。
【出典・参考資料】
まとめ
「ブラッサム」【第6週】では、珠と保が北海道・札幌へ向かいます。
史実の宇野千代も、1920年(大正9年)に夫・藤村忠の北海道拓殖銀行への就職をきっかけに札幌へ移住。札幌時代の1921年(大正10年)に「脂粉の顔」が一等入選し、小説家への道が開かれました。
他にも「ブラッサム」のキャスト・スタッフ一覧は、以下でまとめています。
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