朝ドラ「ブラッサム」【第23話】では、本郷の西洋レストラン「悠樂軒(ゆうらくけん)」で働き始めた珠(石橋静河)が、黒崎(遠藤憲一)からチップ(心付け)を受け取ります。

その額は「50銭」。

大正時代の50銭は、いまのお金にするとどれくらいの価値だったのでしょうか。当時の米の値段をもとに、現代の金額に換算して解説します。

 

「ブラッサム」【第23話】悠樂軒で働く珠が黒崎から50銭の心付け

「ブラッサム」【第23話】悠樂軒で働く珠が黒崎から50銭の心付け

珠が働き始めた「悠樂軒」は、東京・本郷にある西洋レストラン。店長の熊田(斎藤司)のもと、ベテラン女給の松子(瀬戸さおり)や、仲良しの女給スギ(愛)とヨネ(誠)が働いています。

女給(じょきゅう)とは、レストランやカフェーで客の接客や給仕をする女性のこと。珠もその一人として、新しい生活を始めます。

悠樂軒の店長・女給を演じるキャストについては、以下の記事でまとめています。

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女給として働く珠に50銭を渡したのが、文芸雑誌「首都公論」で編集部のトップを務める黒崎です。

心付け(こころづけ)は、サービスへのお礼として客が渡すお金。現代でいうチップにあたります。

黒崎大三郎の実在モデルと、「首都公論」のモデルについては、以下の記事で詳しく解説しています。

「ブラッサム」首都公論のモデルは中央公論?黒崎大三郎(遠藤憲一)と滝田樗陰の史実
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「ブラッサム」大正時代の50銭はどれくらい?米の値段と比較

「ブラッサム」大正時代の50銭はどれくらい?米の値段と比較

当時のお金の単位は「円」と「銭(せん)」で、1円=100銭。50銭は、ちょうど1円の半分にあたります。

珠が上京した大正時代の半ば、1917年(大正6年)の米の値段は、1升(約1.5kg)あたり28銭でした。

  • 米1升(約1.5kg):28銭(1917年・大正6年)
  • 50銭で買える米:約1.8升(約2.7kg)

つまり、黒崎の心付け50銭で、米およそ2.7kgが買えた計算になります。

翌1918年(大正7年)の6月には、米1升が33銭5厘まで値上がりし、各地で米騒動が起こりました。大正時代は、物価が大きく動いた時代でもあったのです。

出典:北九州市「門司の米騒動」資料

 

「ブラッサム」大正の50銭は今のいくら?現代に換算すると

「ブラッサム」大正の50銭は今のいくら?現代に換算すると

現在のスーパーでの米の平均価格は、5kgあたり3,000円前後(2026年9月下旬時点で2,926円)。1kgあたり約585円です。

この値段をもとに、50銭で買えた米約2.7kgを現代の金額に置きかえると…

  • 大正6年の50銭 ≒ 現在の約1,500〜1,600円
  • 大正6年の1円 ≒ 現在の約3,100円

米の値段で考えると、黒崎の心付け50銭は、現代の約1,500〜1,600円に相当します。

ただし、当時の米は家計に占める割合が今よりずっと大きく、米の値段だけで比べると、実際より低く見積もられる可能性があります。当時の人々の給料や暮らしの感覚からすると、50銭はもっと重みのある金額だったと考えられます。

1回の接客で受け取る心付けとしては、かなり気前のいい額だったのではないでしょうか。

なお、明治時代を舞台にした前作「風、薫る」の看護婦の給料については、以下の記事で解説しています。

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「ブラッサム」女給と心付け|珠のモデル・宇野千代も本郷の西洋料理店で給仕に

大正から昭和初期にかけて、都市部では西洋料理店やカフェーが増え、女給は新しい女性の働き口のひとつになりました。

昭和に入ると、カフェーの女給は固定給ではなく、客からのチップを主な収入とすることが多かったとされています。心付けは、女給の暮らしを支える大切なお金でもあったのです。

珠のモデル・宇野千代も、上京後の1917年(大正6年)、本郷の西洋料理店「燕楽軒(えんらくけん)」で給仕として働きました。

悠樂軒のモデルと考えられる燕楽軒や、そこで働いた宇野千代の史実については、以下の記事で解説しています。

「ブラッサム」悠樂軒のモデルは燕楽軒?宇野千代が18日間働いた史実・場所
「ブラッサム」悠樂軒のモデルは燕楽軒?宇野千代が18日間働いた史実・場所朝ドラ「ブラッサム」で珠(石橋静河)が働く西洋レストラン「悠樂軒」。モデルと考えられるのが、宇野千代が1917年に18日間だけ働いた本郷の「燕楽軒」です。場所や芥川龍之介・瀧田樗陰との出会い、作家デビューまでの史実を解説。...

 

まとめ

「ブラッサム」【第23話】で、悠樂軒で働き始めた珠が黒崎から受け取った心付けは「50銭」。

大正6年の米の値段(1升28銭)で考えると、50銭で米約2.7kgが買え、現代の約1,500〜1,600円に相当します。当時の暮らしの感覚では、さらに大きな価値があったと考えられます。

他にも「ブラッサム」のキャスト・スタッフ一覧は、以下でまとめています。

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大森拓也
放送作家、物書き、フリーライター歴20年以上です。放送作家としての仕事については、以下のブログに記載しています。
朝ドラ【再放送/見逃し】動画を見る方法
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