NHK連続テレビ小説「マッサン」は、2014年9月29日から2015年3月28日まで放送された全150話の朝ドラです。

主役・亀山政春(マッサン)を演じたのは「玉山鉄二」さんです。そして、ヒロイン・亀山エリーは、「シャーロット・ケイト・フォックス」さんが演じています。

「マッサン」のあらすじは以下の通りです。

広島の造り酒屋の跡取りで、ウイスキーに目覚めたマッサンこと亀山政春(玉山鉄二)。スコットランドを離れて、一緒に来日した青い瞳の妻・エリー(シャーロット)。数々の苦労を二人三脚で乗り越え、本場も認める国産ウイスキーを造り出した夫婦のストーリー。

 

マッサンが北海道に設立した「北海道果汁」、その実在モデルの会社と史実を紹介します。

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「マッサン」第97話「北海道果汁」のリンゴジュース製造が始まる

「マッサン」第97話「北海道果汁」のリンゴジュース製造が始まる

【第97話】では、マッサンが北海道に設立した会社「北海道果汁(ほっかいどうかじゅう)」でリンゴジュースの製造が始まります。

ところが、営業はうまくいかず、倉庫には売れ残った商品が山積みに。ウイスキーの熟成を待ちながら、果汁の販売で食いつなごうとするマッサンの苦しい船出が描かれます。

マッサンの会社「北海道果汁」には、実在のモデルがあります。

 

北海道果汁の実在モデルは大日本果汁株式会社|ニッカウヰスキーの前身

北海道果汁の実在モデルは大日本果汁株式会社|ニッカウヰスキーの前身

朝ドラ「マッサン」に登場する「北海道果汁」の実在モデルは、「大日本果汁株式会社(だいにほんかじゅう)」です。

マッサンの実在モデルである竹鶴政孝(たけつる・まさたか)が、1934年(昭和9年)7月2日に北海道余市(よいち)に設立した会社で、現在のニッカウヰスキー余市蒸溜所がある場所に建てられました。

ドラマ 実在モデル
北海道果汁 大日本果汁株式会社
亀山政春(マッサン) 竹鶴政孝
エリー 竹鶴リタ

 

大日本果汁株式会社の史実|設立からニッカウヰスキー誕生まで

大日本果汁株式会社は、1934年(昭和9年)7月2日に設立されました。竹鶴政孝は代表取締役専務に就任し、北海道余市に工場を建設します。

資本金は10万円。現在の貨幣価値に単純換算すると、あくまで目安ですが約1億円前後にあたる規模です。そのため「少ない資金で始まった会社」というよりも、支援者を得て本格的に立ち上げられた会社といえます。

翌1935年(昭和10年)には「ニッカ林檎汁」を発売。ウイスキーは熟成に時間がかかるため、まずはリンゴジュースを販売しながら、ウイスキーづくりの準備を進めていきました。

1936年(昭和11年)にはウイスキー・ブランデーの製造免許を受け、蒸溜・製造を本格的に開始します。そして会社設立から6年後の1940年(昭和15年)、ついに第一号ウイスキー「ニッカウヰスキー」が発売されました。

つまり、現在の社名である「ニッカウヰスキー株式会社」が誕生するのは1952年(昭和27年)ですが、「ニッカウヰスキー」という商品名は、1940年(昭和15年)にすでに誕生していたことになります。

しかしその後、戦時体制が強まる中でウイスキーは統制品となり、大日本果汁は海軍監督工場となります。終戦後も、品質にこだわる竹鶴政孝は安易な低価格商品を出さず、経営的には苦しい時代が続きました。

マッサンのモデル・竹鶴政孝は1943年(昭和18年)に社長に就任。そして1952年(昭和27年)、大日本果汁株式会社は「ニッカウヰスキー株式会社」へ社名を変更し、現在へと続く歩みを進めていきます。

  • 1934年(昭和9年)「大日本果汁株式会社」を設立
  • 1935年(昭和10年)「ニッカ林檎汁」を発売
  • 1936年(昭和11年)ウイスキー製造を本格開始
  • 1940年(昭和15年)第一号ウイスキー「ニッカウヰスキー」を発売
  • 1943年(昭和18年)竹鶴政孝が社長に就任
  • 1952年(昭和27年)ニッカウヰスキー株式会社に社名変更

 

大日本果汁はなぜリンゴジュースから始まったのか

朝ドラと同じく、実際の大日本果汁もリンゴジュースの製造・販売からスタートしています。リンゴの産地である余市の地の利を活かして果汁事業を始めたのです。

ウイスキーは製造してすぐに出荷できる商品ではなく、熟成に長い時間が必要です。そのため竹鶴政孝は、すぐに販売できるリンゴジュースを作りながら、ウイスキーの熟成を待つ道を選びました。

この史実は、朝ドラ「マッサン」のエピソードとして描かれています。

 

ニッカウヰスキー社名の由来|大日本果汁の「日」と「果」

「ニッカ」という名前は、大日本果汁の「日」と「果」を組み合わせたものです。

1940年(昭和15年)、大日本果汁から第一号ウイスキーが発売された際、「大日本果汁」の「日」「果」から「ニッカウヰスキー」と名付けられました。

その後、1952年(昭和27年)に大日本果汁株式会社は「ニッカウヰスキー株式会社」へ社名を変更します。つまり「ニッカ」という名前には、創業時のリンゴジュース事業と、大日本果汁という社名の名残が残っています。

 

まとめ

朝ドラ「マッサン」に登場する「北海道果汁」の実在モデルは、竹鶴政孝が1934年に北海道余市に設立した大日本果汁株式会社です。

当初はリンゴジュースを製造しながらウイスキーの熟成を待ち続け、のちにニッカウヰスキーへと成長しました。

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大森拓也
放送作家、物書き、フリーライター歴20年以上です。放送作家としての仕事については、以下のブログに記載しています。