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「べらぼう」天明の洪水とは?利根川氾濫が田沼意次の失脚につながった理由

「べらぼう」天明の洪水とは?利根川氾濫と「田沼意次」失脚の背景

2025年1月5日(日)スタートの第64作となるNHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」

「べらぼう」の主人公・蔦屋重三郎を演じるのは「横浜流星」さんです。そして、森下佳子さんが脚本を担当、あらすじは以下の通りです。

“江戸の出版王”と呼ばれた「蔦屋重三郎」の波乱万丈の生涯を描く。人口100万を超えた江戸、貧しい家庭に生まれた蔦重は養子として育ち、貸本屋から書籍編集・出版業へと進出。

田沼意次の時代に「黄表紙」の大ヒットで文化の中心となり、喜多川歌麿や葛飾北斎など、後の巨匠たちを世に送り出す。笑いと涙、謎が交錯する物語を通じ、蔦重の自由と文化への情熱が時代を超えて描かれるエンターテインメントドラマ。

 

「べらぼう」第31話では、江戸を襲った利根川の大洪水「天明の洪水」が描かれました。

1786年に実際に起きた「天明の洪水(てんめいのこうずい)」から、田沼意次の失脚へとつながった背景を解説します。

 

【第31話あらすじ】利根川が決壊!江戸を襲った洪水と蔦屋重三郎の行動とは?

【第31話あらすじ】利根川が決壊!江戸を襲った洪水と蔦屋重三郎の行動とは?

蔦屋重三郎(横浜流星)は、利根川の決壊によって江戸が大洪水に見舞われた知らせを受け、深川の様子を見に行きます。

新之助(井之脇海)やふく(小野花梨)らの安否を気遣い、食料を持参して現地へ。寺院で配給が行われる中、幕府の対応を探っていた蔦重は、長谷川平蔵(中村隼人)と再会します

平蔵の話では、幕府は災害対策に追われ、救援物資どころか町人の支援に頼っている有様。さらに、江戸城では将軍・徳川家治(眞島秀和)が体調を崩し、月次御礼を欠席する異常事態。老中たちが戸惑う中、田沼意次(渡辺謙)は家治から”ある話”を聞かされることに……

この回の序盤で描かれた「利根川の氾濫」は、1786年(天明6年)に実際に起きた歴史的災害「天明の洪水」です。

 

1786年「天明の洪水」とは?1783年「天明大噴火」が遠因

1786年「天明の洪水」とは?1783年「天明大噴火」が遠因

1786年(天明6年)、江戸や関東一帯を襲った「天明の洪水」は、利根川水系の大規模な氾濫によって引き起こされました。

洪水の背景には、1783年(天明3年)の浅間山噴火(天明大噴火)があり、大量の火山灰や土砂が流入したことが3年後の洪水の遠因となりました。この時期は天候不順と天明の大飢饉など、厳しい社会状況が続いていました。

「べらぼう」でも描かれた「天明大噴火」については、以下の記事でまとめています。

「べらぼう」江戸に火山灰が降る?浅間山の「天明大噴火」とは?【第25話史実解説】
「べらぼう」江戸に火山灰が降る?浅間山の「天明大噴火」とは?【第25話史実解説】NHK大河ドラマ「べらぼう」第25話では、江戸に火山灰が降る場面が登場。史実に基づく1783年の浅間山大噴火と、田沼意次の失脚につながる影響を紹介します。...

 

天明の洪水で氾濫した場所は?利根川・鬼怒川・荒川などの地域が被害

利根川本流のほか、鬼怒川、渡良瀬川、荒川など複数の支流でも同時に氾濫が発生。関東各地の農村が水没し、田畑が壊滅的な被害を受けました。

江戸でも、本所や深川、牛込など低地の町人地で大きな被害が出て、多くの人々が住居を失いました。

 

天明の洪水による被害状況|死者数・家屋流出・江戸の影響とは?

被害の規模は当時「未曾有」と評され、死者は数千~1万人を超えたともいわれます。

流失家屋も多数にのぼり、江戸幕府による救援は十分とはいえず、寺院や町人による自主的な支援が目立ったと伝えられています。

 

田沼意次の政治的失脚につながる「天明の飢饉・洪水・家治」の死が追い打ちに

田沼意次は経済政策に力を入れた改革派の老中として知られていますが、天明期の飢饉や洪水など相次ぐ災害によって人々の生活は疲弊し、田沼の政策に対する批判が高まりました。

 

天明の飢饉と洪水が招いた庶民の不満

飢饉による食糧不足のなかで大洪水が重なり、米価は急騰。都市や農村では打ち壊し(暴動)も発生し、田沼政治に対する不満と批判が一層強まりました。

 

「貸金会所令」と「御用金」が庶民の不満の種

幕府財政再建を目的とした「貸金会所令」は町人層の反感を招き、さらに救済策として町方から御用金(強制的に徴収した臨時の上納金)を募ったことも庶民の不満の種となりました。

「貸金会所令」については、以下の記事で解説しています。

べらぼう「貸金会所令」とは?拝借金に代わる田沼意次の先進的な金融政策
べらぼう「貸金会所令」とは?拝借金に代わる田沼意次の先進的な金融政策NHK大河ドラマ「べらぼう」貸金会所令は、田沼意次が主導した先進的な経済対策でしたが、大名・商人双方の反発でうまく機能しませんでした。...

 

徳川家治の死と田沼意次の失脚

天明6年(1786年)8月25日、第10代将軍・徳川家治が死去し、最大の後ろ盾を失った田沼意次は同年失脚。

後任の松平定信が登場し、田沼の改革路線を転換して厳格な倹約政策「寛政の改革」を進めていきます。

 

まとめ

「べらぼう」第31話で描かれた「天明の洪水」は、田沼意次の失脚につながる要因のひとつです。飢饉や将軍・家治の死といった出来事も重なり、時代は大きく動いていきました。

他にも「べらぼう」のキャスト・登場人物・スタッフ一覧は、以下をチェックしてください。

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大森拓也
放送作家、物書き、フリーライター歴20年以上です。放送作家としての仕事についてはこちらで記載しています⇒https://note.com/hearty_takin9949
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