2025年1月5日(日)スタートの第64作となるNHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」
「べらぼう」の主人公・蔦屋重三郎を演じるのは「横浜流星」さんです。そして、森下佳子さんが脚本を担当、あらすじは以下の通りです。
“江戸の出版王”と呼ばれた「蔦屋重三郎」の波乱万丈の生涯を描く。人口100万を超えた江戸、貧しい家庭に生まれた蔦重は養子として育ち、貸本屋から書籍編集・出版業へと進出。
田沼意次の時代に「黄表紙」の大ヒットで文化の中心となり、喜多川歌麿や葛飾北斎など、後の巨匠たちを世に送り出す。笑いと涙、謎が交錯する物語を通じ、蔦重の自由と文化への情熱が時代を超えて描かれるエンターテインメントドラマ。
「べらぼう」第17話から、成長した花魁・誰袖(演:福原遥)が登場しています。
ドラマで描かれる「誰袖」のキャラクター紹介とあわせて、「誰袖」の史実について紹介します。
※この記事の内容は、当サイトが運営する「YouTube」で解説しています。動画でご覧になりたい方は、以下をご視聴ください。
「べらぼう」誰袖(たがそで)とは?キャラクター紹介

「誰袖(たがそで)」は、吉原の新興勢力・大文字屋(伊藤淳史)の女郎です。
幼いころは「かをり(稲垣来泉)」と名乗り、禿(かむろ)から振袖新造(ふりそでしんぞう)へと成長していきます。
小さい頃から蔦屋重三郎(横浜流星)に一方的な恋心を抱いていた「かをり」

やがて美しく成長し、吉原を代表する花魁「誰袖」となります。大人に成長した「誰袖」は、女優「福原遥」さんが演じています。
さらに物語が進むと、老中・田沼意次(渡辺謙)の“懐刀”ともいえる勘定組頭・土山宗次郎に見初められ、莫大な金額で身請けされるという転機が訪れます。
しかし、その金の出どころに疑惑が生じ、次第に吉原と幕府、そして蔦屋重三郎と誰袖自身の人生を揺るがす大事件へと発展していきます。
「べらぼう」幼少期から蔦重に恋心を抱くのはドラマオリジナル

大河ドラマ「べらぼう」では、「誰袖」が幼少期から蔦屋重三郎に恋心を抱いていたという描写があります。
「誰袖」と幕臣・土山宗次郎の関係については多くの記録や逸話が残っていますが、蔦重との直接的な恋愛関係は史料には見当たらないため、これはドラマ独自の創作設定です。
以下からは、実際に記録に残る「誰袖」の史実を紹介します。
実在した花魁「誰袖」の史実、土山宗次郎との身請けと田沼失脚後の悲劇
↑「誰袖」の名前が記載
出典:『吉原傾城新美人合自筆鏡』天明4年
国立国会図書館デジタルコレクション(https://dl.ndl.go.jp/pid/1183330/1/18)
大河ドラマ「べらぼう」登場する「誰袖」は、吉原に実在した花魁です。
吉原屈指の人気を誇った花魁・誰袖とは?
「誰袖」は、吉原の有名な妓楼「大文字屋」に所属していた実在の花魁です。
「誰袖」は“呼出し花魁”という格式ある地位にあり、限られた客しか指名できない存在でした。美しさはもちろんのこと、教養や話術にも優れており、多くの文人や武士を魅了したといわれています。
“呼出し花魁”とは、女郎の中でも選ばれた高位の存在で、指名がなければ客のもとへ出ない格式の高い花魁です。
↑当時の史料に「大文字屋」と「誰袖」の名前が記載
出典:『吉原細見 五葉松』天明3年(https://dl.ndl.go.jp/pid/2537563/1/15)
当時、蔦重が出版した吉原のガイドブック『吉原細見 五葉松』(天明3年・1783年)にも、大文字屋「たがそで」としてその名前がしっかりと掲載されています。
誰袖は狂歌も詠む、教養豊かな花魁
「誰袖」は、狂歌(きょうか)というユーモアや風刺を込めた短歌を詠むほどの教養人でもありました。
1783年(天明3年)に刊行された『万載狂歌集』には、以下の「誰袖」の一句が収められています。
わすれんと かねて祈りし 紙入れの
などさらさらに 人の恋しき(忘れようとお守り代わりに持っていた手紙入れなのに、ますますあなたが恋しくなる)
誰袖は1,200両で幕臣・土山宗次郎に身請け、江戸で話題の豪華な恋
そんな「誰袖」を見初めたのが、幕府の役人である土山宗次郎(つちやま・そうじろう)です。土山宗次郎は老中・田沼意次の側近として権力を持っていた人物です。
土山は1,200両(現在で約1億円程度)という巨額を支払い「誰袖」を身請けしました。
江戸の庶民の一生分に相当するこの金額は大きな話題となり、二人の関係はたちまち江戸中に知られる“浮名(恋愛沙汰として世間の話題となること)”となったのです。
田沼意次の失脚と土山宗次郎の処刑、悲劇に見舞われた誰袖
しかし、身請け後の暮らしは長くは続きません。1786年(天明6年)、田沼意次が失脚すると、その側近である土山宗次郎も不正の罪で追及され、天明7年には打ち首となります。
「誰袖」も捕らえられ、取り調べでは裸にされるなどの辱めを受けたといわれています。
吉原で人気を誇った花魁が身請け後に、時代の権力争いに巻き込まれ、悲劇の末路を迎えます。
その後の「誰袖」の消息は不明で、史料には残されていません。歴史の中に静かに姿を消した存在となりました。
「福原遥」プロフィール、大河初出演で「誰袖」を演じる朝ドラ・ヒロイン女優
大河「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」
福原遥コメント到着📝大河ドラマ初出演の心境とは?
“誰袖”役についても「昔から時代劇をやってみたくて、特に大河ドラマは家族も好きで、『いつか出られたらいいね』って話しながら一緒に見ていたので…」#大河べらぼう pic.twitter.com/xaXH34EfHr
— モデルプレス (@modelpress) May 4, 2025
「誰袖」を演じるのは、女優「福原遥(ふくはら・はるか)」さんです。プロフィールは以下の通りです。
生年月日 | 1998年8月28日 |
---|---|
出身地 | 埼玉県 |
趣味 | ダンス |
特技 | 料理 |
2009年Eテレの料理番組「クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!」の主人公・柊まいんとして出演、子役として話題に。2015年「キラキラ☆プリキュアアラモード」でキュアカスタード(有栖川ひまり)で声優としても活躍。主な出演ドラマは「ウレロ☆無限大少女」「チア☆ダン」など。
子役時代はEテレの料理番組の名前・まいんちゃんの愛称でお馴染みでした。「もしもツアーズ」のバラエティ番組に出演する他、歌手、声優としても活躍しています。
福原遥さんは大河ドラマは「べらぼう」が初出演になります。NHKでは朝ドラ「舞いあがれ!」で、ヒロイン岩倉舞を演じていたのが記憶に新しいところです。

まとめ

NHK大河ドラマ「べらぼう」、福原遥さん演じる吉原の花魁「誰袖」の史実を紹介しました。
他にも「べらぼう」のキャスト・登場人物・スタッフ一覧は、以下をチェックしてください。


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