「ブラッサム」珠の代用教員は史実?宇野千代が勤めた川下尋常小学校と現在
朝ドラ「ブラッサム」では、女学校を卒業したヒロイン・葉野珠(石橋静河)が、尋常小学校の「代用教員」として働き始めます。
珠のこの教員時代は、実在モデル・宇野千代(うの・ちよ)の史実と重なる部分です。宇野千代も1914年(大正3年)、16歳のときに女学校を卒業し、地元・岩国の川下村尋常小学校で代用教員として働きました。
宇野千代が勤めた小学校はどこにあったのか、現在の岩国市立川下小学校とのつながり、代用教員とはどんな立場だったのかを解説します。
「ブラッサム」珠は女学校卒業後に代用教員になる
「ブラッサム」の葉野珠は、山口県岩国で女学校を卒業したあと、尋常小学校の代用教員になります。受け持つのは、二年生の「学力の低い方の学級」です。
珠の実在モデルである宇野千代も、1914年(大正3年)3月に岩国高等女学校を卒業したあと、川下尋常小学校の代用教員として採用されています。
女学校を出てすぐに地元の小学校で教壇に立つという珠の歩みは、宇野千代の実体験がモチーフになっていると考えられます。
ただし、「ブラッサム」は宇野千代の生涯をもとに大胆に再構成したフィクションです。ドラマに登場する学校名や教師、生徒などの設定が、史実とすべて一致するわけではありません。
宇野千代の生涯については、以下の記事で詳しく解説しています。
宇野千代が代用教員をした川下尋常小学校とは?現在の岩国市立川下小学校
宇野千代が勤めた「川下尋常高等小学校」は、現在の「岩国市立川下小学校」の前身です。1874年(明治7年)に創設された小学校をルーツに持ち、現在も地域の小学校として続いています。
岩国市の資料などでは「川下村尋常小学校」と書かれていますが、学校の沿革では1898年(明治31年)から「川下尋常高等小学校」の校名でした。
宇野千代が教壇に立った頃の1886年(明治19年)の校舎は、1925年(大正14年)の改築で解体されており、現在は残っていません。
代用教員とは?宇野千代の月給は8円
代用教員とは、正規の教員免許を持つ「訓導(くんどう)」とは異なり、免許を持たないまま教壇に立った教員のことです。宇野千代生家の資料では、宇野千代の立場は「準訓導(代用教員)」、月給は8円でした。
教え子の手記によると、子どもたちの目には「きれいな先生」と映る一方、竹の鞭や平手が飛ぶこともある厳しい先生だったようです。
しかし教員生活2年目の1915年(大正4年)、同じ学校に赴任してきた男性教師との恋が町中の噂となり、宇野千代は諭旨免職(ゆしめんしょく:本人に退職を促す形の処分)に。同年秋には京城(現在の韓国・ソウル)へ渡っています。
ドラマの珠も、代用教員として働いたあとに職を失うことに。珠の初恋の相手となる島村辰彦(工藤阿須加)のモデルと、宇野千代の恋文事件については、以下の記事で解説しています。
出典:岩国市観光振興課「宇野千代―岩国の旅― 教員時代」
出典:NPO宇野千代生家「宇野千代の人生と文学」
まとめ
朝ドラ「ブラッサム」で、葉野珠が小学校の代用教員として働く展開は、実在モデル・宇野千代の史実がモチーフと考えられます。
宇野千代は1914年(大正3年)、16歳で川下村尋常小学校の代用教員となりました。
他にも「ブラッサム」のキャスト・スタッフ一覧は、以下の記事でまとめています。
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