2023年10月2日放送スタートの、第109作となるNHK連続テレビ小説「ブギウギ」
ヒロイン・福来スズ子(花田鈴子)は、「趣里(しゅり)」さんが演じます。「ブギウギ」のあらすじは、以下の通りです。
大正の終わり、大阪・下町の小さな銭湯の看板娘・花田鈴子は、歌って踊るのが大好きな天真爛漫な女の子。鈴子は「歌と踊りでみんなを笑顔にしたい」と、道頓堀に新しくできた歌劇団に入団。生まれ故郷・香川への思い、大阪の華やかなステージ、そして夢を追いかけ東京へ・・・“ブギの女王”と呼ばれる戦後の大スター歌手となっていくヒロインの物語。
「桃色争議」とは1933年(昭和8年)、東京・松竹少女歌劇部(後・松竹歌劇団)と、大阪・松竹楽劇部(現・OSK日本歌劇団)で発生したレビューガールを含む団員によるストライキです。
「ブギウギ」でも第3週、第4週に描かれる「桃色争議(ももいろそうぎ)」を、史実に基づいて紹介します。
「桃色争議(ももいろそうぎ)」とは?史実を紹介
1933年(昭和8年)、松竹には2つの少女歌劇団がありました。
東京の「松竹少女歌劇部(後・松竹歌劇団)」と、「ブギウギ」ヒロイン・スズ子(趣里)のモデル「笠置シヅ子」さんが所属していた大阪の「松竹楽劇部」です。
ドラマに登場する「歌劇団」と、実在モデルについては、以下でまとめています。
史実では、松竹の2つの劇団で、「桃色争議(ももいろそうぎ)」と呼ばれる労働争議(ストライキ)が起こります。
この労働争議は、東京・松竹少女歌劇部に所属したストライキの中心人物「水の江瀧子」さんの愛称にちなんで「ターキー・ストライキ」とも呼ばれました。
「桃色争議」の史実
1933年6月15日、松竹少女歌劇部(のちの松竹歌劇団)レビューガール230人が賃金削減反対、待遇改善などを要求してストライキに突入。指導者は争議委員長で当時18歳のトップスターだった水の江瀧子や副委員長の津阪織江(オリエ津阪)。「桃色争議」「ターキー・ストライキ」などと称された。 pic.twitter.com/WEpIX0LZi6
— 計都 (@artscape_tha) June 15, 2023
不況が続く中「桃色争議」の前年、松竹は映画活弁士と楽士(演奏者)のリストラを行いました。これはサイレント映画(無声映画)から、トーキー映画(音声映画)に変わっていくタイミングです。
これに続いて、松竹は東京の「松竹少女歌劇部(SSK)」に対しても楽士の解雇と、全部員の賃金削減を通告します。これに反発して「桃色争議」が起こった流れは以下の通りです。
- 1933年(昭和8年)松竹は東京「松竹少女歌劇部」に対し、全部員の賃金削減を通告
- 同年6月14日、「松竹少女歌劇部」のほとんどの少女部員が、新聞記者を集めて「絶対反対」の意思を明らかにして、待遇改善を要求
- 同年6月15日、「水の江瀧子」を争議委員長とした少女部員230名は、神奈川県・湯河原温泉郷の大旅館に立て籠もる
- 同年6月28日、大阪「松竹楽劇部」では「飛鳥明子」を争議団長とし舞台をサボタージュ、「笠置シヅ子」を含む70名の部員が高野山に立て籠もる
- 同年7月8日、新聞や世論は少女部員に味方し追い風が吹く中、大阪では「手打式」
- 同年7月15日、東京では「協定文」が読み上げられる
このストライキの責任を取り「飛鳥明子」は退団、「水の江瀧子」が謹慎となりますが、松竹による賃金カットは行われずに、待遇改善の要求もほぼ通ることになりました。
「桃色争議(ももいろそうぎ)」と呼ばれたのは?
東京・松竹少女歌劇部で「男装の麗人」と呼ばれた男役トップスター「水の江瀧子」さんが争議委員長になり、ストライキの中心人物となりました。
新聞・マスコミは当時18歳の「水の江瀧子」さんを”花の委員長”として話題にし、「桃色争議」と書き立てたことによるものです。
参考文献:「ブギの女王・笠置シヅ子 心ズキズキワクワクああしんど」
「ブギウギ」レビューガールの桃色争議は第3週、第4週に描かれる
「ブギウギ」では、梅丸少女歌劇団(USK)のレビューガールによるストライキ「桃色争議」は第3週、第4週にエピソードとして描かれます。
史実では、東京・松竹少女歌劇部(SSK)で最初にストライキが起こりますが、「ブギウギ」では大阪で起こる労働争議がドラマ内で描かれます。
※「ブギウギ」は実話をエピソードにしている場合もありますが、フィクションとして制作されたオリジナル作品です。
また、「ブギウギ」ではストライキの責任を取りトップスター「大和礼子」と「橘アオイ」が「梅丸少女歌劇団USK」を退団します。
以下、「ブギウギ」のあらすじです。
「ブギウギ」第18話(2023/10/25)あらすじ
山寺でのストライキは団員たちの要求が全面的に受け入れられ幕を閉じる。山を降り、ようやくいつも通りの練習を始めようとしたスズ子(趣里)たちだったが、その矢先、大和礼子(蒼井優)と橘アオイ(翼和希)が責任を取ってUSKをやめることになったと伝えられる。スズ子たちはその決定に抗議をするものの…。礼子がUSKに残した思いを乗せて、強く、逞しく、泥臭く、そして、艶やかに――。魂の「ラインダンス」!
出典:NHK番組表
「大和礼子(蒼井優)」の実在モデルは「飛鳥明子」さん、
そして、「橘アオイ(翼和希)」の実在モデルは「水の江瀧子」さんと推測してます。
「桃色争議」の史実通り、2人は責任を取ることになります。
まとめ
「桃色争議」は1933年(昭和8年)、東京・松竹少女歌劇部(後・松竹歌劇団)と、大阪・松竹楽劇部(現・OSK日本歌劇団)で発生した団員によるストライキです。
NHK朝ドラ「ブギウギ」でも「桃色争議」はエピソードとして描かれます。ただし、「ブギウギ」はフィクションとして制作されたオリジナル作品です。
他にも「ブギウギ」の登場人物・キャスト一覧は、以下をチェックしてください。
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