「ひよっこ」せっけん工場のモデル・ロケ地は?澄子が働く両国・墨田区は「石けんの町」
朝ドラ「ひよっこ」【第50話】で、谷田部みね子(有村架純)と青天目澄子(松本穂香)は、東京・両国にある「せっけん工場」の面接を受けます。
このせっけん工場に実在モデルはあるのでしょうか?
実は、両国がある東京都墨田区は、明治時代から石けん製造が盛んだった地域。花王、ライオン、玉の肌石鹸、ミツワ石鹸など、石けん会社とのゆかりも深い町です。
「ひよっこ」に登場するせっけん工場の実在モデル、なぜ両国という設定なのか、工場のロケ地についても解説します。
「ひよっこ」両国のせっけん工場とは?原田社長は諏訪太朗が演じる
「ひよっこ」【第50話】では、向島電機の工場閉鎖が決まり、女子工員たちはそれぞれ新しい職場へ移っていきます。
その中で、みね子と澄子が面接を受けたのが、東京・両国にある小さなせっけん工場です。社長の原田を演じるのは、俳優の諏訪太朗(すわ・たろう)さんです。
ところが【第55話】、年の瀬に社長の原田が訪ねてきて、「1人しか雇えなくなった」と告げます。
最終的に、みね子は澄子に就職先を譲り、澄子がせっけん工場で働くことに。
「ひよっこ」せっけん工場の実在モデルは?特定の会社は不明
結論からいうと、「ひよっこ」のせっけん工場のモデルとなった特定の会社は、現時点では明らかになっていません。
「ひよっこ」は、脚本家・岡田惠和さんによるオリジナルストーリーです。そのため、両国に実在した特定のせっけん会社をモデルにしたとは限りません。
ただし、両国を含む東京都墨田区は、実際に石けんの製造業が発展した地域です。
ドラマに登場する小さなせっけん工場は、昭和40年代の墨田区にあった中小工場の姿を反映した設定と考えられます。
なぜ両国にせっけん工場?墨田区は実際に「石けんの町」だった
「ひよっこ」に登場するせっけん工場があるのは、東京都墨田区の両国。実は、墨田区は古くから石けんや歯磨き粉の製造が盛んな地域でした。
日本の石けん製造の草創期には、中之郷村(なかのごうむら、現在の墨田区)で石けん製造会社「鳴春舎(めいしゅんしゃ)」が創業。その技術は、のちの多くの石けん会社に影響を与えたとされています。
墨田区は隅田川につながる水路が発達し、原料や製品を運ぶのに便利だったうえ、土地も比較的安かったことから、さまざまな工場が集まる地域となりました。
花王・ライオン・玉の肌石鹸・ミツワ石鹸などが墨田区と関係
墨田区の石けん産業に関係する代表的な企業には、以下があります。
- 花王
- ライオン
- 玉の肌石鹸
- ミツワ石鹸
これらは墨田区の産業史に関わる企業で、すべてが両国に工場を構えていたという意味ではありません。
また、墨田区ゆかりの石けん会社の多くは、歯磨き粉も製造していました。
すみだ郷土文化資料館では、2002年(平成14年)に「石けん・歯みがきの町すみだ 清潔と健康の産業史」という企画展が開催され、区内の石けん産業の歴史が紹介されています。
1964年(昭和39年)のミツワ石鹸も現存
すみだ郷土文化資料館の所蔵資料には、1964年(昭和39年)の「ミツワ石鹸」があります。
これは、みね子たちが東京で働き始めた1965年(昭和40年)と、ほぼ同じ時代の製品です。高度経済成長期の1960年代、墨田区内の工場は増え続けていました。
1970年(昭和45年)には、区内の工場が9,703事業所となり、ピークを迎えています。
石けん工場だけの数字ではありませんが、当時の墨田区に多くの工場が集まっていたことが分かります。
そのため、「ひよっこ」で向島電機が閉鎖され、みね子と澄子が同じ墨田区の両国にあるせっけん工場へ再就職を希望するという展開は、当時の地域の産業事情とも重なります。
「ひよっこ」せっけん工場のロケ地はどこ?脚本家・岡田惠和が明かした制作秘話
「ひよっこ」のせっけん工場のロケ地は、現時点では明らかになっていません。
脚本家・岡田惠和さんは、2017年10月2日に公開されたエンタメサイト「otocoto」のインタビューで、ドラマの中で描ききれなかった場面について語っています。
岡田さんによると、朝ドラは物語の後半になると撮影できる場所が限られ、描きたくても描けなかった場面が数多くあったそうです。
その一つとして挙げたのが、「澄子の石鹸工場」でした。
ほかにも、豊子が働く会社や、幸子の団地生活など、乙女寮を離れた仲間たちのそれぞれの居場所を描きたかったと振り返っています。
つまり、澄子が働くせっけん工場は、脚本家自身も描きたかった場所でしたが、実際の工場での生活は十分に描かれなかったことになります。
出典:otocoto「脚本家・岡田惠和氏に、あの疑問、この疑問を聞いちゃいました!その3」
なお、みね子と澄子が最初に働いた「向島電機」については、工場外観のロケ地が判明しています。静岡県富士市にある「小野製紙」が撮影場所として使用されました。
向島電機の実在モデルやロケ地については、以下の記事で解説しています。
まとめ
朝ドラ「ひよっこ」で、みね子と澄子が面接を受ける両国のせっけん工場は、特定の実在会社をモデルにしたとは公表されていません。
ただし、東京都墨田区は明治時代から石けん製造が盛んで、花王、ライオン、玉の肌石鹸、ミツワ石鹸など、石けん産業に関係する企業とゆかりの深い地域でした。
「ひよっこ」の両国のせっけん工場は架空の設定ですが、その背景には、実際に「石けんの町」として発展した墨田区の歴史があります。
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