ヘブンが書いた「怪談」とはどんな本?「ばけばけ」小泉八雲の名著を解説
2025年度後期放送のNHK連続テレビ小説「ばけばけ」のヒロイン・松野トキは、「髙石あかり」さんが演じます。ドラマのあらすじは、以下の通りです。
日本の怪談を世界に伝えた作家「小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)」と、その妻「小泉セツ」をモデルにしたオリジナル作品。
舞台は明治時代の松江。没落士族の娘・松野トキ(髙石あかり)は、外国人教師・ヘブン(トミー・バストウ)と出会い、心を通わせていく。
言葉も文化も異なるふたりは、怪談に込められた人々の想いを通じて、互いを支え合いながら、目には見えない“人の情”に寄り添って生きていく。
「ばけばけ」【第120話】では、ヘブンが「怪談」を書き始めます。また、実在モデル・小泉八雲が書いた「怪談」とはどんな作品なのか、史実をもとに解説します。
「ばけばけ」第120話|ヘブンがベストセラー「怪談」を書き始める
「ばけばけ」【第120話(2026/03/20)】のあらすじは、以下の通りです。
トキ(髙石あかり)にすべてを打ち明けたヘブン(トミー・バストウ)。心機一転、ベストセラーを目指して執筆をはじめようとするヘブンに、トキは自分でも読める本を書いてほしいと提案する。トキの提案に、ベストセラーを書かなければとどつぼにはまっていたヘブンの視界が開ける。トキが読める本、読みたい本。それは、怪談!トキとヘブン、二人の怪談執筆がはじまる!
出典:NHK番組表
このトキとヘブンが二人で作り上げようとしている「怪談」は、実在モデル・小泉セツの語りや日本各地の伝承、古い書物などをもとに、小泉八雲が書いた名著「怪談」をモデルとしています。
ドラマ同様、史実でも小泉八雲は1903年に東京帝国大学を解雇され、その翌1904年に「怪談」を出版しています。なお、八雲の後任として帝国大学の英文学講師に就いたのは、あの夏目漱石でした。
小泉八雲の名著「怪談」とは?どんな本か史実を解説
「怪談」(英題:Kwaidan)は、1904年(明治37年)4月に出版された、小泉八雲の代表作のひとつです。17編の怪談と、3編の随想「虫界」から成る作品集で、八雲最晩年の代表的な著書として知られています。
この作品は、妻・セツの語りや、日本の古い書物、各地に伝わる伝承などをもとに、八雲が英語で再構成した怪奇文学作品集です。八雲自身も序文で、収録作の多くを古い日本の書物から取ったと記しており、単なる聞き書きではなく、資料や伝承を踏まえて文学作品として再話した点に特徴があります。
また、英題が「Kaidan」ではなく「Kwaidan」となっているのは、当時の字音仮名遣いで「怪談」が「くわいだん」と読まれていたことを反映した表記です。
小泉八雲「怪談」の収録作品一覧
「怪談」に収録されている作品は、以下の通りです。
- 耳無芳一の話
- おしどり
- お貞のはなし
- 乳母ざくら
- かけひき
- 鏡と鐘
- 食人鬼
- むじな
- ろくろ首
- 葬られた秘密
- 雪女
- 青柳のはなし
- 十六ざくら
- 安芸之助の夢
- 力ばか
- 日まわり
- 蓬莱
「耳無芳一の話」(一般には「耳なし芳一」として知られます)、「雪女」、「ろくろ首」、「むじな」など、現在でもよく知られる怪談が数多く収められており、小泉八雲の怪談文学を代表する一冊といえます。
「ばけばけ」の劇中に登場した怪談・伝承については、以下の記事で解説しています。
小泉八雲「怪談」が書かれた背景|妻・セツの語りも重要な手がかり
「怪談」の創作背景には、妻・セツの存在が大きくありました。セツは八雲に日本の昔話や怪談を語って聞かせ、その語りは八雲の作品世界を形づくる重要な手がかりになったと考えられています。
いっぽうで、「怪談」はセツの語りだけで成立した本ではなく、八雲が古い日本の資料や伝承も参照しながら仕上げた作品集です。
そのため「怪談」は、単なる恐怖譚の集まりではありません。怪しさや不気味さだけでなく、哀しみ、人の情、余韻の美しさまで描かれている点が、この作品の大きな魅力です。
朝ドラ「ばけばけ」では、まさにトキ(セツのモデル)からの提案をきっかけにヘブンが怪談の執筆に向かうという展開になっており、これは史実を踏まえた演出と考えられます。
小泉八雲「怪談」は1904年出版|最晩年の代表作
「怪談」が出版されたのは1904年4月2日です。そして小泉八雲は同年9月26日、54歳で心臓発作のため亡くなりました。出版から半年ほど後のことでした。
そのため「怪談」は、八雲の最晩年に刊行された代表作として位置づけられます。「怪談」はその後も各国語に翻訳され、出版から120年以上たった現在も世界中で読み継がれている作品です。
他にも小泉八雲の著書の一覧は、以下の記事で詳しく紹介しています。
小泉八雲の「怪談」の完訳をはじめ、「骨董」「霊の日本」などに収められた主な怪奇譚60篇超を収録した本は、以下から購入可能です。
まとめ
「ばけばけ」【第120話】でヘブンが書き始めた「怪談」は、モデルとなった小泉八雲が実際に書いた名著です。
妻・セツ(トキのモデル)の語りからインスピレーションを得て生まれた作品という史実が、ドラマの展開と重なります。
他にも「ばけばけ」のキャスト・スタッフ一覧は、以下でまとめています。
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