2025年1月5日(日)スタートの第64作となるNHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」
「べらぼう」の主人公・蔦屋重三郎を演じるのは「横浜流星」さんです。そして、森下佳子さんが脚本を担当、あらすじは以下の通りです。
“江戸の出版王”と呼ばれた「蔦屋重三郎」の波乱万丈の生涯を描く。人口100万を超えた江戸、貧しい家庭に生まれた蔦重は養子として育ち、貸本屋から書籍編集・出版業へと進出。
田沼意次の時代に「黄表紙」の大ヒットで文化の中心となり、喜多川歌麿や葛飾北斎など、後の巨匠たちを世に送り出す。笑いと涙、謎が交錯する物語を通じ、蔦重の自由と文化への情熱が時代を超えて描かれるエンターテインメントドラマ。
「べらぼう」第29話では、田沼意次(渡辺謙)が松前藩の裏帳簿を手にし、江戸城の「黒書院」で将軍に蝦夷の上知(=幕府直轄地とすること)を願い出るシーンが描かれました。
江戸城の「黒書院(くろしょいん)」とは、どんな場所なのか?解説していきます。
【べらぼう第29話】蝦夷地の裏帳簿と、田沼意次の上知願い

田沼意次(渡辺謙)は、東作(木村了)が入手した松前藩の裏勘定帳から、蝦夷で幕府に無断で財を蓄えていた証拠をつかみます。
この機会を逃すまいと、田沼は江戸城に乗り込みます。場所は、政務が行われる場として知られる「黒書院」。

そこには老中・松平康福(相島一之)や水野忠友(小松和重)らが揃っており、将軍・徳川家治の前で田沼意次が松前家の不正を告発。蝦夷地の幕府の直轄地とする「上知(あげち)」を願い出るのでした。
江戸城で政務が執り行われる「黒書院」とは、どんな場所だったのでしょうか?
また、田沼意次が行った「蝦夷の上知」の史実については、以下の記事で詳細をまとめています。

江戸城・黒書院とは?将軍と老中が政務を行う中枢部屋

江戸城には実際に「黒書院」という部屋があり、政務の中枢として機能していました。「黒書院」がどんな場所だったのか、史実に基づいて解説します。
「黒書院」とは?江戸城本丸御殿の一部
「黒書院(くろしょいん)」は、江戸城本丸御殿の中にあった部屋の一つです。本丸御殿は、将軍が政務を行ったり、大名や家臣と謁見するための空間で、複数の部屋から構成されていました。
その中でも「黒書院」は「将軍と身内または重臣がやや内密な話をする場」として使われていたとされています。黒書院では月次(つきなみ)と呼ばれる老中との定期政務協議などが行われていました。
格式は高く、老中クラスの重臣しか出入りできない、いわば「政の中枢」のような空間でした。
本丸御殿には「白書院」もあり、「黒書院」との違いは?
江戸城の本丸御殿には「白書院(しろしょいん)」もあり、こちらはより公式で格式の高い儀式や、将軍と大名の公式な対面、謁見に用いられました。
「黒書院」はそれより実務的な場であったとされますが、どちらも将軍と諸大名・重臣が対面するための重要な部屋でした。
黒書院が「政務の実務」、白書院が「儀礼と格式」といったように、それぞれ異なる役割を持っていました。
なぜ「黒書院」と呼ばれる?名前の由来と黒漆の説を紹介
「黒書院」という名前の由来は明確ではありませんが、一説には柱や壁の塗装が黒漆(くろうるし)だったためともいわれています。
黒書院が「奥まった場所」「非公式な協議の場」を担ったことから、「黒=閉ざされた空間、密談の場」の象徴とされたという解釈もありますが、この認識は研究者の仮説の域を出ていません。
「黒書院」は現在現存しておらず、当時の詳細については文献や復元図からの推定が中心です。また「黒書院」でも、「非公式な協議」だけでなく、一部の重要な公式行事も行われていたとされています。
「黒書院」に隣接する「溜間(たまりのま)」については、以下の記事で詳細をまとめています。

他にも「べらぼう」に登場した江戸城「西の丸」については、以下の記事で解説しています。

まとめ

「べらぼう」第29話に登場した「黒書院」は、実際に江戸城に存在した部屋で、重要な政務の場として使われていました。
他にも「べらぼう」のキャスト・登場人物・スタッフ一覧は、以下をチェックしてください。


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