NHK連続テレビ小説「あんぱん」のヒロイン・朝田のぶは、「今田美桜」さんが演じます。「あんぱん」のあらすじは、以下の通りです。
漫画家「やなせたかし」さんと妻「暢(のぶ)」さんをモデルにしたオリジナル作品。昭和初期、高知で明るく奔放な少女・朝田のぶと、父を亡くした少年・柳井嵩が出会う。
戦後、嵩と再会したのぶは夢を追い東京へ。彼女を追いかけた嵩と共に、六畳一間の貧しい生活を楽しみながら二人は結婚。どんな困難も笑いに変えた彼らの未来には、『アンパンマン』が誕生する希望の物語が続く。
「あんぱん」戦後の混乱期に、のぶと嵩が情熱を注いで立ち上げる雑誌が「月刊くじら」です。
この雑誌は、実在した雑誌「月刊高知」がモデルとなっています。
「月刊高知」の詳細、そこで活躍した実在モデルの「やなせたかし」さん、のちの妻「小松暢」さんの仕事ぶりやエピソードをご紹介します。
のぶは高知新報で「月刊くじら」を出版、名前の由来は?

「あんぱん」の物語では、終戦直後の高知でのぶと嵩が手がける「月刊くじら」が登場します。
文化復興を目指し、さまざまな人々の声や芸術を紙面に詰め込んだ総合誌として、戦後の空白を埋めるように発行されたその雑誌は、多くの人々に希望と刺激を与える存在として描かれます。
ドラマ内に登場する「月刊くじら」は、実在した雑誌「月刊高知」がモデルとなっています。
また、劇中に登場する「月刊くじら」の名前は、朝ドラのオリジナル設定と考えられます。のぶが暮らす高知(土佐)は捕鯨発祥の地とされ、古くから鯨と深い関わりを持つ地域として知られています。
「月刊高知」とは?文化復興への願いから生まれた雑誌

「月刊高知」は、高知新聞社が1946年から1950年まで発行していた総合文化雑誌です。
文化に飢えていた当時の人々の心をつかみ、創刊号は3,000部がわずか2日で完売するほどの人気を集めました。
「月刊高知」文化復興への願いから生まれた雑誌
「月刊高知」は、1946年7月に高知新聞社から創刊されました。戦後まもない高知は、文化や娯楽に飢えていました。
そんな時代に、編集部わずか4人という小さなチームが立ち上がり、「県民の心に文化の灯をともしたい」との思いで雑誌づくりに挑みます。
記者のルポや小説、座談会など多彩な内容で注目を集め、創刊号は3,000部がわずか2日で完売するほどの人気ぶりでした。
編集部は“何でも屋”だった
編集部は、青山茂さん、品原淳次郎さん、小松暢さん、やなせたかしさんの4人。人数が少ないため、記事の執筆や編集だけでなく、広告営業や広告費の回収、製本や発送作業まで、すべて自分たちでこなしていました。
まさに“何でも屋”のように、雑誌制作に関わるあらゆる仕事を担っていたのです。
小松暢さんは編集・取材だけじゃない、広告費の回収も!

小松暢さんは、記者・編集・営業・集金など、雑誌運営の実務全般に奔走していました。広告主を訪ねて広告掲載のお願いをし、掲載料の集金も自ら行っていたと証言されています。
当時の高知新聞社の建物は、戦災で焼け落ちており、窓ガラスもないような過酷な環境でしたが、暢さんはその中で雑誌制作と経営の両面を支えました。
今田美桜さんが演じる「小松暢」さんの生涯については、以下の記事でまとめています。

やなせたかしさんは「月刊高知」で表紙デビュー

嵩のモデル「やなせたかし」さんは、1946年に高知新聞社へ入社し、「月刊高知」編集部で暢さんと出会いました。やなせさんは記事執筆や挿絵、漫画、付録の型紙作りなど多彩な才能を発揮。
注目すべきは第2号の表紙。実はこれが、漫画家やなせたかしさんの“表紙絵デビュー作”です。
担当予定だった風刺漫画家・横山泰三さんが締切に間に合わず、入社2カ月のやなせさんが急遽描くことになったという裏話が残されています。
北村匠海さんが演じるアンパンマンの生みの親「やなせたかし」さんの生涯については、以下の記事で紹介しています。

まとめ

朝ドラ「あんぱん」に登場する「月刊くじら」は、高知新聞社が出版していた雑誌「月刊高知」がモデルとなっています。
他にも「あんぱん」のキャスト・スタッフ一覧は、以下でまとめています。


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