NHK連続テレビ小説「マッサン」は、2014年9月29日から2015年3月28日まで放送された全150話の朝ドラです。

主役・亀山政春(マッサン)を演じたのは「玉山鉄二」さんです。そして、ヒロイン・亀山エリーは、「シャーロット・ケイト・フォックス」さんが演じています。

「マッサン」のあらすじは以下の通りです。

広島の造り酒屋の跡取りで、ウイスキーに目覚めたマッサンこと亀山政春(玉山鉄二)。スコットランドを離れて、一緒に来日した青い瞳の妻・エリー(シャーロット)。数々の苦労を二人三脚で乗り越え、本場も認める国産ウイスキーを造り出した夫婦のストーリー。

 

【第112話】マッサンが長年追いかけてきた本格ウイスキー「ドウカウイスキー」が、北海道・余市でようやく商品として初出荷されます。

ドウカウイスキーはドラマ上の架空の商品名ですが、そのモデルになっているのは、竹鶴政孝が造った「ニッカウヰスキー」です。

「マッサン」に登場するドウカウイスキーのモデル、ニッカウヰスキー第一号の史実を紹介します。

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朝ドラ「マッサン」第112話にドウカウイスキーが登場

朝ドラ「マッサン」ドラマ内で大阪と北海道をたびたび行き来

朝ドラ「マッサン」で、ドウカウイスキーが登場するのは【第112話】です。

この回では、マッサンのウイスキーが「ドウカウイスキー」という名称に決まり、待ちに待った初出荷の日を迎えます。

次々と馬車に積み込まれていくウイスキーを見送り、マッサンたちは感無量となります。

「ドウカウイスキー」の出荷は、マッサンの夢が形になった商品であると同時に、経営者として新たな苦難に向き合うきっかけにもなりました。

 

ドウカウイスキーのモデルはニッカウヰスキー?

「マッサン」に登場するドウカウイスキーのモデルは、史実のニッカウヰスキーと考えられます。

「マッサン」の主人公・亀山政春のモデルは、ニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝です。政春が北海道・余市でウイスキー造りに挑む流れも、竹鶴政孝が大日本果汁株式会社を設立した史実をもとにしています。

「マッサン」に登場する会社や人物の実在モデルは、以下の通りです。

ドラマ 実在モデル
北海道果汁 大日本果汁株式会社(ニッカウヰスキー)
ドウカウイスキー ニッカウヰスキー
亀山政春(玉山鉄二) 竹鶴政孝
エリー(シャーロット) 竹鶴リタ
鴨居商店 寿屋(サントリー)
鴨居欣次郎(堤真一) 鳥井信治郎
鴨居英一郎(浅香航大) 鳥井吉太郎

ドラマでは、実在の会社名や商品名ではなく、「北海道果汁」「ドウカウイスキー」という架空の名前に置き換えられています。

マッサンが北海道で立ち上げた「北海道果汁」の実在モデル、大日本果汁株式会社については、以下の記事で詳しく解説しています。

「マッサン」北海道果汁の実在モデルは?大日本果汁とニッカの社名の由来
「マッサン」北海道果汁の実在モデルは?大日本果汁とニッカの社名の由来NHK朝ドラ「マッサン」に登場する「北海道果汁(ほっかいどうかじゅう)」の実在モデルは大日本果汁株式会社(だいにほんかじゅう)です。ニッカウヰスキーの前身となった会社の史実や、なぜリンゴジュースを製造していたのか、「ニッカ」という社名の由来もあわせて解説します。...

 

ドウカウイスキーのモデル・ニッカウヰスキー誕生の史実

史実のニッカウヰスキーは、竹鶴政孝が北海道・余市で設立した「大日本果汁株式会社」から始まりました。

ドラマでも、「北海道果汁」は余市のリンゴを使ったリンゴ汁を販売しながら、ウイスキー造りを進めていました。その流れは、史実の大日本果汁がリンゴジュース事業で会社を支えながら、やがてニッカウヰスキーを誕生させた歩みと重なります。

 

大日本果汁はリンゴジュースで熟成期間を支えた

大日本果汁株式会社は、1934年に設立された会社です。社名に「果汁」とあるように、創業当初は余市のリンゴを使ったリンゴジュースなどを製造しながら、ウイスキー造りを進めていました。

ウイスキーは、蒸溜してすぐに販売できるものではありません。原酒を樽の中で熟成させる時間が必要です。そのため、大日本果汁は果汁事業で会社を支えながら、本格ウイスキーが完成する日を待つことになりました。

北海道果汁の実在モデル、「大日本果汁株式会社」とニッカの名前の由来については、以下の記事で詳しく解説しています。

「マッサン」北海道果汁の実在モデルは?大日本果汁とニッカの社名の由来
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史実では1940年にニッカウヰスキー第一号を発売

大日本果汁株式会社は、1936年にウイスキーとブランデーの蒸溜・製造を開始しました。そして1940年、第一号ウイスキーとして「ニッカウヰスキー」が発売されます。

大日本果汁株式会社の設立から、およそ6年。竹鶴政孝がスコットランドで学び、日本で実現しようとした本格ウイスキーが、ようやく世に出たことになります。

 

ニッカウヰスキーは最初から広く売れたわけではない

1940年に発売された第一号「ニッカウヰスキー」は、品質の高い本格ウイスキーとして評価されました。

ただし、品質が高いことと、商品としてすぐに広く受け入れられることは別でした。当時の日本では、本格的なウイスキーの味や香りが、すぐに一般に広く受け入れられたわけではありません。

その後、日本は戦争の時代へと進みます。戦時中の大日本果汁は、軍の監督工場としてウイスキー製造を続けることになり、ドラマでもドウカウイスキーが海軍と関わる展開へつながっていきます。

戦後の混乱期には、竹鶴政孝が価格を抑えた三級ウイスキーを発売し、苦しい経営状況を乗り越えていきました。

さらに1950年代以降、「ブラックニッカ」「スーパーニッカ」「ハイニッカ」などのブランドが誕生します。ニッカウヰスキーは、理想の本格ウイスキーを追い求めながら、時代に合わせた商品も展開し、少しずつ多くの人に知られるブランドへと成長していきました。

 

まとめ

「マッサン」に登場するドウカウイスキーは、亀山政春が北海道・余市で造った架空のウイスキーです。モデルになっているのは、竹鶴政孝が創業したニッカウヰスキーと考えられます。

史実では、1934年に大日本果汁株式会社が設立され、1936年にウイスキーの蒸溜・製造が始まり、1940年に「ニッカウヰスキー」第一号が発売されています。

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大森拓也
放送作家、物書き、フリーライター歴20年以上です。放送作家としての仕事については、以下のブログに記載しています。