2025年1月5日(日)スタートの第64作となるNHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」
「べらぼう」の主人公・蔦屋重三郎を演じるのは「横浜流星」さんです。そして、森下佳子さんが脚本を担当、あらすじは以下の通りです。
“江戸の出版王”と呼ばれた「蔦屋重三郎」の波乱万丈の生涯を描く。人口100万を超えた江戸、貧しい家庭に生まれた蔦重は養子として育ち、貸本屋から書籍編集・出版業へと進出。
田沼意次の時代に「黄表紙」の大ヒットで文化の中心となり、喜多川歌麿や葛飾北斎など、後の巨匠たちを世に送り出す。笑いと涙、謎が交錯する物語を通じ、蔦重の自由と文化への情熱が時代を超えて描かれるエンターテインメントドラマ。
「べらぼう」【第45話】では、江戸の町をざわつかせる“ある噂”を広めるために、蔦屋重三郎が注目した「曽我祭(そがまつり)」が登場します。
江戸っ子たちを熱狂させた「曽我祭」とは、一体どんなお祭りだったのか?その実態とドラマとの関わりを紹介します。
【べらぼう第45話】蔦重が噂を広めるため「曽我祭」を利用

【第45話】松平定信(井上祐貴)から呼び出された、蔦重(横浜流星)は、かつての将軍世子・徳川家基暗殺の黒幕である一橋治済(生田斗真)を誘き出す策として、「平賀源内が実は生きている」という噂を世間に広めるよう命じられます。
噂を効果的に広めるため、蔦重は江戸の芝居町で行われる「曽我祭」に着目します。
「曽我祭」は、役者が素顔で町を練り歩く華やかな行事で、江戸っ子にとっては憧れのスターに出会える一大イベント。蔦重はこの祭りに乗じて、「平賀源内が描いた」風の蘭画役者絵を出版し、噂を一気に広めようとします。
また、ドラマで描かれた「平賀源内生存説」は実際にあったのか?その史実については、以下の記事で解説しています。
曽我祭とは?江戸時代の芝居町で実際に行われた役者の祭りを解説

「曽我祭」は、実際に江戸時代に存在した芝居町(しばいまち)の行事です。その由来は、歌舞伎で人気だった「曽我物(そがもの)」、つまり曽我兄弟の仇討ちを題材とした演目にあります。
曽我祭の起源は「曽我兄弟の仇討ち」|江戸庶民に愛された忠義の物語
曽我祭の由来は、鎌倉時代に実際に起こった「曽我兄弟の仇討ち」にあります。
曽我兄弟(曽我十郎祐成と五郎時致)は、源頼朝の治世下で、父・河津祐泰を討った仇・工藤祐経を富士の裾野で討ち果たしたとされる実在の兄弟です。
この事件は、「赤穂浪士の討ち入り」「伊賀越えの仇討ち」と並んで、日本三大仇討ちの一つとされています。
曽我兄弟の忠義心と兄弟愛に満ちた物語は、武士道の理想像として語り継がれ、江戸時代には庶民の心を打つ伝説として人気を集めました。これを題材にした歌舞伎演目が「曽我物」であり、毎年初春の定番として興行されていました。
人気演目として正月から5月までロングランすることもあり、その年に「曽我物」が当たると、曽我兄弟の仇討ちが行われたとされる5月28日を中心に、江戸の芝居町では盛大に「曽我祭」が催されました。
なお、曽我兄弟の仇討ちの物語は、2022年放送の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第23話でも描かれており、大河ドラマの視聴者の多くにも記憶に残っているかと思います。詳しくは下記の記事で解説しています。
曽我祭の見どころ|江戸三座や役者の素顔が見られる一大イベント
「曽我祭」は曽我物が当たった年には、祝祭として行われました。見どころは以下になります。
- 役者たちが素顔で芝居町を練り歩き、庶民に顔見せをする
- 楽屋には灯籠が並び、神楽が奏でられ、舞踊「曽我祭」が上演される
- 江戸三座(中村座、市村座、森田座)などの芝居小屋が中心
このように「曽我祭」は、芝居町全体が熱気に包まれる華やかな文化イベントで、江戸の庶民にとっては、普段は舞台の上にいる役者たちと“間近でふれあえる”夢のような機会でした。
また、「べらぼう」では、蔦重は「曽我祭」を利用して一儲けしつつ、平賀源内が描いたと思わせるような蘭画風の役者絵を制作・出版することで、「平賀源内生存説」を人々に印象づけ、世間を騒がせようと考えます。
この役者絵を書くために生まれたのが、架空の絵師「東洲斎写楽」です。「べらぼう」の劇中の写楽の誕生の経緯、正体については以下の記事で解説しています。
まとめ

「べらぼう」【第45話】に登場した「曽我祭」は、単なる演出ではなく、実在した江戸の文化行事です。
役者が素顔で登場するという今では考えられない大胆なイベントは、江戸の芝居文化の象徴とも言えるお祭りでした。
他にも「べらぼう」のキャスト・登場人物・スタッフ一覧は、以下をチェックしてください。

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