NHK連続テレビ小説「あんぱん」のヒロイン・朝田のぶは、「今田美桜」さんが演じます。「あんぱん」のあらすじは、以下の通りです。
漫画家「やなせたかし」さんと妻「暢(のぶ)」さんをモデルにしたオリジナル作品。昭和初期、高知で明るく奔放な少女・朝田のぶと、父を亡くした少年・柳井嵩が出会う。
戦後、嵩と再会したのぶは夢を追い東京へ。彼女を追いかけた嵩と共に、六畳一間の貧しい生活を楽しみながら二人は結婚。どんな困難も笑いに変えた彼らの未来には、『アンパンマン』が誕生する希望の物語が続く。
朝ドラ「あんぱん」では、嵩が描いた4コマ漫画「ボオ氏」が漫画コンクールで大賞を受賞し、大きな転機を迎えます。
史実でも嵩のモデル「やなせたかし」さんは、「ボオ氏」で「週刊朝日漫画賞」を受賞しています。
【あんぱん第113・114話あらすじ】漫画で勝負!嵩は「ボオ氏」で大賞受賞

嵩(北村匠海)は週刊誌の漫画コンクールを見つけ、のぶ(今田美桜)に背中を押され挑戦を決意。
「結果より描きたいものを描くことが大事」と言う”のぶ”の言葉、そして亡き父・結太郎(加瀬亮)の形見の帽子を被った”のぶ”の姿を見たことがキッカケに、渾身の4コマ漫画「ボオ氏」を描き上げます。

「これがダメなら漫画家をやめる」と覚悟を決めた勝負作で、嵩は見事大賞を受賞。のぶは大喜びし、嵩も「のぶのおかげ」と感謝を伝えます。
数日後、八木(妻夫木聡)の会社で受賞祝いが開かれ、嵩は仲間に囲まれて祝福されます。そんな中、のぶが自宅で茶道の稽古中に手嶌治虫(眞栄田郷敦)が突然訪ねてくるという新たな展開があります。
朝ドラ「あんぱん」で嵩が手掛けた「ボオ氏」は、実際に「やなせたかし」さんが書いた4コマ漫画で、「週刊朝日漫画賞」を受賞しています。
史実でも「やなせたかし」が4コマ漫画「ボオ氏」で「週刊朝日漫画賞」を受賞

嵩が描いた「ボオ氏」は、ドラマオリジナルではなく実在した4コマ漫画作品です。
1967年(昭和42年)、「やなせたかし」さんが「週刊朝日漫画賞」のグランプリを受賞した際の作品が「ボオ氏」です。
4コマ漫画「ボオ氏」とは?”帽子”と“某氏”、セリフなしのパントマイム漫画
ボオ氏
めちゃくちゃ芸術性高い
普遍的な美しさがある pic.twitter.com/lNc6qIvhU2— RBUX (@RbuxBook) August 26, 2025
「ボオ氏」は、セリフのない4コマ漫画。主人公は”帽子”を深くかぶって顔が見えない、名前も明かされない“某氏(ボウし)”の語呂合わせから「ボオ氏」と名付けられました。
4コマ漫画「ボオ氏」は以下の特徴があります。
- パントマイムのようなセリフがない漫画
- 当時としては珍しい、読者の想像に委ねるスタイル
「やなせたかし」さんは、「全世界どこへ行っても理解される漫画」を目指し、「ボオ氏」を描きます。
そして、「ボオ氏」は「やなせたかし」さんが、晩年まで書き続ける代表作の一つとなります
漫画賞受賞の背景にあった“くやしさ”と“挑戦”
「やなせたかし」さんが「ボオ氏」を描いたのは、ある寂しい出来事がきっかけでした。1960年代後半、漫画家たちが企画した“世界旅行”に、「やなせたかし」さんだけが誘われなかったのです。
当時の自分を「相撲で言えば序二段」と語っていたやなせさんは、代表作がない漫画界での立場に劣等感を抱いていました。
そんな”くやしさ”の中、「やなせたかし」さんは「週刊朝日」の漫画コンテストに挑戦。セリフなしの4コマ、帽子で顔を隠した主人公の「ボオ氏」で見事グランプリを獲得します。
正式な授賞式なし、妻・暢さんとのエピソード
「やなせたかし」さんは紀伊国屋ホールで「愛する歌の会」を開催していて、週刊朝日の編集長から突然「その会場で授賞式をやりましょう」と言われます。
正式な授賞式は行われず、この賞もこの一度きりで終了します。この件について、「やなせたかし」さんは、後の著書で以下のように語っています。
会場費も、あとのパーティにも一銭のお金をつかわずに、そのつもりのない観客の前でぼく一人の授賞式が行われたのは、あんまり例がないのではないか。
出典:やなせたかし著『アンパンマンの遺書』P162
さらに面白いのは、妻・暢(のぶ)さんとのエピソード。
「やなせたかし」さんが「嘘かもしれないから喜んじゃいけない」と言ったため、暢さんは「喜ばないよう我慢していたら、うれしくなくなった」と言いつつも、「でも、おめでとう」と祝ってくれたそうです。
その後、手塚治虫からアニメ制作の仕事依頼が!
「ボオ氏」での受賞が報道されたことで、「やなせたかし」さんの名前は広く知られるようになります。

その後、漫画界の巨匠・手塚治虫から直接、「千夜一夜物語」のアニメーション制作の仕事を依頼されるというチャンスが訪れます。
朝ドラ「あんぱん」で手塚治虫さんをモデルとした「手嶌治虫(てじま・おさむ)」は、若手俳優・眞栄田郷敦さんが演じています。「手塚治虫」さんと「やなせたかし」さんの関係の詳細については、以下でまとめています。

まとめ

朝ドラ「あんぱん」嵩が手掛けた「ボオ氏」受賞エピソードは、「やなせたかし」さんの実体験を元にしたエピソードです。
「ボオ氏」は「やなせたかし」さんが、晩年まで書き続ける代表作の一つです。
他にも、「あんぱん」のキャスト・スタッフ一覧は、以下でまとめています。


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