NHK連続テレビ小説「あんぱん」のヒロイン・朝田のぶは、「今田美桜」さんが演じます。「あんぱん」のあらすじは、以下の通りです。
漫画家「やなせたかし」さんと妻「暢（のぶ）」さんをモデルにしたオリジナル作品。昭和初期、高知で明るく奔放な少女・朝田のぶと、父を亡くした少年・柳井嵩が出会う。
戦後、嵩と再会したのぶは夢を追い東京へ。彼女を追いかけた嵩と共に、六畳一間の貧しい生活を楽しみながら二人は結婚。どんな困難も笑いに変えた彼らの未来には、『アンパンマン』が誕生する希望の物語が続く。
1953年（昭和28年）、嵩（北村匠海）は三星百貨店を退職し、漫画制作に打ち込みます。
この頃、売れない漫画家集団「独創漫画派」に所属する嵩が作中で描くのは『メイ犬BON』という作品です。ところが掲載寸前で頓挫し、世に出ることはありません。
この作品は、嵩のモデル「やなせたかし」さんが自費出版した幻の漫画集『メイ犬BON』が元になっています。
「あんぱん」独創漫画派に所属の嵩は『メイ犬BON』を描く
ドラマ「あんぱん」では、嵩は売れない漫画家たちの集まり「独創漫画派」に所属。ある日、大物漫画家の連載漫画の穴を埋めるため嵩は『メイ犬BON』の漫画を書き上げます。
締め切り直前まで描き進めますが、漫画家が見つかっため作品はお蔵入りとなります。
嵩がドラマで所属する「独創漫画派」は、史実では「独立漫画派」がモデルとされます。「やなせたかし」さんは「独立漫画派」に一時期所属、その後は「漫画集団」に移籍し、本格的に漫画の仕事を続けます。
やなせたかしの『メイ犬BON』とは？1959年幻の私家版
やなせたかし『メイ犬BON』1959年 pic.twitter.com/dfA7oFPSJe
— 古本屋 百年 (@100hyakunen) July 29, 2016
史実の『メイ犬BON』は、1959年（昭和34年）に「やなせたかし」さんが自費出版した私家版の漫画です。
主人公はいたずら好きでおちゃめな犬「BON」。「やなせ」さんの愛犬をモデルに、4コマ漫画形式で描かれています。
この作品は発行部数が極めて少なく、今では“幻の私家版”と呼ばれる存在です。のちの『アンパンマン』に登場する名犬チーズにも通じるとも言われる、動物キャラクターのユーモラスな描写がすでに見られます。
『メイ犬BON』は「やなせたかし」さんの初期創作の重要な一作として、美術館の企画展などで紹介されることもあります。
また、朝ドラ「あんぱん」で嵩が八木（妻夫木聡）に話した詩の一編「ボン・ボン・セ・シ・ボン」は、『メイ犬BON』のまえがきに書かれたものです。
夜の底に黒い犬がいて、こごえでほえる、ボン・ボン・セ・シ・ボン
さみしいひと、ボンはあなたの友人です。
あなたがゲッソリして、もう死にたいと思うとき、
あなたをどうしても微笑させるのが、生きがいです。出典：梯 久美子著『やなせたかしの生涯 アンパンマンとぼく』P150
嵩のモデル「やなせたかし」さんの生涯については、以下の記事で詳細をまとめています。
他にも劇中に登場する漫画「鉄腕アトム」「のらくろ」などについては、以下の記事で紹介しています。
まとめ
朝ドラ「あんぱん」で嵩が描く『メイ犬BON』は、「やなせたかし」さんが1959年に自費出版した幻の4コマ漫画集がモデルです。
他にも、「あんぱん」のキャスト・スタッフ一覧は、以下でまとめています。
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