2025年1月5日(日)スタートの第64作となるNHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」
「べらぼう」の主人公・蔦屋重三郎を演じるのは「横浜流星」さんです。そして、森下佳子さんが脚本を担当、あらすじは以下の通りです。
“江戸の出版王”と呼ばれた「蔦屋重三郎」の波乱万丈の生涯を描く。人口100万を超えた江戸、貧しい家庭に生まれた蔦重は養子として育ち、貸本屋から書籍編集・出版業へと進出。
田沼意次の時代に「黄表紙」の大ヒットで文化の中心となり、喜多川歌麿や葛飾北斎など、後の巨匠たちを世に送り出す。笑いと涙、謎が交錯する物語を通じ、蔦重の自由と文化への情熱が時代を超えて描かれるエンターテインメントドラマ。
「べらぼう」第28話に、「筆耕(ひっこう)」という言葉がでてきます。
蔦重(横浜流星)が江戸に戻ってきた小田新之助(井之脇海)に与えた仕事「筆耕」とは何なのか、紹介していきます。
「べらぼう第28話」あらすじ、新之助(井之脇海)うつせみ(小野花梨)が江戸に戻る

城中で佐野政言(矢本悠馬)が田沼意知(宮沢氷魚)を斬り、意知は志半ばで命を落とします。政言も切腹し、江戸の空気は一気に緊張感に包まれました。
後日、市中を進む意知の葬列を蔦重(横浜流星)たちが見送る中、突如石が投げ込まれ、場が騒然となります。誰袖(福原遥)は棺を必死に庇い、駆け出すほどの混乱。憔悴しきった誰袖の姿を目にした蔦重は、亡き意知の無念を晴らす術を考え始めるのでした。
そんな折、北尾政演(古川雄大)が見せた一枚の絵がキッカケとなり、蔦重は仇討ちを題材にした新たな黄表紙の企画を立ち上げます。
新たな黄表紙のキッカケとなったパロディ本「手拭合(たなぐいあわせ))」については、以下の記事で詳細をまとめています。


一方、足抜けして“ふく”と名を変えたうつせみ(小野花梨)と、小田新之助(井之脇海)は浅間山のふもとでひっそりと暮らしていました。しかし浅間山噴火の影響で住む場所を失い、流民となった二人は、蔦重を頼って江戸へ戻ります。
蔦重は新之助に「筆耕(ひっこう)」の仕事を与え、長屋の手配もして、ふたりの生活を再び支えようとするのでした。
1783年に群馬県と長野県の県境にある「浅間山」で起こった大噴火の史実については、以下の記事でまとめています。

筆耕(ひっこう)とは?江戸時代の代筆・清書の仕事を解説

「筆耕(ひっこう)」とは、毛筆で文章を書くことを生業とする仕事のことです。代筆や清書を請け負い、依頼主に代わって整った書体で文書を仕上げます。
筆耕の起源は古く、奈良時代の写経生のように、文字を書くことで生計を立てる職能が日本に存在していました。写経所で経典を正確に、美しく書き写すことが宗教的にも社会的にも重要視されていたため、すでに“文字を書く専門職”の原型があったと考えられます。
江戸時代に入ると町人文化が発展し、読み書きが苦手な庶民や、格式ある文書をきちんと整えたい武家・商家の需要が増え、筆耕は重宝されました。具体的には
- 書状や契約書の代筆
- 表札や看板の文字書き
- 寺社への奉納文や巻物の清書
- 芸事の師匠が弟子に与える免状の作成
など、さまざまな場面で活躍しました。
ただし、筆耕で求められるのは実用的で読みやすい文字です。楷書体や細字をきちんと書ける技術が必要であり、芸術的な書道とは異なる専門の訓練が必要でした。
美しさだけでなく、誰が見ても誤読のない、正確で読みやすい筆跡が求められました。書道の素養はもちろん、集中力や正確さも重要な資質だったといえます。
ドラマの中で蔦重が新之助に与えたのも、こうした代筆・清書の仕事です。蔦重は過去にも仕事を依頼しており、新之助の丁寧な性格や器用さが、この仕事に向いていると判断したのかもしれません。
まとめ
NHK大河ドラマ「べらぼう」第28話では、意知の死という大きな転換点が描かれる一方で、浅間山の噴火を経て江戸に戻った新之助とうつせみが、再び物語に加わります。
蔦重が新之助に与えた「筆耕」という仕事は、江戸時代の社会に根ざした専門職でした。
他にも「べらぼう」のキャスト・登場人物・スタッフ一覧は、以下をチェックしてください。


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