NHK連続テレビ小説「あんぱん」のヒロイン・朝田のぶは、「今田美桜」さんが演じます。「あんぱん」のあらすじは、以下の通りです。
漫画家「やなせたかし」さんと妻「暢（のぶ）」さんをモデルとしたオリジナル作品。昭和初期、高知で明るく奔放な少女・朝田のぶと、父を亡くした少年・柳井嵩が出会う。
戦後、嵩と再会したのぶは夢を追い東京へ。彼女を追いかけた嵩と共に、六畳一間の貧しい生活を楽しみながら二人は結婚。どんな困難も笑いに変えた彼らの未来には、『アンパンマン』が誕生する希望の物語が続く。
朝ドラ「あんぱん」ヒロイン・のぶは、努力の末に女子師範学校を卒業し、自らも通った「御免与町尋常小学校」で教壇に立つことになります。
昭和14年（1939年）ごろの日本が戦争に向かって突き進む中、教育現場も大きな変化の時代を迎えていました。
「尋常小学校」とは？その後に続く「国民学校」の軍国教育について紹介します。
のぶが教師となる「尋常小学校」とは？
のぶ（今田美桜）は女子師範学校で学ぶ中で、将来は子どもたちを教える立場の”のぶ”自身にも「国家のために尽くす教育者」という価値観が深く浸透していく様子が描かれました。
“のぶ”と”うさ子”が知らず知らずのうちに、国家への忠誠心が刷り込まれていくシーンについては、以下で解説しています。
そして、”のぶ”は女子師範学校を卒業し、自分が通った「御免与町尋常小学校」で先生になります。
尋常小学校は、明治時代から昭和16年（1941年）まで存在した日本の初等教育機関です。現在の小学校にあたるもので、主に小学1年から6年までの義務教育が行われていました。（※地域や時代によって多少の差あり）
「尋常」という言葉には「普通・一般的な」という意味があり、尋常小学校は基礎的な教育を施す場です。高等小学校（2年制）に進む子どももいましたが、多くは尋常小学校6年を出て社会に出たり上級学校へ進学しました。
学校制度としては今と似ていますが、内容や目的には大きな違いがありました。
当時の教育は、天皇への忠誠や国家への奉仕を説いた「教育勅語」を柱に据えており、特に「修身（道徳）」の授業が重視されていました。また、国語、算術、体操などの基礎科目に加え、礼儀作法や規律を教えることにも力が注がれていました。
国民学校とは？昭和16年の軍国教育
昭和16年（1941年）、日本が太平洋戦争へと突入する直前、「尋常小学校」は「国民学校」へと名称変更されます。これは単なる名前の変更ではなく、教育の目的そのものが大きく転換された出来事でした。
「国民学校」では、義務教育の年数が初等科6年と高等科2年を合わせた8年間に延長され、子どもは児童・学童ではなく「少国民」と呼ばれました。
国民学校では、「国家のために尽くす人材＝よき臣民」を育てることが最大の目的とされました。教育内容はより軍国主義的になり、授業には兵式体操や「戦地の話」など、軍事色が色濃く反映されていきます。
のぶが教える「国民学校」も、戦争という時代の影に次第に覆われていきます。教師の自由な教育は次第に制限され、子どもたちの純粋な学びの場が、「国民学校」では国家の意図によって形を変えていきます
まとめ
朝ドラ「あんぱん」ヒロインのぶが教壇に立つ「尋常小学校」、そして「国民学校」の軍国教育について紹介しました。
他にも「あんぱん」のキャスト・スタッフ一覧は、以下でまとめています。
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