NHK連続テレビ小説「あんぱん」のヒロイン・朝田のぶは、「今田美桜」さんが演じます。「あんぱん」のあらすじは、以下の通りです。
漫画家「やなせたかし」さんと妻「暢(のぶ)」さんをモデルとしたオリジナル作品。昭和初期、高知で明るく奔放な少女・朝田のぶと、父を亡くした少年・柳井嵩が出会う。
戦後、嵩と再会したのぶは夢を追い東京へ。彼女を追いかけた嵩と共に、六畳一間の貧しい生活を楽しみながら二人は結婚。どんな困難も笑いに変えた彼らの未来には、『アンパンマン』が誕生する希望の物語が続く。
朝ドラ「あんぱん」嵩(北村匠海)は「高知第一高等学校」の受験に失敗した後、「東京高等芸術学校」に進学します。
この架空の学校は、漫画家・やなせたかしさんが実際に学んだ「東京高等工芸学校(現在の千葉大学工学部)」がモデルとして用いられています。
東京高等芸術学校・図案科のモデルは「東京高等工芸学校(現・千葉大学工学部デザイン学科)」

主人公・嵩(北村匠海)は、母親・登美子(松嶋菜々子)のために男子の超エリート校「高知第一高等学校」を目指します。
漫画ばかり描いていた嵩は本気になりますが、「高知第一高等学校」の受験に失敗します。
嵩が目指した「高知第一高等学校」の難易度や当時の受験事情については、以下の記事で解説しています。

受験に失敗した後、嵩は「絵を描いて生きていきたい」と、東京高等芸術学校に進学することになります。
東京高等芸術学校・図案科のモデルは「東京高等工芸学校(現・千葉大学工学部デザイン学科)」です。
嵩のモデル「やなせたかし」さんが実際に学んだ学校です。
「東京高等工芸学校」は、現在の千葉大学工学部デザイン学科の前身です。大正・昭和期に芸術的・実用的なデザイン教育を提供する国内最高峰の工芸教育機関でした。
東京高等工芸学校・図案科で学べた内容とは?

朝ドラ「あんぱん」で嵩が入学した東京高等芸術学校の実在モデル「東京高等工芸学校・図案科」とは、どんな学校だったのでしょうか。
図案科では実用的デザイン教育が行われた
東京高等工芸学校の図案科では、以下のような実用的デザイン教育が行われていました。
- 図案(意匠)・色彩学:広告や商品パッケージなどの装飾デザイン
- 製図・透視図法:立体構成や建築基礎知識
- 図学・幾何学:視覚的な構成力の養成
- 美術解剖学・デッサン:人物やモノを的確に描写する技術
単なる「美術」ではなく、産業と結びついた“使える芸術”=実用美術の教育が特徴でした。
何年で卒業できる?【東京高等工芸学校は3年制】
「東京高等工芸学校」は、旧制中学卒業後に入学できる3年制の専門教育機関でした。
- 入学資格:中学校卒業(現在の高校1~2年に相当)
- 修業年限:3年間
- 進路:企業の工芸部門や製薬・印刷会社の広告部門、教員など
やなせたかしは卒業後に「東京田辺製薬」宣伝部へ

やなせたかしさんは、1939年(昭和14年)に東京高等工芸学校の図案科を卒業後、東京田辺製薬(現:田辺三菱製薬)宣伝部に就職しています。
ここでは「広告・パッケージデザイン」「ポスター制作」「コピーライティング」といった、今でいう「アートディレクター」のような仕事に従事しています。
ところが、1941年(昭和16年)頃、第二次世界大戦の激化により、やなせたかしさんは招集され、戦地へ赴くことになります。戦争によって一時的にキャリアは中断され、その後、過酷な体験を経て復員。復員後、再び創作活動に打ち込むようになりました。
嵩のモデル「やなせたかし」の生涯については、以下の記事でまとめています。

まとめ

朝ドラ「あんぱん」に登場する「東京高等芸術学校」は、架空の学校ですが、モデルは「東京高等工芸学校」です。
嵩のモデル「やなせたかし」さんの創作活動の土台を築いたこの学校は、日本のデザイン・広告史においても重要な存在でした。
他にも「あんぱん」のキャスト・スタッフ一覧は、以下でまとめています。


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