2025年1月5日(日)スタートの第64作となるNHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」
「べらぼう」の主人公・蔦屋重三郎を演じるのは「横浜流星」さんです。そして、森下佳子さんが脚本を担当、あらすじは以下の通りです。
“江戸の出版王”と呼ばれた「蔦屋重三郎」の波乱万丈の生涯を描く。人口100万を超えた江戸、貧しい家庭に生まれた蔦重は養子として育ち、貸本屋から書籍編集・出版業へと進出。
田沼意次の時代に「黄表紙」の大ヒットで文化の中心となり、喜多川歌麿や葛飾北斎など、後の巨匠たちを世に送り出す。笑いと涙、謎が交錯する物語を通じ、蔦重の自由と文化への情熱が時代を超えて描かれるエンターテインメントドラマ。
「べらぼう」【第15話】では、大黒屋の女将だった「りつ(安達祐実)」は女郎屋を廃業、「見番(けんばん)」を始めることを決意します。
「見番」とは一体何なのでしょうか?また、「りつ」にモデルが存在するのかについても解説します。
吉原の「見番」とは?芸者たちを支える組織

「見番(けんばん)」とは、芸者たちの活動を管理・支援する組織や施設を指します。
女郎(遊女)は客と一夜を共にするのが仕事、芸者は踊りや唄で客をもてなすのが役割で、両者には明確な違いがありました。
見番はもともとは吉原遊廓内にあり、芸者たちの芸事の稽古場や、出演の手配、報酬の管理、芸者同士のトラブル調整などを行う場所でした。
見番の主な役割は以下の通りです。
- 芸者への稽古の手配・指導
- 芸者のスケジュール管理
- 出席確認や出演料の取りまとめ
- 芸者の品位や技能の向上を図る
- 芸者同士、あるいは客とのトラブル処理
女郎屋(遊女を抱える店)とは異なり、見番は純粋に「芸」を売りにする芸者たちをサポートする組織でした。
「べらぼう」見番後、りつが与えた文化的影響

りつが見番を始めた後、単に芸者をまとめるだけでなく、蔦重(横浜流星)の出版事業にも大きく関与していきます。
公式サイトに掲載されている「りつ」の人物紹介には、以下の記載があります。
吉原の女郎屋・大黒屋の女将として、駿河屋(高橋克実)、松葉屋(正名僕蔵)、大文字屋(伊藤淳史)、扇屋(山路和弘)らと共に吉原を取りまとめ、蔦重(横浜流星)の後見となる。のちに女郎屋を廃業し、芸奴の見番となったあとは、蔦重が手がけた『富本本』や『浄瑠璃本』の出版に大きな影響を与えることになる。
出典:NHK公式HP
「りつ」は女郎屋を廃業し、芸者(芸奴)の見番となった後は
- 『富本本』(当時流行した富本節の歌詞集)
- 『浄瑠璃本』(浄瑠璃演目の台本集)
など、芸能や演劇にまつわる書籍の出版に深く関わることになります。
「べらぼう」では、主人公・蔦屋重三郎の出版文化と吉原の芸事が融合する背景には、りつの活動が大きな役割を果たしていきます。

また、富本節(浄瑠璃の一派)の二代目「富本豊前太夫」を演じるのは、俳優「寛一郎(かんいちろう)」さんです。「富本豊前太夫」の詳細は以下でまとめています。

「りつ(安達祐実)」に実在モデルはいるのか?

現時点では「べらぼう」に登場する「りつ」に特定の実在モデルが存在するという明確な記録は確認されていません。
しかし、参考になる史実として、吉原には実際に「大黒屋」という女郎屋が存在していました。
「大黒屋」の経営者だった大黒屋庄六は、寛政2年(1790年)に64歳で亡くなった人物で、女郎屋を廃業し、芸者たちを支援する見番制度の確立に尽力したと伝えられています。
このため、りつの設定は、庄六のような実在の人物や当時の吉原の社会的背景を参考にしながら、オリジナルキャラクターとして創作されたものと考えられます。
また、江戸時代に眉毛がない女性がいる理由については、以下で詳細をまとめています。

まとめ

NHK大河ドラマ「べらぼう」見番(けんばん)とは、芸者たちの活動を管理・支援する組織や施設を指します。
「りつ」の実在モデルは確認できませんが、当時の吉原の社会的背景を参考にしたオリジナルキャラクターと推測されます。
他にも「べらぼう」のキャスト・登場人物・スタッフ一覧は、以下をチェックしてください。


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