2025年1月5日(日)スタートの第64作となるNHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」
「べらぼう」の主人公・蔦屋重三郎を演じるのは「横浜流星」さんです。そして、森下佳子さんが脚本を担当、あらすじは以下の通りです。
“江戸の出版王”と呼ばれた「蔦屋重三郎」の波乱万丈の生涯を描く。人口100万を超えた江戸、貧しい家庭に生まれた蔦重は養子として育ち、貸本屋から書籍編集・出版業へと進出。
田沼意次の時代に「黄表紙」の大ヒットで文化の中心となり、喜多川歌麿や葛飾北斎など、後の巨匠たちを世に送り出す。笑いと涙、謎が交錯する物語を通じ、蔦重の自由と文化への情熱が時代を超えて描かれるエンターテインメントドラマ。
「べらぼう」【第14話】、大文字屋(伊藤淳史)が神田に屋敷を購入しようとするも、町名主の反対により取引が一方的に取り消される場面が描かれました。
大文字屋が奉行所に訴えると、「今後見附内の土地を買わない」との証文を出すよう命じられ、さらに吉原者には土地を売らないようお達しが出されます。
このエピソードは1777年頃の設定ですが、ここで登場する「見附」とは何か、また吉原出身者が見附内の土地を購入できなかったというのは史実なのか解説します。
見附(みつけ)とは?
江戸時代の「見附(みつけ)」とは、江戸城の外郭に設けられた城門で、防衛や治安維持を目的とした監視所として機能しました。
「見附内」とは、江戸城の外堀(外濠)の内側を指しますが、具体的には外堀と内堀の間に位置する区域を指すことが多く、この区域には武家屋敷や幕府直属の施設が集中していました。
江戸城には「江戸城三十六見附」と呼ばれる主要な36か所の城門がありましたが、この数は語呂合わせによるもので、実際にはもっと多く存在したとされています。
これらは堀に架けられた橋と一体的に設置され、江戸城の防衛や治安維持だけでなく交通の要所としても機能しました。
また、「赤坂見附」「四谷見附」など現在でも地名としてその名残を留めています。
江戸時代の見附内の範囲

江戸城の外堀(外濠)は、防御施設として江戸城を取り囲む形で設置されました。その形状は円形ではなく螺旋状であり、全長約14~15kmに及びます。「見附内」の範囲は以下の地域です。
- 北側:神田川沿い(小石川橋付近からお茶の水、浅草橋方面)
- 西側:四谷、市ヶ谷、牛込(現在の新宿区の一部)
- 南側:赤坂、虎ノ門、溜池周辺
- 東側:日本橋川や隅田川沿い、日本橋、京橋、築地など
このように外堀内には現在の東京都千代田区(旧麹町区)、中央区、新宿区の一部が含まれており、「見附内」として江戸城外郭内に該当する地域とされています。
「べらぼう」第14話、大文字屋(伊藤淳史)が神田に屋敷を購入しようとしますが、神田は「見附内」になります。
吉原出身者が見附内の土地を買えなかったのは史実?

吉原は江戸時代の公許の遊郭であり、そこに関わる人々、特に遊女やその関係者は社会的に低い地位と見なされていました。江戸時代には身分制度が厳格であり、特定の職業や出自の人々が土地や財産を所有することに制限があったことも知られています。
ただし、吉原出身者が見附内の土地を購入することが禁止されていたという明確な記録は確認されていません。
とはいえ、町名主や地元住民が風紀や秩序を理由に吉原関係者の土地購入に反対した可能性は十分に考えられます。当時の社会では、地域の秩序を守るために特定の人々の移住や土地購入を制限する慣習が存在していました。
そのため、「べらぼう」【第14話】で描かれているエピソードは、史実そのものではなく、江戸時代の社会背景を基にしたフィクションとして描かれている可能性が高いと考えられます。
まとめ

NHK大河ドラマ「べらぼう」【第14話】で描かれた吉原出身者・大文字屋(伊藤淳史)が見附内の土地を購入しようとしますが、町名主の反対や奉行所の裁きにより阻止されます。
このエピソードは、当時の社会的背景を反映したフィクションと考えられます。
他にも「べらぼう」のキャスト・登場人物・スタッフ一覧は、以下をチェックしてください。


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