2025年1月5日(日)スタートの第64作となるNHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」
「べらぼう」の主人公・蔦屋重三郎を演じるのは「横浜流星」さんです。そして、森下佳子さんが脚本を担当、あらすじは以下の通りです。
“江戸の出版王”と呼ばれた「蔦屋重三郎」の波乱万丈の生涯を描く。人口100万を超えた江戸、貧しい家庭に生まれた蔦重は養子として育ち、貸本屋から書籍編集・出版業へと進出。
田沼意次の時代に「黄表紙」の大ヒットで文化の中心となり、喜多川歌麿や葛飾北斎など、後の巨匠たちを世に送り出す。笑いと涙、謎が交錯する物語を通じ、蔦重の自由と文化への情熱が時代を超えて描かれるエンターテインメントドラマ。
「べらぼう」第13話と第34話では、普段あまり聞き慣れない「逐電(ちくでん)」という言葉が登場しました。
旗本・森忠右衛門や、田沼派の側近・土山宗次郎が突然姿を消す場面で使われており、「どういう意味だろう?」と気になった方も多いのではないでしょうか。
「逐電」の意味と由来について紹介します。
「逐電(ちくでん)」とは?
「逐電(ちくでん)」とは、こっそり逃げて姿をくらますことを意味する言葉です。
現代で言えば「夜逃げ」や「行方をくらます」といった意味にあたります。
「逐電」の語源・由来
「逐(ちく)」は「追い払う」「追いかける」などの意味、「電(でん)」は「雷のようにすばやいもの」を指します。
この二文字を組み合わせた「逐電」は、「電光石火のように素早く逃げ去ること」=「こっそりと逃げる、失踪する」という意味として使われるようになりました。
江戸時代「逐電」は、なぜ罪に問われたか?

江戸時代、「逐電」が直接的に罪とされたわけではありませんが、状況や身分によっては重大な問題となりました。
例えば、武士が主君の許可なく逐電によって藩を離れる「脱藩」は、極めて重い罪とされ、死罪に処されることもありました。これは、江戸時代の身分制度と主従関係が厳格であったためです。
【べらぼう第13話】旗本・森忠右衛門の失踪場面で「逐電」が使われる
「べらぼう」第13話のあらすじは、以下の通りです。
第13話(2025/03/30)あらすじ
蔦重(横浜流星)は、留四郎(水沢林太郎)から鱗形屋(片岡愛之助)が再び偽板の罪で捕まったらしいと知らせを受ける。鱗形屋が各所に借金を重ね、その証文の一つが鳥山検校(市原隼人)を頭とする金貸しの座頭に流れ、苦し紛れに罪を犯したことを知る。一方、江戸城内でも旗本の娘が借金のかたに売られていることが問題視され、意次(渡辺謙)は、座頭金の実情を明らかにするため、長谷川平蔵宣以(中村隼人)に探るよう命じる。
出典:NHK番組表
高利貸しの「座頭金」の強引な取り立てに苦しむ旗本「森忠右衛門」が、突然姿を消した場面で「逐電した」という言葉が登場しました。
このシーンでは、忠右衛門が何かしらの事情を抱えて、周囲に何も告げずにひっそりと姿を消したことが「逐電」という言葉で強調されています。
また、「逐電」と同様に聞き馴染みのない「座頭金(ざとうがね)」については、以下で詳細を解説しています。

【べらぼう第34話】旗本・土山宗次郎の失踪場面で「逐電」が使われる

「べらぼう」第34話のあらすじは、以下の通りです。
第34話(2025/09/07)あらすじ
老中首座に抜擢された定信(井上祐貴)は、質素倹約を掲げ、厳しい統制を敷き始める。 そんな中、蔦重(横浜流星)は狂歌師たちに、豪華な狂歌絵本を作ろうと呼びかける。しかし、そこに現れた南畝(桐谷健太)は、筆を折ると宣言。南畝は定信を皮肉った狂歌を創作した疑いで処罰の危機にあった。意次(渡辺謙)が作った世の空気が定信の政によって一変する中、蔦重は世の流れに抗うため、ある決意をもって、意次の屋敷を訪れる。
出典:NHK番組表
第34話では、老中・田沼意次の失脚とともに、田沼派の重臣たちが次々と処罰される中、土山宗次郎(栁俊太郎)もまた姿を消します。この場面でも「逐電」という言葉が登場しました。

花魁・誰袖(福原遥)を身請けした土山宗次郎と、その悲劇的な結末や史実については、以下の記事でまとめています。

まとめ

NHK大河ドラマ「べらぼう」に登場した「逐電(ちくでん)」の意味と由来は以下の通りです。時代劇では、たびたい登場する表現です。
- 「逐電(ちくでん)」は、「姿をくらます」「夜逃げする」という意味の古語
- 「追う(逐)」+「電光石火(電)」から、「素早く逃げる」ことを表す
他にも「べらぼう」のキャスト・登場人物・スタッフ一覧は、以下をチェックしてください。


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