2025年1月5日（日）スタートの第64作となるNHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」
「べらぼう」の主人公・蔦屋重三郎を演じるのは「横浜流星」さんです。そして、森下佳子さんが脚本を担当、あらすじは以下の通りです。
江戸の出版王と称された「蔦屋重三郎」の波乱万丈の生涯を描く。人口100万を超えた江戸、貧しい家庭に生まれた蔦重は養子として育ち、貸本屋から書籍編集・出版業へと進出。
田沼意次の時代に「黄表紙本」の大ヒットで文化の中心となり、喜多川歌麿や葛飾北斎など、後の巨匠たちを世に送り出す。笑いと涙、謎が交錯する物語を通じ、蔦重の自由と文化への情熱が時代を超えて描かれるエンターテインメントドラマ。
「べらぼう」【第9話】では吉原の年中行事「玉菊燈籠(たまぎくどうろう)」が描かれます。江戸時代の吉原は単なる遊郭ではなく、独自の文化や風習が息づく華やかな街でした。
吉原では年間を通じてさまざまな行事が催され、特に「玉菊燈籠」や「酉の市」などは多くの人々を魅了しました。江戸時代の吉原における代表的な年中行事を紹介します。
江戸時代・吉原の「年中行事」を紹介
江戸時代の吉原で行われた年中行事を、正月、春、夏、秋、冬の順に紹介します。
正月の行事
吉原では、正月の行事も華やかに行われました。元旦は客を迎えず、遊女や関係者だけで雑煮を食べるなどして新年を祝いました。
2日は『仕着せ日』とされ、遊女たちは楼主から贈られた新しい衣装を身にまとい、吉原内外の関係者に年始の挨拶をしました。
春・桜狩り（さくらがり）
吉原の桜は有名で、春になると仲之町の通りなどが華やかに彩られました。特に「春の桜見物（桜狩り）」は吉原の風物詩であり、遊郭内には切り取った桜の枝が持ち込まれ、座敷での花見が楽しまれました。
また、春の華やかな雰囲気に合わせ、花魁が美しい衣装をまとい姿を見せることもありました。この光景を一目見ようと、門前や仲之町には多くの見物客が集まり、春の吉原は一層の賑わいを見せました。
夏・玉菊燈籠（たまぎくどうろう）
「玉菊燈籠（たまぎくどうろう）」は、吉原を代表する夏の風物詩でした。遊郭内に色とりどりの灯籠が飾られ、幻想的な光景が広がりました。この灯籠には、遊女たちの名前や俳句などが書かれ、夏の夜を優雅に演出しました。
この行事は、亡くなった遊女たちの供養の意味もあり、儚い吉原の世界を象徴するものとされていました。訪れた客は、灯籠の美しさに酔いしれながら、遊女たちとのひとときを楽しんだといいます。
「玉菊燈籠」は才色兼備で人望の厚い遊女・玉菊に由来します。吉原の人々からも愛された玉菊は25歳の若さで亡くなりました。彼女を偲び、お盆に燈籠を飾り弔ったことが始まりとされ、この風習が「玉菊燈籠」と呼ばれるようになりました。
女性が吉原に入るには通行切手が必要でしたが、「玉菊燈籠」を見物するために女性客も訪れていたとされています。
秋・酉の市
吉原の秋を彩る重要な行事が「酉の市（とりのいち）」です。毎年11月の酉の日に行われるこの市は、浅草鷲神社（おおとりじんじゃ）で開催され、多くの人々が訪れました。
吉原では、この日に限り大門以外の門も開放され、昼見世から営業を開始する特別な日でした。遊女や商人たちが商売繁盛を願い、熊手を買い求めました。
冬・煤払い（すすはらい）
12月13日、吉原では「煤払い（すすはらい）」が行われました。この日は「正月事始め」とされ、江戸城や町屋と同様に、遊郭内でも一年の煤や汚れを落とす大掃除が行われました。
「煤払い」は単なる掃除ではなく、新年を清らかに迎えるための厄払いの意味合いも持つ重要な行事でした。吉原の建物や座敷が念入りに清掃され、遊女や関係者も新たな年への準備を整えました。
まとめ
NHK大河ドラマ「べらぼう」でも描かれる、江戸時代の吉原の年中行事を紹介しました。
他にも「べらぼう」のキャスト・登場人物・スタッフ一覧は、以下をチェックしてください。
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