2024年1月7日スタートのNHK大河ドラマ「光る君へ」
「光る君へ」の主人公・紫式部を演じるのは「吉高由里子」さんです。そして、大石静さんが脚本を担当、あらすじは以下の通りです。
平安時代(10世紀後半)に、千年の時を超える恋愛長編小説「源氏物語」を書き上げた女性・紫式部/まひろ(吉高由里子)の物語。
紫式部/まひろは藤原道長(柄本佑)への思い、そして秘めた情熱とたぐいまれな想像力で、光源氏(光る君)のストーリーを紡いでゆく。きらびやかな平安貴族の世界と、懸命に生きて書いて愛した女性の一生を描く大河ドラマ。
【第44話】「一家三后(自分の3人の娘が3代天皇の皇后)」を達成した藤原道長は、和歌「望月の歌」を詠みます。
歴史的にも有名な和歌「望月の歌」の意味と、最近の新解釈について紹介します。
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【第44話】藤原道長は「一家三后」を達成、「望月の歌」を詠む
【第44話】藤原道長(柄本佑)は、自分の3人の娘が天皇の皇后となる「一家三后」を達成します。「一家三后」の詳細は以下でまとめています。
道長は後一条天皇の中宮となった藤原威子の祝いの宴席で、有名な和歌「望月の歌」を詠みます。
以下より、藤原道長はの「望月の歌」について、以下より分かりやすく簡単に紹介します。
「望月の歌」一般的な解釈
藤原道長の有名な和歌「望月の歌」は以下の内容です。
この世をば わが世とぞ思ふ 望月の
欠けたることも なしと思へば
一般的な現代語訳としては、「この世は自分(藤原道長)のためにあるようなものだ。私の力は望月(満月)のように何も欠けているものはない」となります。
この解釈では、藤原道長の強い自信と、当時の彼の絶大な権力を反映しているとされています。道長が摂関政治の最盛期を築き、「一家三后」を実現した直後に詠まれたことから、その栄華を象徴する歌として捉えられています。
また、道長がこの歌を詠んだ際、藤原実資に返歌を求めました。しかし、実資は「御歌優美なり」と称賛しつつも「皆でこの歌を吟詠するしかありません」と返答しました。
実資は、道長の歌があまりにも優れており、自身が返歌するのは畏れ多いと感じたため、あえて返歌を控えたとされています。(返歌しなかった理由もさまざまな解釈あり)
この「望月の歌」の一般的な解釈は、藤原道長を傲慢で自信家な人物として描いており、最近では必ずしも歴史的な文脈や道長の人物像を十分に反映していない可能性があることも指摘されています。
以下より、最近の「望月の歌」の新解釈について紹介していきます。
最近の「望月の歌」の新解釈
藤原道長の「望月の歌」は、近年では「望月の歌」を権勢の象徴としてだけではなく、家族や人間関係への思いを込めたものとする新解釈が増えています。新解釈のポイントは以下の通りです。
詠まれた日の月齢に着目
この歌が詠まれたのは1018年(寛仁2年)10月16日で、暦の上では満月(望月)は15日です。16日の月は「十六夜(いざよい)」と呼ばれ、満月よりわずかに欠けています。
このため、道長が「望月」と表現したのは、実際の月ではなく別の象徴を指している可能性があると考えられます。
「望月」の比喩的解釈
「望月」は単に満月を指すだけでなく、道長の娘たちが天皇3代の皇后となったことを象徴していると考えられます。
「この世」の掛詞(かけことば)としての解釈
歌の冒頭「この世をば」は、「この世(現世)」と「この夜(今夜)」の掛詞と捉えられます。これにより、「今夜のこの場を心ゆくまで楽しんでいる」という意味合いが含まれていると解釈できます。
「月」と「盃」の掛詞としての解釈
「月」は「盃(さかずき)」の意味も持ち、宴席で盃が回る様子を月の満ち欠けに例えている可能性があります。この解釈では、道長は宴席での和やかな雰囲気や人々との結束を詠んだと考えられます。
これらの新解釈にもとづくと、以下のような現代語訳になります。
今夜のこの場を心ゆくまで楽しんでいる。空の月は少し欠けているが、3人の后となった娘たち、皆と交わした盃は、欠けていないのだから
これらの新解釈は、「望月の歌」は単なる権勢の誇示ではなく、家族の繁栄や宴席での喜び、そして人々との結束を表現したものと捉えられます。
まとめ
NHK大河ドラマ「光る君へ」一家三后を達成した藤原道長は「望月の歌」を詠みます。
有名な和歌「望月の歌」の意味、最近の新解釈での現代語訳を紹介しました。
他にも「光る君へ」のキャスト・登場人物・スタッフ一覧は、以下をチェックしてください。
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