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「ブギウギ」敵性歌手・音楽とは?戦時中はジャズ、付けまつ毛、パフォーマンス禁止

「ブギウギ」敵性歌手・音楽とは?戦時中はジャズ、付けまつ毛、パフォーマンス禁止

2023年10月2日放送スタートの、第109作となるNHK連続テレビ小説「ブギウギ」

ヒロイン・福来スズ子(花田鈴子)は、「趣里(しゅり)」さんが演じます。「ブギウギ」のあらすじは、以下の通りです。

大正の終わり、大阪・下町の小さな銭湯の看板娘・花田鈴子は、歌って踊るのが大好きな天真爛漫な女の子。鈴子は「歌と踊りでみんなを笑顔にしたい」と、道頓堀に新しくできた歌劇団に入団。生まれ故郷・香川への思い、大阪の華やかなステージ、そして夢を追いかけ東京へ・・・“ブギの女王”と呼ばれる戦後の大スター歌手となっていくヒロインの物語。

 

1937年(昭和12年)に始まった日中戦争の影響により、1940年(昭和15年)頃から当局(警察など)による芸能界への締め付けが一層厳しくなります。

スズ子のモデル「笠置シヅ子」さんは戦時中、当局から「敵性歌手」として睨まれる存在となります。

「ブギウギ」でもスズ子は、戦時中にパフォーマンスが制限されていくエピソードが描かれます。「笠置シヅ子」さんの史実を基に、制限されたパフォーマンスなどを紹介します。

 

敵性歌手・敵性音楽とは?笠置シヅ子の史実から紹介

「ブギウギ」敵性歌手・敵性音楽とは?笠置シヅ子の史実を紹介

1937年(昭和12年)に始まった日中戦争の影響、そして1941(昭和16年)年に始まったアメリカとの「太平洋戦争」により、さまざまな取り締まりが強化されていきます。

ジャズという敵国の音楽を歌う笠置シヅ子さんは、「敵性歌手」として当局(警察など)からマークされます。

戦時中に当局から「敵性歌手」として酷く締め付けがあったのは「笠置シヅ子」さんと、ハワイ生まれの歌手「灰田勝彦」さんでした。

 

スズ子(趣里)のモデル「笠置シヅ子」さんは、戦争中に以下のことなどを禁止されました。

  • ジャズ禁止
  • 派手なパフォーマンス禁止
  • つけまつ毛禁止

 

ジャズ禁止

1943年(昭和18年)1月、ジャズなどの米英音楽は「敵性音楽」とみなされ、内務省と情報局から、歌唱することはもちろん、レコードの演奏や発売禁止が通達されます。

朝ドラ「カムカムエヴリバディ」でも、ジャズが敵性音楽として流せなくなる描写がありました。

「カムカムエヴリバディ」ではジャズが重要なモチーフになっており、初代ヒロイン・安子(上白石萌音)は娘・雉真るい(深津絵里)に「るい」という名前を付けます。名前はジャズの巨匠・ルイ・アームストロングが由来でした。

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「カムカムエヴリバディ」雉真るい(深津絵里)名前の由来はルイ・アームストロングNHK朝ドラ「カムカムエヴリバディ」の初代ヒロイン・安子(上白石萌音)の娘・雉真るい(深津絵里)に「るい」という名前が付いたのはジャズの巨匠・ルイ・アームストロングが由来となっています。3代目ヒロイン・ひなた(川栄李奈)」の名前はルイ・アームストロングが歌う「On the Sunny Side of the Street」が由来です。...

 

派手なパフォーマンス禁止

派手なパフォーマンスをしてジャズを歌う「笠置シヅ子」さんは、「敵性歌手」として当局からマークされます。

そして、舞台で歌う時は「マイクの前、 三尺四方(さんじゃくしほう)からはみ出してはならない」と命令されます。

一尺は「30.3センチメートル」です。三尺は約90センチとなり、四方が90センチで囲まれると、「三尺四方」はおよそ畳半分程度になります。

舞台を踊りながら歌う笠置シヅ子さんの「ダンス」はトレードマークの一つであり、戦時中は魅力の一つを封印されることになります。

 

つけまつ毛禁止

服部良一さんの自伝によると、警察に引っ張られた笠置シヅ子さんは「付けまつ毛が長いゆうて、それ取らな、以後歌っちゃあかんと言いよりますのや」と泣き出しそうに話したそうです。

「笠置シヅ子」さんの長いつけまつ毛は、「ダンス」と同様にトレードマークの一つです。戦時中は「つけまつ毛」や派手な化粧も禁止されることになります。

服部良一さんは、ブギウギでは役名「羽鳥善一(草彅剛)」として登場してます。

参考文献:「ブギの女王・笠置シヅ子 心ズキズキワクワクああしんど」

 

※「ブギウギ」は実話をエピソードにしている場合もありますが、フィクションとして制作されたオリジナル作品です。

 

「ブギウギ」第9週からスズ子の戦時中の苦悩が描かれる

「ブギウギ」では戦時中にパフォーマンスを制限されるスズ子の苦悩は、第9週から描かれます。以下、「ブギウギ」のあらすじです。

【第41話】(2023/11/20)

スズ子(趣里)と梅吉(柳葉敏郎)が東京で一緒に暮らし始めて1年、梅吉は何をするわけでもなく酒を飲むだけの毎日を過ごしていた。一方、梅丸楽劇団は変わらざるを得なくなっていた。日中戦争が始まって3年、贅沢を禁止する法律が施行され、楽団は警察の指導のもと、派手な演目や演出、演奏を全て取りやめることとなる。スズ子も歌い方が軽薄だと言われ、三尺四方の枠の中から動かずに歌うようにと指示されてしまう。

出典:NHK番組表

 

第9週のサブタイトルは「カカシみたいなワテ」です。「マイクの前、 三尺四方で歌う」というパフォーマンスを制限されたスズ子の思いが込められているかと思います。

他にもスズ子が所属する「梅丸楽劇団(UGD)」の楽器の呼び方も、「敵性語」から「和名」に変更されるエピソードもあります。

ドラマ内で禁止された楽器の「英語」と、呼び方を変えられた「和名」は、以下でまとめています。

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そして、戦時体制が逼迫してくると劇場の客足は遠のき、ついにUGDは解散することになります。

その後、スズ子は自ら「福来スズ子とその楽団」を結成して、戦時中も歌手活動を続けていきます。

楽団のメンバーと演じる役者、スズ子のモデル「笠置シヅ子」さんが結成した「笠置シヅ子とその楽団」の史実は以下でまとめています。

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まとめ

NHK朝ドラ「ブギウギ」スズ子のモデル「笠置シヅ子」さんは戦時中、当局から「敵性歌手」として睨まれる存在となります。

「ブギウギ」でもスズ子は、戦時中にパフォーマンスが制限されていくエピソードが描かれます。

他にも「ブギウギ」の登場人物・キャスト一覧は、以下をチェックしてください。

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