「ブラッサム」岩国から東京まで汽車で30時間|1916年・大正時代の交通事情
朝ドラ「ブラッサム」【第20話】では、1916年(大正5年)、葉野珠(石橋静河)が故郷・岩国を離れ、上京しました。
その際、ナレーションでは岩国から東京まで「30時間」かかったことが語られています。
現在なら新幹線を使って約5時間で移動できる距離。大正時代の人々は、どのような経路で東京へ向かったのでしょうか?
「ブラッサム」の舞台となる1916年(大正5年)の鉄道事情から、開業して間もない東京駅や、当時の岩国~東京の行き方・所要時間を解説します。
「ブラッサム」1916年(大正5年)珠が岩国から東京へ
朝ドラ「ブラッサム」【第20話】では、1916年(大正5年)、珠が故郷・岩国を離れ、いとこの木村保(金子大地)がいる東京へ向かいます。
ナレーションによると、岩国から東京までは30時間の長旅でした。
時代は大正。現在のような新幹線はなく、長距離の移動には蒸気機関車が引く汽車が使われていました。
1916年には東京駅が開業していた|それまでの玄関口は新橋駅
珠が上京した1916年(大正5年)には、すでに東京駅が開業していました。
東京駅の開業は、1914年(大正3年)12月20日。珠の上京は、開業から2年もたたない時期にあたります。
それまで、東海道本線の長距離列車が発着していたのは新橋駅。1912年(明治45年)に新橋~下関間で運転を始めた特別急行列車(特急)も、東京駅の開業後は東京~下関間を走るようになりました。
1916年の岩国から東京への行き方|山陽本線・東海道本線を利用
1916年(大正5年)には、すでに岩国から東京まで鉄道で移動できるようになっていました。岩国に鉄道が開通したのは1897年(明治30年)です。
岩国から山陽本線を東へ進み、神戸から東海道本線で東京へ向かうルートで、主な経由地は以下の通りです。
| 区間 | 主な経由地 |
|---|---|
| 山陽本線 | 岩国 → 広島 → 岡山 → 姫路 → 神戸 |
| 東海道本線 | 神戸 → 大阪 → 京都 → 名古屋 → 東京 |
※上記は1916年当時の鉄道路線をもとにした代表的な経路です。
長距離の直通列車も走っていましたが、利用する列車によっては、途中駅での乗り換えや待ち時間が発生したと考えられます。
1916年の岩国から東京まで30時間近く|特急でも丸1日近くかかった時代
大正時代の岩国~東京は、特急でも丸1日近く、普通列車なら30時間近くかかる長旅だったと考えられます。
国立国会図書館の資料「鉄道が変えたコト・モノ」によると、1912年(明治45年)に運転が始まった特急の所要時間は、以下の通りです。
| 区間 | 当時の所要時間 |
|---|---|
| 新橋~神戸 | 約13時間 |
| 新橋~下関 | 約25時間 |
もっとも速い特急でも、東京から神戸まで半日以上。岩国は下関より東京寄りとはいえ、特急でも丸1日近くかかる距離でした。
普通列車なら、停車駅が多いうえに、乗り換えや待ち時間も加わります。ナレーションの通り、東京に着くまで30時間近くかかったとしても不思議ではありません。
現在のように気軽に行き来できる時代ではなく、珠にとって上京は大きな旅だったといえます。
【出典・参考資料】
まとめ
「ブラッサム」【第20話】では、1916年(大正5年)、珠が岩国から東京へ30時間かけて上京しました。
当時はすでに東京駅が開業しており、山陽本線と東海道本線で岩国から東京まで鉄道で移動できました。それでも特急で丸1日近く、普通列車なら30時間近くかかる時代でした。
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