「ブラッサム」第2週から、石橋静河(いしばし・しずか)さん演じるヒロイン・葉野珠(はの・たま)が通う学校として「山口第二高等女学校」が登場します。

この学校のモデルと考えられるのが、珠の実在モデル・宇野千代(うの・ちよ)が実際に通った「玖珂郡立岩国高等女学校」です。

岩国高等女学校は、現在の「山口県立岩国高等学校」の前身の一つにあたります。

「ブラッサム」の山口第二高等女学校のモデルについて、宇野千代の女学校時代や、現在の岩国高校とのつながりとあわせて解説します。

 

「ブラッサム」山口第二高等女学校とは?葉野珠が通う女学校

「ブラッサム」山口第二高等女学校とは?葉野珠が通う女学校

朝ドラ「ブラッサム」で、成長した葉野珠(石橋静河)が通うのが「山口第二高等女学校」です。

第2週では、珠が角田忍(木竜麻生)、森岡稲子(華優希)、橋本タエ(中井千聖)ら同級生と女学校生活を送る姿が描かれます。

文学が好きな珠は、友人たちとの交流を通して、自分で文章を書くことへの思いを強くしていくことになりそうです。

なお、「山口第二高等女学校」はドラマ上の学校名で、実在した学校の名称ではありません。

 

山口第二高等女学校のモデルは「玖珂郡立岩国高等女学校」

山口第二高等女学校のモデルは「玖珂郡立岩国高等女学校」

「ブラッサム」の山口第二高等女学校のモデルと考えられるのが、実在した「玖珂郡立岩国高等女学校(くがぐんりつ いわくにこうとうじょがっこう)」です。玖珂郡は、現在の山口県岩国市周辺にあたる地域です。

ヒロイン・葉野珠のモデルである宇野千代が実際に通った女学校であり、ドラマと同じ岩国にあったことから、岩国高等女学校をモチーフにした学校と考えられます。

岩国高等女学校の成り立ちと、宇野千代がそこで過ごした4年間は次のとおりです。

 

高等女学校とは?岩国高等女学校は1902年に創立

高等女学校は、戦前の学校制度で、小学校を卒業した女子が中等教育を受けるために設けられた学校です。

当時の小学校(尋常小学校)は6年制で、高等女学校には12歳前後で入学し、多くは4年間通いました。年齢でいえば、今の中学1年生から高校1年生にあたる時期です。

岩国高等女学校の歴史は、1902年(明治35年)に創立された女学校から始まります。宇野千代が進学した当時の名称は「玖珂郡立岩国高等女学校」でした。

 

宇野千代は1910年に入学・1914年に卒業

宇野千代は、1910年(明治43年)に岩国尋常小学校を全甲(今でいうオール5)の成績で卒業し、同年4月、今でいえば中学1年生にあたる12歳のときに、玖珂郡立岩国高等女学校へ進学しました。

当時、高等女学校へ進む女子はごく一部です。高等女学校への女子の進学率は、制度が整った明治30年代の当初は5%にも満たず、大正末の1925年(大正14年)でも15%近くでした。

さらに、その先の女子高等師範学校などへ進む女子は1%にも満たなかったため、高等女学校は当時の女子にとって事実上の最終学歴でした。宇野千代は、そうした限られた女子の一人として女学校へ進んでいます。

女学校でも成績は優秀で、全15教科の平均点は92点だったと伝わっています。この頃に書いた作文にも、のちの作家としての文才が表れていました。

1914年(大正3年)、16歳のときに岩国高等女学校を卒業。卒業後は、小学校の代用教員(教員免許を持たずに、臨時で教壇に立つ教員)として働き始めます。

宇野千代が作家になるまでの生涯や結婚歴については、以下の記事で詳しく解説しています。

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宇野千代が通った校舎は現在の岩国高校とは別

宇野千代が在学していた1910年から1914年当時、女学校は横山(現在の岩国市横山)にあった校舎を使っていました。

岩国高等女学校が岩国町川西(現在の岩国市川西)の新しい校舎へ移ったのは、宇野千代が卒業した翌年の1915年(大正4年)です。

その川西の校舎も、戦後に新しい統合校舎へ移った際に役目を終えています。

そのため、宇野千代が現在の岩国高校の校舎に通っていたわけではありません。現在の学校へと続く歴史は同じですが、宇野千代が学んだ当時とは校舎の場所も建物も異なります。

 

岩国高等女学校の現在は「山口県立岩国高等学校」

岩国高等女学校は、その後「山口県立岩国高等女学校」となり、戦後の学制改革を経て、1949年(昭和24年)に旧制岩国中学校の流れをくむ学校と統合されました。

その歴史を受け継いでいるのが、現在の「山口県立岩国高等学校」です。統合後はしばらく横山と川西の2つの校舎を使っていましたが、1966年(昭和41年)から1967年(昭和42年)にかけて、新しく建てられた統合校舎へ移りました。

住所:〒741-0082 山口県岩国市川西4丁目6-1

外部サイト:山口県立岩国高等学校

「ブラッサム」の岩国ロケ地や、宇野千代の生家などゆかりの場所については、以下の記事でまとめています。

「ブラッサム」山口・岩国ロケ地まとめ|錦帯橋・SLやまぐち号と宇野千代ゆかりの地
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出典:山口県立岩国高等学校「岩高のあゆみ」
出典:おいでませ山口へ「作家・宇野千代とは?」

 

まとめ

「ブラッサム」で葉野珠が通う「山口第二高等女学校」のモデルと考えられるのが、宇野千代が実際に通った「玖珂郡立岩国高等女学校」です。

宇野千代は1910年(明治43年)に12歳で入学し、1914年(大正3年)に16歳で卒業しました。現在の「山口県立岩国高等学校」は、岩国高等女学校の歴史を受け継ぐ学校ですが、宇野千代が在学していた当時とは校舎の場所が異なります。

女学校時代から作文で文才を見せていた宇野千代。ドラマでも、山口第二高等女学校で過ごす日々が、珠が作家への道を歩み始める大切な時期として描かれそうです。

他にも「ブラッサム」のキャスト・スタッフ一覧は、以下でまとめています。

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大森拓也
放送作家、物書き、フリーライター歴20年以上です。放送作家としての仕事については、以下のブログに記載しています。
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