NHK連続テレビ小説「風、薫る」のダブルヒロインは、「見上愛」さんと「上坂樹里」さんです。ドラマのあらすじは、以下の通りです。

明治18年、日本初の看護婦養成所が誕生した時代。シングルマザーの一ノ瀬りん(見上愛)と、教会で育った大家直美(上坂樹里)は運命に導かれ同じ養成所へ入所する。

正反対のふたりは「看護とは何か」を問いながらぶつかり合い成長し、やがて最強のバディとして新たな時代を切り拓いていく。

 

劇中でりんや直美の人生に深く関わる人物として登場するのが、舶来品の店「瑞穂屋(みずほや)」を営む「清水卯三郎(しみず・うさぶろう)」です。演じるのは歌舞伎役者の「坂東彌十郎(ばんどう・やじゅうろう)」さんです。

清水卯三郎は架空の人物ではなく、実在した同名の幕末から明治の実業家がモデルです。清水卯三郎の史実と生涯、そして坂東彌十郎さんのプロフィールを紹介します。

 

朝ドラ「風、薫る」清水卯三郎・瑞穂屋とは?

朝ドラ「風、薫る」清水卯三郎・瑞穂屋とは?

日本橋で舶来品や洋書などを幅広く取り扱う「瑞穂屋」の主人が清水卯三郎です。

仕事を探して途方に暮れていたりんに声をかけ、その後もりんや直美と深い関わりをもつようになります。

 

「瑞穂屋」のモデルは浅草の実在店舗、モデルは「清水卯三郎」生涯と史実

「瑞穂屋」のモデルは浅草の実在店舗、モデルは「清水卯三郎」生涯と史実

ドラマに登場する「瑞穂屋」と清水卯三郎は、実在の店舗と人物をもとにした設定です。

史実の清水卯三郎も「瑞穂屋卯三郎(みずほや・うさぶろう)」と呼ばれた幕末から明治の実業家で、貿易・出版・言論活動など多方面にわたって活躍した人物です。

 

清水卯三郎の生い立ちと語学習得

清水卯三郎は文政12年3月4日(1829年4月7日)、武蔵国埼玉郡羽生村(現在の埼玉県羽生市)で酒造業を営む清水家の三男として生まれました。母は豪農・根岸友山の妹にあたります。

漢学を学んだ後、箕作秋坪(みつくり しゅうへい)に蘭学を学びます。1849年(嘉永2年)に江戸へ出て、佐倉の蘭方医・佐藤泰然のもとでオランダ語のABCを教わりました。

1859年(安政6年)には横浜で親戚の異人相手の商店を手伝いながら英語の必要性に気づき、独学で習得。1860年(万延元年)には自著の英語学習書『ゑんぎりしことば』を刊行するほどの語学力を身につけていました。

また、1854年(嘉永7年)には、筒井政憲の供人として下田でロシア全権大使プチャーチンに会っています。臆することなく声をかけて返答を得たことで、外国では身分の区別なく言葉を交わせることに感激したと伝えられています。

 

薩英戦争での活躍

1863年(文久3年)の薩英戦争では、幕府の許可を得てイギリスの軍艦に同乗し、英国側の通訳として和平交渉に尽力しました。

英国艦船に拘束されていた薩摩藩の五代才助(後の五代友厚)と松木弘安を保護し、実家や親戚宅に匿ったというエピソードも残っています。

 

パリ万国博覧会への参加

箕作秋坪の勧めもあり、1867年(慶応3年)のパリ万国博覧会に日本人商人として唯一参加・出品しました。渋沢栄一も随行した幕府使節団とともに渡欧しています。

パリ万博では檜造りの茶店を設け、3人の芸者に給仕や芸をさせて大きな人気を集め、ナポレオン3世から銀メダルを授与されました。万博後はアメリカを経由して帰国し、その見聞が後の事業の礎となります。

 

瑞穂屋の創業と清水卯三郎の貿易事業

1868年(慶応4年)の帰国後、浅草に「瑞穂屋」を開店。洋書の輸入を皮切りに貿易商として活躍し、翌年には日本橋に店を移転しました。

舶来品の輸入にとどまらず、印刷機を輸入して出版業も始め、海外事情を紹介する『六合新聞(りくごうしんぶん)』を刊行。歯科材料の輸入販売でも活躍し、『歯科全書』などの出版も手がけました。

 

博覧会開催の建白と清水卯三郎の先見性

明治5年には『博覧会ヲ開ク之議』という建白書を政府に提出し、博覧会の開催によって日本が西洋の技術を学び、自ら製品を生み出せる国になるべきだと提唱しました。政府も「博覧会を開くの見込み、実に見事なり」と評価し、後の第一回内国勧業博覧会につながったとされています。

 

ひらがな普及運動

仮名文字論者としても知られ、ひらがなの普及が国民全体の知識や教養の向上に役立つと主張しました。賛同した学者たちと「かなのとも」という会を立ち上げ、機関誌『かなのみちびき』を創刊しています。

 

晩年と死去

清水卯三郎は1910年(明治43年)1月20日に死去。享年82歳。貿易・出版・言論・医療とあらゆる分野で日本の近代化を支えた、文明開化期を代表する実業家でした。

 

歌舞伎役者「坂東彌十郎」のプロフィール|朝ドラ初出演

「瑞穂屋」の主人・清水卯三郎を演じるのは、歌舞伎界の大ベテラン「坂東彌十郎(ばんどう・やじゅうろう)」さんです。

生年月日 1956年5月10日
出身地 東京
趣味 演劇鑑賞・旅行・トレッキング

往年の銀幕スター・初代坂東好太郎の三男。1973年、歌舞伎座『奴道成寺』で初舞台を踏み、1978年に名題昇進。三代目市川猿之助の門下で15年間研鑽を積み、立役・敵役・老役まで幅広い役柄をこなす実力派として活躍。

2014年には長男・坂東新悟との自主公演「やごの会」を立ち上げ、ヨーロッパ公演も成功させました。

NHKでは2022年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」北条時政役で幅広い視聴者に知られており、朝ドラへの出演は「風、薫る」が初めてです。

 

まとめ

「風、薫る」の坂東彌十郎さんが演じる「清水卯三郎」は、実在した幕末から明治の実業家・清水卯三郎をモデルにした人物です。

語学力と行動力で薩英戦争の和平交渉に関わり、パリ万博にも日本人商人として参加。帰国後は浅草に「瑞穂屋」を創業し、貿易・出版・歯科材料など多方面で日本の近代化を支えました。

他にも「風、薫る」のキャスト・スタッフ一覧は、以下の記事でまとめています。

「風、薫る」キャスト&相関図まとめ、俳優・子役・スタッフ一覧
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大森拓也
放送作家、物書き、フリーライター歴20年以上です。放送作家としての仕事については、以下のブログに記載しています。
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