2025年後期放送のNHK連続テレビ小説「ばけばけ」のヒロイン・松野トキは、「髙石あかり」さんが演じます。ドラマのあらすじは、以下の通りです。

日本の怪談を世界に伝えた作家「小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)」と、その妻「小泉セツ」をモデルにしたオリジナル作品。

舞台は明治時代の松江。没落士族の娘・松野トキ(髙石あかり)は、外国人教師・ヘブン(トミー・バストウ)と出会い、心を通わせていく。

言葉も文化も異なるふたりは、怪談に込められた人々の想いを通じて、互いを支え合いながら、目には見えない“人の情”に寄り添って生きていく。

 

「ばけばけ」【第91話】では、ヘブンはトキに熊本行きを突然提案します。

ヘブンの熊本行きは史実をもとにした展開ですが、ドラマと史実では移住の理由に違いがあります。

 

「ばけばけ」トキとヘブンは熊本へ移住

「ばけばけ」トキとヘブンは熊本へ移住

「ばけばけ」【第91話】、ヘブンはトキに熊本行きを提案します。以下、あらすじです。

「ばけばけ」【第91話】あらすじ

「クマモト、ドウデスカ。」ある日、トキ(髙石あかり)はヘブン(トミー・バストウ)から問いかけられる。さらに「マツエ、ハナレマショウ」と続けるヘブンに理解が追いつかないトキは、ヘブンから逃げ回る。数日後、トキはヘブンに対して静かな怒りを発していた。その様子から夫婦げんかと察した司之介(岡部たかし)とフミ(池脇千鶴)は、2人の姿にほほえましさを覚える。そんな中、ヘブンは突然、熊本に行くことを提案する。

出典:NHK番組表

 

「ばけばけ」では、トキがラシャメン扱いを受けたため、ヘブンが松江を離れて熊本へ行くことを提案します。愛する妻を守るため、新天地での再出発を決断するヘブンの姿が描かれています。

明治時代、外国人男性と関わる女性は「ラシャメン(洋妾)」と呼ばれて差別の対象となりました。詳細は以下の記事で解説しています。

ラシャメン(洋妾)の差別とは?「ばけばけ」トキはヘブンの女中に【史実解説】
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小泉八雲の熊本移住は史実|松江を離れた本当の理由

小泉八雲の熊本移住は史実|松江を離れた本当の理由

小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)と小泉セツが熊本へ移ったのは、1891年11月のことです。松江での暮らしはわずか1年4か月ほどでしたが、八雲にとって熊本移住は単なる転居ではなく、キャリア上の大きな転機となりました。

 

第五高等中学校からの招聘がきっかけ

八雲が熊本へ移った大きな理由の一つは、第五高等中学校(現在の熊本大学)から英語教師としての招聘を受けたためです。

松江では島根県尋常中学校と師範学校で英語を教えていましたが、給料は月給約100円でした。一方、第五高等中学校からのオファーは月給約150円と大幅な昇給となり、経済的な安定を得られる好条件でした。

関連記事:ヘブン100円の月給など明治初期のお金の価値を比較

 

また、第五高等中学校は当時、全国に5つしかなかった官立の高等教育機関の一つで、より高いレベルの教育に携わる機会でもありました。八雲は教育者としてのステップアップを目指し、熊本行きを決断しました。

松江の湿潤な気候は八雲にとって必ずしも快適とは言えず、転居を後押しした可能性も指摘されていますが、移住の主な理由は、第五高等中学校からの招聘と待遇の改善にあったと考えられています。

 

熊本での生活と教師としての日々

熊本では、八雲は第五高等中学校で英語と英文学を教えました。授業では英文学の原書を読ませ、西洋の思想や文化を学生たちに伝えることに情熱を注ぎました。

熊本時代の八雲は、松江時代に引き続き日本の民話や怪談の収集を続けました。妻のセツから聞いた話も創作の重要な源となり、執筆活動にも励んでいます。

1894年に出版された「知られぬ日本の面影」は、松江での体験を中心としながら、日本での生活から得た観察をまとめた作品です。

しかし、熊本での生活は必ずしも順風満帆ではありませんでした。第五高等中学校は厳格な校風で知られ、自由な雰囲気だった松江とは対照的でした。また、同僚教師や学校側との関係に悩む場面もあったと伝えられています。

「知られぬ日本の面影」は、「ばけばけ」の劇中では「日本滞在記」として登場しています。小泉八雲の著書「知られぬ日本の面影」については、以下の記事で解説しています。

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熊本から神戸へ、そして東京へ

八雲は1894年10月、熊本を離れて神戸市へ移ります。神戸では英字新聞『神戸クロニクル』の記者として働き始めました。

教師生活に限界を感じた八雲は、再びジャーナリズムの世界に戻る道を選びます。その後、1896年に日本へ帰化して「小泉八雲」と名乗り、のちに東京帝国大学の講師に就任しました。

こうして小泉八雲は、日本研究者・文学者としての地位を確立していくことになります。

ラフカディオ・ハーンが日本国籍を取得した経緯、小泉八雲の名前の由来については、以下の記事で解説しています。

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まとめ

朝ドラ「ばけばけ」でヘブンがトキに提案した熊本行きは、史実に基づいたエピソードです。

「ばけばけ」では、トキがラシャメン扱いを受けたため、ヘブンが松江を離れて熊本へ行くことを提案しました。

ただし、史実では小泉八雲が熊本へ移住したのは、第五高等中学校からの正式な招聘によるもので、給料アップと教育者としてのキャリアアップが主な理由とされています。

他にも「ばけばけ」のキャスト・スタッフ一覧は、以下でまとめています。

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大森拓也
放送作家、物書き、フリーライター歴20年以上です。放送作家としての仕事については、以下のブログに記載しています。
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