2025年後期放送のNHK連続テレビ小説「ばけばけ」のヒロイン・松野トキは、「髙石あかり」さんが演じます。ドラマのあらすじは、以下の通りです。
外国人教師「小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)」と、その妻「セツ」をモデルにしたオリジナル作品。
舞台は明治時代の松江。没落士族の娘・松野トキ(髙石あかり)は、怪談を愛する外国人教師・ヘブン(トミー・バストウ)と出会い、心を通わせていく。
言葉も文化も異なるふたりは、怪談に込められた人々の想いを通じて、互いを支え合いながら、目には見えない“人の情”に寄り添って生きていく。
「ばけばけ」第5週では、外国人教師・ヘブンと士族の娘・松野トキとの出会いが描かれます。
劇中では「ラシャメン(洋妾)」という言葉が登場し、当時の社会背景や差別的な価値観が垣間見える重要な場面となっています。
「ばけばけ」第28話|トキは錦織からヘブンの女中(洋妾)を依頼される

「ばけばけ」では「花田旅館」に滞在していたヘブン(演:トミー・バストウ)が、旅館の女中・ウメ(野内まる)の目の腫れに気づいたことをきっかけに態度を一変させます。
旅館の主人・花田平太(演:生瀬勝久)との衝突を経て、旅館を出て自分の生活を始めたいと考えるヘブン。そのための女中探しを任された錦織(演:吉沢亮)は、「武家の娘」という条件に合うトキ(演:髙石あかり)を見つけ、仕事を依頼します。
しかし、高額報酬で外国人の世話をする女中という役目に対し、「ラシャメン(洋妾)になるのでは」と疑念を抱いたトキは…
洋妾(ラシャメン)とは?明治時代に差別の対象とされた理由

明治時代、外国人男性と関わる女性は「ラシャメン(洋妾)」と呼ばれて差別の対象となりました。「ラシャ」(羅紗)と呼ばれる洋装をした女性を指し、特に遊女的な意味合いを含む蔑称として使われました。
幕末から明治初期にかけて、外国人が日本に来日する際には、遊郭内での接待が中心とされていました。当時、外国人との国際結婚は制度上可能な場合もありましたが、社会的には認められにくく、強い偏見が根強く存在していました。
このような背景から、外国人と関係を持つ日本人女性は、たとえ私的な交際や結婚であっても「遊女」とみなされる風潮が広がっていました。
実際、一般の女性が外国人の家に住み込みで働くこと自体が、「ラシャメン」扱いされる恐れがあり、家族や周囲の理解を得るのは難しい時代でした。
【史実解説】セツは小泉八雲の女中となる|士族の娘から外国人作家の妻へ
「ばけばけ」の登場人物ヘブンのモデルは、怪談文学で知られる作家・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)です。
その妻・小泉セツとの出会いは、八雲が島根で外国人教師として勤務していた時期に始まります。セツは八雲のもとで、住み込みの女中として働くことになりました。
当時の外国人教師の報酬は非常に高額で、八雲も月額200円を得ていたとされます。東京帝国大学の講師でも月給400円という時代において、地方では破格の待遇でした。
誠実で温かい人柄のセツは、やがて八雲の信頼を得て、生活のパートナーとして欠かせない存在となっていきました。
その後、ふたりは結婚し、セツは八雲の妻となります。当時の日本社会では、外国人男性と日本人女性との関係に偏見の目が向けられることもありましたが、セツはそうした立場にありながらも、八雲と共に人生を歩み、日本の民話や怪談文化を支える存在となっていきます。

朝ドラ「ばけばけ」で髙石あかりさんが演じるヒロイン・トキの実在モデル「小泉セツ」の生涯、史実については以下の記事で解説してます。
まとめ

朝ドラ「ばけばけ」では、「ラシャメン(洋妾)」という言葉を通じて、明治時代の社会背景や差別的な価値観が浮き彫りになる重要な場面が描かれました。
他にも「ばけばけ」のキャスト・スタッフ一覧は、以下でまとめています。

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