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「ばけばけ」ヘブンのモデル小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)とは?経歴・代表作・史実を解説

「ばけばけ」ヘブンのモデル小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)とは?経歴・代表作・史実を解説

2025年後期放送のNHK連続テレビ小説「ばけばけ」のヒロイン・松野トキは、「髙石あかり」さんが演じます。ドラマのあらすじは、以下の通りです。

外国人教師「小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)」と、その妻「セツ」をモデルにしたオリジナル作品。

舞台は明治時代の松江。没落士族の娘・松野トキ(髙石あかり)は、怪談を愛する外国人教師・ヘブン(トミー・バストウ)と出会い、心を通わせていく。

言葉も文化も異なるふたりは、怪談に込められた人々の想いを通じて、互いを支え合いながら、目には見えない“人の情”に寄り添って生きていく。

 

朝ドラ「ばけばけ」のヒロイン・松野トキの夫が英国から来日した新聞記者「レフカダ・ヘブン(演:トミー・バストウ)」です。

レフカダ・ヘブンの実在モデルが、日本の文化と怪談の魅力を世界に伝えた作家「小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)」です。

 

「ばけばけ」レフカダ・ヘブンとは?新聞記者として来日、そして英語教師に

朝ドラ「ばけばけ」に登場するのは、英国から来日した新聞記者レフカダ・ヘブン(演:トミー・バストウ)です。

ヘブンは取材のため日本を訪れますが、縁あって松江の学校で英語教師を務めることになり、錦織友一(吉沢亮)らの支援を受けながら日本の暮らしに馴染んでいきます。そして、ヘブンのもとで女中として働いていたトキとも交流を深め、やがて結婚します。

レフカダ・ヘブンの実在モデルが「小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)」です。

 

小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の生涯と史実まとめ|作家として日本で活躍

小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の生涯と史実まとめ|作家として日本で活躍

小泉八雲(こいずみ・やくも、1850年 – 1904年)は、アイルランド系・ギリシャ系の出自を持つ新聞記者・作家です。

本名は「ラフカディオ・ハーン」ですが、後に帰化し「小泉八雲」と名乗ります。小泉八雲は日本の怪談「耳なし芳一」「雪女」「ろくろ首」など口承説話を採録・翻訳し、明治日本の文化や日常を欧米に伝えました。

 

小泉八雲の幼少期と出身地|ギリシャ生まれ・アイルランド育ちの背景

小泉八雲は1850年6月27日、当時イギリス保護領だったギリシャのレフカダ島で生まれました。

父はイギリス軍医でアングロ・アイリッシュ系、母はギリシャ人です。ハーンは2歳で父の実家があるアイルランドのダブリンに移り住みますが、母は馴染めずギリシャへ帰国。両親はハーンが6歳のときに離婚しました

ハーンは裕福な大叔母に引き取られ英国の学校で教育を受けますが、遊びの事故で左目を失明、さらに17歳のとき大叔母が破産して学業を断念せざるを得ませんでした。

厳格なカトリック教育への反発からケルト神話や土着信仰に興味を抱き、後の怪談や民話への関心につながります。

 

アメリカ時代の小泉八雲|新聞記者としての経歴と執筆活動

経済的な苦境からハーンは19歳で単身アメリカへ渡り、シンシナティで印刷業者ヘンリー・ワトキンのもとに身を寄せながら新聞記者として経験を積みました。

事件記者として名声を高め、ニューオーリンズの新聞社で文芸欄を担当するなど執筆活動に打ち込みます。

1870年代~80年代には翻訳集『クレオパトラの一夜とその他幻想物語集』や『ゴンボ・ゼーブ』などの書籍を自費出版し、豊かな文化が交錯するニューオーリンズと西インド諸島で暮らすなかで多様な民族文化に触れていきました。

 

日本文化への憧れと来日後のキャリア|英語教師として松江で活動

1884年ニューオーリンズで開かれた万国産業綿花博覧会で日本館の工芸品に強く魅了され、ニューヨークで英訳『古事記』を読んだことで日本文化への関心が高まります。

40歳になったハーンは日本を取材するための特派員として来日、1890年4月4日に横浜へ到着します。ところが、新聞社との契約が打ち切られたため、記者としての活動を続けることができなくなります。

ハーンは日本での新たな生活の場を求め、島根県尋常中学校および師範学校の英語教師として松江に赴任します。そして、松江の人々や風習に深く魅せられていきます。

1890年9月には出雲大社に参拝し、外国人として初めて昇殿を許可されるなど特別な経験もしています。

 

島根・松江で小泉セツとの出会い|小泉八雲の人生を変えた結婚

松江で暮らすハーンは、住み込みの女中として紹介された、18歳年下の士族の娘「小泉セツ」と出会います。

誠実で思いやりのあるセツの人柄に心を打たれたハーンは、彼女を通して日本人の精神や家族のあり方に深く共感し、これが彼の運命を大きく変えることになりました。

セツは優れた語り部であり、地域に伝わる民話や怪談を豊富に知っており、それらをハーンに伝えることで、彼の創作に大きな影響を与えました。その語りをキッカケに、ハーンは日本の民間伝承や幽玄な世界観に強く興味を持ち、後に代表作『怪談』が生まれることになります。

二人は1891年に結婚し、その後熊本へ移ります。ハーンは第五高等中学校(現在の熊本大学)で英語教師を務めるかたわら、山陰・山陽を旅して日本の風景や人々の暮らしに理解を深め、『知られぬ日本の面影』を執筆しました。

 

日本国籍取得と「小泉八雲」という名前の由来

ハーンは、セツとの間に子供が生まれたことを機に、日本での永住を決意します。1896年2月に日本国籍を取得して「小泉八雲」と改名しました

姓は妻の家名「小泉」を継ぎ、名の「八雲」は出雲国を指す枕詞「八雲立つ」に由来し、養祖父が『古事記』の和歌から名付けたと言われています

同年9月には帝国大学(現東京大学)英文学科の講師として上京し、多くの学生に英文学を教えました。その後早稲田大学でも教壇に立ち、夏には静岡県焼津の海を愛して度々訪れました。

 

小泉八雲の代表作と功績|怪談・民話を通して伝えた日本文化

小泉八雲の文学活動は、日本と西洋の架け橋として評価されています。

1894年に出版された『知られぬ日本の面影』は来日後最初の著作で、松江や出雲地方での体験をつづった紀行文です。『心』や『骨董』と並ぶ代表作とされ、明治期の市井の生活や神社仏閣の様子を欧米に紹介しました。

1904年発表の『怪談』は妻セツから聞いた日本各地の幽霊話を再話したもので、雪女・耳なし芳一・むじな・ろくろ首などの物語が収録されています。

これらの作品は怪異譚の文学としてだけではなく、日本の精神文化を理解する手引きとして海外の読者に大きな影響を与えました。

 

小泉八雲の晩年と死

小泉八雲は帝国大学で7年間教えた後、1903年に学内の人事を巡る不和で解雇され、後任を夏目漱石に譲ります。

その後、早稲田大学文学部講師となりますが、1904年9月26日心臓発作で逝去(享年54)しました。墓は東京の雑司ヶ谷霊園にあり、1915年には日本文化への貢献が認められ従四位が贈られています。

また、朝ドラ「ばけばけ」で髙石あかりさんが演じるヒロイン・トキの実在モデル「小泉セツ」の生涯、史実については以下の記事で解説してます。

「ばけばけ」松野トキ(高石あかり)のモデル「小泉セツ」の実話・生涯とは?
「ばけばけ」松野トキ(髙石あかり)のモデル「小泉セツ」の実話・生涯とは?NHK朝ドラ「ばけばけ」女優・髙石あかりさん演じるヒロイン松野トキのモデル・小泉セツの実話を解説。怪談『雪女』『耳なし芳一』誕生を支えた“語り部”としての役割も紹介。...

 

外国人俳優トミー・バストウのプロフィール|経歴・代表作まとめ

 

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「ばけばけ」の登場人物「レフカダ・ヘブン」を演じるのは、外国人俳優「トミー・バストウ」さんです。プロフィールは以下の通りです。

生年月日1991年8月26日
出身イギリス

2007年、ロックバンド「FranKo」を結成、リードボーカルを務める。俳優としては2008年、『ジョージアの日記/ゆーうつでキラキラな毎日』で映画主演デビュー。2024年、ドラマ『SHOGUN 将軍』では日本語のセリフにも挑戦。

トミー・バストウさんは、ドラマ『SHOGUN 将軍』で共演した女優「穂志もえか」さんから朝ドラのオーディション情報を聞き、制作統括の橋爪國臣さんに日本語のメールで自ら売り込んだことを明かしています。

その後、国内外から集まった1,767人の応募者の中から選ばれ、NHK朝ドラ「ばけばけ」でトミの夫「レフカダ・ヘブン」役を演じます。

 

まとめ

朝ドラ「ばけばけ」トミー・バストウさん演じるレフカダ・ヘブンは小泉八雲をモデルにした人物です。

ギリシャ生まれの八雲は日本に渡り、松江で英語教師を務め、士族の娘セツと結婚して帰化しました。『怪談』などを通じて日本文化と心を世界に伝えた作家です

他にも「ばけばけ」のキャスト・スタッフ一覧は、以下でまとめています。

「ばけばけ」キャスト&相関図まとめ、俳優・子役・スタッフ一覧
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大森拓也
放送作家、物書き、フリーライター歴20年以上です。放送作家としての仕事についてはこちらで記載しています⇒https://note.com/hearty_takin9949
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