2025年1月5日(日)スタートの第64作となるNHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」
「べらぼう」の主人公・蔦屋重三郎を演じるのは「横浜流星」さんです。そして、森下佳子さんが脚本を担当、あらすじは以下の通りです。
“江戸の出版王”と呼ばれた「蔦屋重三郎」の波乱万丈の生涯を描く。人口100万を超えた江戸、貧しい家庭に生まれた蔦重は養子として育ち、貸本屋から書籍編集・出版業へと進出。
田沼意次の時代に「黄表紙」の大ヒットで文化の中心となり、喜多川歌麿や葛飾北斎など、後の巨匠たちを世に送り出す。笑いと涙、謎が交錯する物語を通じ、蔦重の自由と文化への情熱が時代を超えて描かれるエンターテインメントドラマ。
「べらぼう」【第37話】では、老中・松平定信による「寛政の改革」が本格化。
劇中ではその影響として「中洲新地」が取り壊され、吉原へと遊女たちが流れてくるという描写がありました。
田沼意次政権下の都市開発政策によって生まれた街が、日本橋の「中洲新地(なかすしんち)」です。「中洲新地とは何か?」「なぜ取り壊されたのか?」解説します。
【べらぼう第37話あらすじ】寛政の改革と中洲取り壊し、吉原の変化を描く

恋川春町(岡山天音)の自害により、北尾政演(古川雄大)は執筆の手が止まり、朋誠堂喜三二(尾美としのり)も江戸を去ります。
さらに、老中・松平定信(井上祐貴)による「寛政の改革」が本格化。棄捐令(借金帳消し)、中洲の取り壊し、大奥の倹約令など、厳しい政策が次々に実施されます。
とりわけ江戸の歓楽街に影響したのが、田沼意次(渡辺謙)時代の象徴だった「中洲」の廃止です。「べらぼう」では中洲そのものは描かれませんが、吉原に遊女があふれかえる様子を通じて、当時の混乱ぶりが濃厚に伝わってきます。
江戸の中洲新地とは?誕生の経緯と取り壊しの理由を解説

江戸時代の歓楽街・中洲新地は、短期間ながら華やかな賑わいを見せた幻の街です。その誕生と終焉の背景には、政治の変化が深く関わっていました。
中洲新地は田沼意次による都市開発で誕生
「中洲新地(なかすしんち)」は、現在の東京都中央区・日本橋中洲にあたる場所に、1771年(明和8年)〜1773年(安永元年)にかけて造成された人工の歓楽街です。
この土地はもともと隅田川の中にあった中洲(なかす)で、「三つ又(みつまた)」や「三ツ俣」とも呼ばれ、舟遊びや月見の名所でした。
この場所を埋め立てて都市開発を行ったのが、当時の政権を担っていた老中・田沼意次。
重商主義を掲げ、貨幣経済や商業の振興を図っていた田沼は、都市の活性化と経済効果を見込んで「中洲新地」の整備を進めました。
中洲新地が江戸の新歓楽街として急成長
1775年には町屋が整い、「富永町」と命名。まもなくして茶屋や料理屋が軒を連ね、両国をもしのぐ勢いで人が集まる一大歓楽街に成長します。
月見や舟遊びに興じる庶民や、商人、武士、文人たちが集まり、江戸の“粋”と“賑わい”が凝縮された場所となりました。
吉原とは異なり、より自由で開放的な空気が漂う街としても知られ、江戸っ子たちに愛されたスポットとなりました。
中洲新地は寛政の改革で「贅沢の象徴」とされ真っ先に取り壊し
しかし、1786年に田沼意次が政界を去り、1787年に松平定信が老中に就任すると、流れは一変します。
定信は「倹約・道徳・質素」を掲げて「寛政の改革」を開始、田沼意次の時代に築かれた中洲新地を、贅沢と風紀の乱れの象徴的存在として真っ先に標的とし、1789年(寛政元年)に取り壊しを命じました。
人工的に川を埋め立てたことで隅田川の流れを妨げ、洪水を招いていた点も、廃止の理由として挙げられました。
田沼政治を否定し、新たな秩序を築こうとする定信にとって、中洲新地の破壊は象徴的な「粛清」だったのです。
中洲新地の廃止で吉原に遊女が溢れる
中洲の遊女たちは、行き場を失い、吉原へと流れていきます。この人口流入により、吉原は一時的に活況を呈したものの、同時に遊女間の格差や摩擦も深刻化していきました。
「べらぼう」第37話では、吉原で遊女たちの混乱が描かれ、「寛政の改革」による時代のうねりを感じさせる印象的な場面となっています。
まとめ

「べらぼう」【第37話】で描かれた「中洲新地の取り壊し」は、江戸の政治の転換点を象徴するエピソードです。
田沼意次の都市開発によって生まれた華やかな「中洲新地」は、贅沢の象徴として松平定信による寛政の改革で真っ先に排除されました。
他にも「べらぼう」のキャスト・登場人物・スタッフ一覧は、以下をチェックしてください。


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