「花子とアン」元ネタ・原作、実在モデルは誰？翻訳家・村岡花子

山梨の貧しい家に生まれたヒロイン花子は、東京の女学校で英語を学び、故郷での教師生活をへて翻訳家の道へ。花子は「赤毛のアン」を翻訳、子どもたちに夢と希望を送り届けていく。「赤毛のアン」のアンのように、夢見る力を信じて生きた花子の明治・大正・昭和にわたる波乱万丈の半生記。

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村岡花子（1893-1968）本名「村岡はな（旧姓：安中）」は、日本を代表する翻訳家、児童文学者、評論家として知られています。

1893年、村岡花子は山梨県甲府市の貧しい農家に生まれます。1903年、10歳で東洋英和女学校（現・東洋英和女学院）に特待生として入学し、英語教育に熱心なカナダ人宣教師イザベラ・ブラックモア女史の指導を受けました。この時期に身につけた英語力が、後の翻訳家としての基礎となります。

1914年に卒業後、山梨英和女学校で5年間英語教師を務め、その後銀座の教文館の編集者となりました。1919年に印刷会社を営む村岡儆三と結婚し、翌年、長男・道雄が誕生。

1926年、最愛の道雄を病気で亡くしたことをきっかけに、日本中の子どもたちのために外国の家庭文学を紹介することを使命と感じるようになる。1927年にマーク・トウェインの『王子と乞食』を翻訳出版し、以後75歳で亡くなるまで精力的に翻訳活動を続けました。

村岡花子の代表作は、L.M.モンゴメリ作『赤毛のアン』シリーズの翻訳です。その他にも、エレナ・ポーター作『少女パレアナ』、チャールズ・ディケンズ作『クリスマス・キャロル』、パール・バック作『母の肖像』など、多数の作品を翻訳しました。

翻訳家としての活動だけでなく、自身も童話集『たんぽぽの目』『桃色のたまご』などを執筆しました。また、女学生時代から矯風会（夫人団体）の活動に参加し、婦人運動にも積極的に関わりました。

村岡花子は、日本の子どもたちに外国文学の素晴らしさを伝えたいという強い思いを持ち、翻訳に打ち込みました。その真摯な姿勢と優れた翻訳は、多くの読者の心に響き、日本の翻訳文学の発展に大きく貢献しました。

戦争へと向かう不穏な時勢に、翻訳家・村岡花子は、カナダ人宣教師から友情の証として一冊の本を贈られる。後年『赤毛のアン』のタイトルで世代を超えて愛されることになる名作と花子の運命的な出会いであった。多くの人に明日への希望がわく物語を届けたい―。その想いを胸に、空襲のときは風呂敷に原書と原稿を包んで逃げた。情熱に満ちた生涯を孫娘が描く、心温まる評伝。

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