2025年後期放送のNHK連続テレビ小説「ばけばけ」のヒロイン・松野トキは、「髙石あかり」さんが演じます。ドラマのあらすじは、以下の通りです。
外国人教師「小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)」と、その妻「セツ」をモデルにしたオリジナル作品。
舞台は明治時代の松江。没落士族の娘・松野トキ(髙石あかり)は、怪談を愛する外国人教師・ヘブン(トミー・バストウ)と出会い、心を通わせていく。
言葉も文化も異なるふたりは、怪談に込められた人々の想いを通じて、互いを支え合いながら、目には見えない“人の情”に寄り添って生きていく。
「ばけばけ」【第36話】では、ヘブンの女中となったトキが「ビール」のお使いを頼まれる場面が描かれます。
物語の舞台は明治23年(1890年)の島根県・松江。当時、松江でビールは本当に手に入ったのでしょうか?
「ばけばけ」第36話、ヘブンからトキはビールのお使いを頼まれる

「ばけばけ」【第36話】、家族公認のもとヘブン(トミー・バストウ)の女中となったトキ(髙石あかり)。
しかし、錦織友一(吉沢亮)が原因で広まった誤解のせいで、ヘブンはトキに対して気まずさを感じていました。気まずさに耐えかねたヘブンが突然「おトキさん、クビ!」と宣告。
両家の実家を支えるトキとしては、女中を辞めるわけにはいきません。クビを撤回してもらうために奮闘するトキに、ヘブンは一つのお使いを頼みます。その買い物が「ビール」です。
舞台は1890年(明治23年)の松江。当時の日本において、すでにビールは流通していたのでしょうか?
ビールが日本に伝来したのはいつ?幕末から明治のBEERの歴史

ビールの歴史は非常に古く、紀元前4000年ごろのメソポタミア文明(現在のイラク周辺)にはすでに存在していたとされています。
日本においてビールが初めて登場したのは、幕末の開国以降です。1853年にペリー提督率いるアメリカ艦隊が来航した際、日本側にビールが贈られたという記録があります。
また、1855年(安政2年)には長崎のオランダ商館でオランダ製ビールが飲まれていたことが確認されており、日本人による製造は1870年(明治3年)に遡ります。
この年、アメリカ帰りの中川清兵衛が横浜に設立した「スプリング・バレー・ブルワリー(後のキリンビール)」が、日本初の本格的なビール醸造所とされています。
1890年には松江の薬局「橘泉堂山口卯平衛商店」で販売されていた
劇中でヘブンが女中のトキにビールのお使いを頼む場面の時代設定は、1890年(明治23年)です。
当時、日本のビール産業はすでに発展し始めており、「ジャパン・ブルワリー・カンパニー」(キリンビールの前身)や「札幌麦酒会社」(後のサッポロビール)などが全国に流通網を広げていました。そのため、島根県松江でもビールが手に入る環境が整っていたと考えられます。
史実でも松江に滞在した小泉八雲(ヘブンの実在モデル)はビール好きとしても知られ、明治24年(1891年前後)には、松江でビールを販売していた唯一の店「橘泉堂山口卯平衛商店」で、ビールを購入していたという記録が残っています。

この「橘泉堂山口卯平衛商店」は、朝ドラ「ばけばけ」では、山橋薬舗の店主・山橋才路(演:柄本時生)として登場しています。
山橋才路の役どころや、「橘泉堂山口卯平衛商店」の史実については以下の記事で解説しています。
まとめ

朝ドラ「ばけばけ」では、ヘブンがトキにビールのお使いを頼む場面が描かれます。
ビールは幕末に海外から日本へ伝わり、明治初期には国内生産が始まりました。1890年には松江のような地方都市でも購入可能でしたが、当時はまだごく限られた店でしか取り扱われていませんでした。
他にも「ばけばけ」のキャスト・スタッフ一覧は、以下でまとめています。

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