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相良凧・平賀源内生存説とは?【べらぼう44話】田沼意次の領地・牧之原に残る伝説

相良凧・平賀源内生存説とは?【べらぼう44話】田沼意次の領地・牧之原に残る伝説

2025年1月5日(日)スタートの第64作となるNHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」

「べらぼう」の主人公・蔦屋重三郎を演じるのは「横浜流星」さんです。そして、森下佳子さんが脚本を担当、あらすじは以下の通りです。

“江戸の出版王”と呼ばれた「蔦屋重三郎」の波乱万丈の生涯を描く。人口100万を超えた江戸、貧しい家庭に生まれた蔦重は養子として育ち、貸本屋から書籍編集・出版業へと進出。

田沼意次の時代に「黄表紙」の大ヒットで文化の中心となり、喜多川歌麿や葛飾北斎など、後の巨匠たちを世に送り出す。笑いと涙、謎が交錯する物語を通じ、蔦重の自由と文化への情熱が時代を超えて描かれるエンターテインメントドラマ。

 

「べらぼう」【第44話】では、江戸の奇才・平賀源内にまつわる“平賀源内生存説”が登場、ドラマでは源内が生きていたかもしれないという話が持ち上がり、蔦重や玄白たちが謎を追い始めます。

果たして、源内は本当に生きていたのか?ドラマで登場した「相良凧」や「平賀源内生存説」の史実を、実際に静岡・牧之原市に残る記録や伝承から解説していきます。

 

【べらぼう44話あらすじ】平賀源内生存説と相良凧が登場!蔦重は源内の謎を追う

「べらぼう」【第44話】、蔦重(横浜流星)の前に「駿府生まれの重田七郎貞一(井上芳雄)」を名乗る謎の男が登場(のちの十辺舎一九)。

貞一は耕書堂に現れ、「源内が作った」とされる“相良凧(さがらだこ)”を見せ、平賀源内が実は生きていると語ります。

蔦重と妻・ていは南畝(桐谷健太)や玄白(山中聡)らとともに、「平賀源内生存説」の真偽を探りはじめます。

やがて蔦重は、「源内が生きている」という噂を意図的に広めている者たち、いわば黒幕の存在に近づいていきます

 

相良凧(さがらだこ)とは?平賀源内が考案した伝承


相良凧は、静岡県牧之原市相良地区に伝わる伝統的な和凧です。江戸中期から続くとされ、端午の節句に行われる「けんか凧」で知られます。

この凧は、上下左右に自在に動かせる構造を持ち、強靭な糸が用いられます。糸にガラス粉を混ぜたビードロ糸の技法も伝えられており、切り合いの迫力を高めています。

郷土史家・河原﨑陸雄氏の説によれば、源内が長崎遊学で得た知識を基に考案したという伝承も残っています。ただし、史料による裏付けはなく、「源内作」はあくまで地元の伝承にとどまります。

「べらぼう」では、源内が作ったとされる「相良凧」の伝承をもとに、平賀源内が密かに生き延びていたのではないかという“生存説”をドラマ的に膨らませています。

 

平賀源内生存説の由来とは?田沼意次との関係から生まれた伝説

平賀源内生存説の由来とは?田沼意次との関係から生まれた伝説

「べらぼう」【第44話】で語られた「平賀源内は実は生きていた」という源内生存説。これは単なるフィクションではなく、実際に古くから語られてきた伝承に基づいています。

「べらぼう」と同様に、史実でも田沼意次は平賀源内を庇護していたと伝わります。田沼意次は、蘭学や新産業に理解を示し、発明家・源内を高く評価していました。

その交流が生存伝説の背景とされ、「田沼が源内を匿った」「逃亡を助けた」という噂へとつながったと考えられています。

「べらぼう」で渡辺謙さんが演じる「田沼意次」の史実については、以下の記事でまとめています。

「べらぼう」田沼意次(渡辺謙)の政治とは?田安賢丸と一橋治済との関係性を解説
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史料・書物に見る平賀源内生存説|明治期などに語られた伝承と記録

史料・書物に見る平賀源内生存説|明治期などに語られた伝承と記録

史実によれば、平賀源内(1728–1779)は酔った勢いで人を傷つけ、投獄の末に破傷風で獄死したとされます(享年51歳)。葬儀は杉田玄白が主導し、東京都台東区橋場に墓が建てられました。

 

牧之原に伝わるもう一人の平賀源内生存説とは?

しかし、静岡県牧之原市では、「源内は獄中で死なず、田沼意次の助けを得てこの地に逃れた」という伝説が伝わっています。

田沼意次は、相良(現在の牧之原市相良地区)を領地として治めていたことから、「源内を匿える立場にあった」との推測が生まれたと考えられます。

この伝説は、明治初期の儒学者・東条琴台の『先哲叢談続編』や、国文学者・水谷不倒による『平賀源内』(1896年)などの著書にも登場します。

特に水谷は、「田沼意次が源内に麻薬を服用させ仮死状態にし、“獄死”を装って密かに相良へ逃がした」という具体的な筋書きを紹介しており、この逸話が後世の“生存説”として知られるようになりました。

 

“智恵貸しの翁”は源内だった?

牧之原市には「智恵貸しの翁(ちえがしのおきな)」と呼ばれる老人の伝承もあります。人々の相談に乗り、報酬を求めずに消えたというこの人物が、実は源内だったという説もあります。

郷土史家によれば、この“翁”の活動時期と源内の生存が噂された時期が重なることから、両者を結びつける見方があるようです。

また、地元には源内ゆかりと伝わる草庵跡や「源内通り」も残されており、地域の文化伝承の一部となっています。

 

平賀源内の墓は複数存在する?

牧之原市浄心寺で見つかった墓石「一實院宗見日明」(寛政11年没)は、「もしこれが源内なら80歳まで生きたことになる」として注目されました。

一方で、山形県庄内地方にも「源内の墓」が伝わります。公式な墓所は台東区橋場にありますが、複数の地域に源内ゆかりの伝承が残ることが、今も「源内生存説」として語られている理由の一つです。

 

まとめ

「べらぼう」【第44話】で描かれた「平賀源内生存説」は、単なる創作ではなく、実際に古くから語られてきた伝承に基づいています。

ただし、この説はあくまで伝説や俗説の域を出ず、歴史的に裏付けのある事実とは言えません。

他にも「べらぼう」のキャスト・登場人物・スタッフ一覧は、以下をチェックしてください。

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大森拓也
放送作家、物書き、フリーライター歴20年以上です。放送作家としての仕事についてはこちらで記載しています⇒https://note.com/hearty_takin9949
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