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「ばけばけ」明治初期の“うさぎバブル”とは?5円・200円・600円、お金の価値を今と比較

「ばけばけ」明治初期の“うさぎバブル”とは?5円・200円・600円、お金の価値を今と比較

2025年後期放送のNHK連続テレビ小説「ばけばけ」のヒロイン・松野トキは、「髙石あかり」さんが演じます。ドラマのあらすじは、以下の通りです。

外国人教師「小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)」と、その妻「セツ」をモデルにしたオリジナル作品。

舞台は明治時代の松江。没落士族の娘・松野トキ(髙石あかり)は、怪談を愛する外国人教師・ヘブン(トミー・バストウ)と出会い、心を通わせていく。

言葉も文化も異なるふたりは、怪談に込められた人々の想いを通じて、互いを支え合いながら、目には見えない“人の情”に寄り添って生きていく。

 

「ばけばけ」【第3話】、ヒロイン・松野トキの父、松野司之介(岡部たかし)が、舶来のうさぎを使って商売を始める姿が描かれました。

明治初期は実際に、社会現象として「うさぎバブル」がありました。

 

「ばけばけ」第3話あらすじ|トキの父・司之介が“うさぎ商売”を始めた理由とは?

『ばけばけ』第3話ではトキの父・松野司之介(岡部たかし)が、かつての部下・金成初右衛門(田中穂先)とともに“商売”を始めます。

これまで「働くのは武士の恥」と語り、家にこもっていた司之介。そんな彼が、生活のため、そして家族のために重い腰を上げる決意をしたのです。

祖父・勘右衛門(小日向文世)は猛反対。しかし、娘のトキ(福地美晴)や妻のフミ(池脇千鶴)は、変わり始めた司之介を温かく見守ります。

そんな司之介が選んだ商売のタネが、“うさぎ”でした。明治時代の初期には実際に「うさぎバブル」がありました。

 

明治時代の「うさぎバブル」とは?|舶来うさぎが高級品になった理由

明治時代の「うさぎバブル」とは?|舶来うさぎが高級品になった理由

“うさぎで商売”と聞くと、現代の感覚ではピンとこないかもしれません。しかし、明治時代初期には、うさぎが1羽数百円で取引される「うさぎバブル」が実際に起きました。

 

文明開化で起きた「ウサギブーム」明治のうさぎ人気の背景

明治4年(1871年)頃から、東京を中心に外来種の「カイウサギ」が人気を集め始めます。

文明開化を背景に西洋文化を取り入れることが社会的地位向上に直結すると考えられ、華族や士族などの富裕層を中心に積極的に飼育され、やがて高額で取引される「うさぎブーム」へと発展していきます。

 

うさぎの値段が高騰!“うさぎ会”まで開催

明治5年(1872年)ごろには、うさぎを持ち寄って品評会を行う「兎会(とかい)」と呼ばれる集まりが登場。美しい毛並みや珍しい品種のうさぎは、高値で取引されるようになります。

中には600円(現在の価値でおよそ1千万円)で取引されたうさぎもいたと記録されています。

 

“投資対象”としてのうさぎ

当時のうさぎブームには、「投資目的」でうさぎを飼う人も急増していました。

「この品種は高く売れる」「交配させて希少な毛色を生ませよう」そう考えた商人や士族たちは、うさぎの繁殖や販売に乗り出していきました。

朝ドラ「ばけばけ」司之介のような“没落士族”にとって、うさぎ商売は「一攫千金を狙える商機」でした。

 

うさぎバブルの結末|“兎税”の導入とブームの崩壊

明治6年(1873年)、過熱する“うさぎバブル”に対し東京府が「兎税」を導入します。所有者に月1円の税金、無届には過怠金2円を課し、品評会「兎会」も禁止されました。

これによりうさぎの価格は暴落し、うさぎを捨てたり鍋にして食べる人も。商機とされたうさぎ商売は終焉を迎えます。

 

うさぎは1羽5円・最高600円、司之介は200円稼ぐ|明治の貨幣価値と比較

うさぎは1羽5円、最高600円、司之介は200円稼ぐ|明治の貨幣価値と比較

「ばけばけ」劇中でトキの父・松野司之介がうさぎを「1羽5円、最高で600円の値がついた」という話を聞いてきます。また、うさぎの商売を始めた司之介が数週間で「200円」を稼ぐシーンもあります。

明治初期における5円・200円・600円は、いったいどれほどの価値だったのでしょうか。当時の物価の目安として、以下のような記録があります。

  • 明治初期の公務員の月給:4〜5円
  • 白米1升:5銭(0.05円)
  • 大工の手間賃(日給):20銭(0.2円)

このように見てみると、5円はほぼ“1か月分の生活費”に匹敵する大金。司之介が稼いだ200円は、数年分の収入に相当します。

さらに、バブル時に600円で取引されたうさぎは、現在の価値でおよそ1千万円相当とも言われ、“家が建つほどの金額”だったことがわかります。

これだけの利益が見込めるとなれば、「ばけばけ」でトキの父・司之介がうさぎの商売に目を奪われたのも、無理はないのかもしれません。

 

まとめ

朝ドラ「ばけばけ」【第3話】で描かれた、松野司之介のうさぎ商売。実はそこには、明治時代の「うさぎバブル」という史実がありました。

他にも「ばけばけ」のキャスト・スタッフ一覧は、以下でまとめています。

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大森拓也
放送作家、物書き、フリーライター歴20年以上です。放送作家としての仕事についてはこちらで記載しています⇒https://note.com/hearty_takin9949