NHK連続テレビ小説「あんぱん」のヒロイン・朝田のぶは、「今田美桜」さんが演じます。「あんぱん」のあらすじは、以下の通りです。
漫画家「やなせたかし」さんと妻「暢（のぶ）」さんをモデルにしたオリジナル作品。昭和初期、高知で明るく奔放な少女・朝田のぶと、父を亡くした少年・柳井嵩が出会う。
戦後、嵩と再会したのぶは夢を追い東京へ。彼女を追いかけた嵩と共に、六畳一間の貧しい生活を楽しみながら二人は結婚。どんな困難も笑いに変えた彼らの未来には、『アンパンマン』が誕生する希望の物語が続く。
「あんぱん」第56話、絵を描くのが得意な嵩（北村匠海）が任命されたのは、「宣撫班（せんぶはん）」の任務です。
「宣撫班」とはどんな任務だったのか？また、嵩の実在モデル「やなせたかし」さんは暗号手としての仕事をしながら「宣撫班」の任務を兼務していました。
【第56話あらすじ】嵩は「宣撫班」勤務を命じられる
第56話、嵩は軍曹の粕谷将暉（田中俊介）から、「宣撫班（せんぶはん）」への勤務を命じられます。軍の中でも特別な部署で、嵩の絵の才能が評価されての抜擢でした。
宣撫班とは、戦争中に敵地の住民に向けて「日本は敵ではない」「協力すれば安全だ」と伝える、宣伝や啓蒙（けいもう）活動を担当する部隊です。
嵩が任命された「宣撫班」では、紙芝居を見せていた市場でひと騒動があったといい、嵩が現地に赴くと、物々しい雰囲気が漂っていました。
数日後、健太郎（高橋文哉）も宣撫班に加わり、嵩とふたりで地元住民に好意的に受け入れられる紙芝居を制作することになります。
また、嵩が所属する小倉連隊の上長や先輩、古年兵・初年兵を演じる役者は、以下の記事で詳細をまとめています。
「やなせたかし」も実体験！暗号手と宣撫班を兼務した“紙芝居での戦争”
朝ドラ「あんぱん」で描かれる「宣撫班」のエピソードは、嵩のモデルである「やなせたかし」さんが体験した任務でもあります。
内地では「暗号手」として軍に所属
「やなせたかし」さんは、戦時中に甲種幹部候補生試験に合格し、伍長として「暗号班」に配属されました。暗号班は、軍の作戦指令を扱う非常に機密性の高い部署で、主に暗号解読などの任務を担っていました。
重い大砲を運んだり、馬の世話をしたりする力仕事を避けられる点で、やなせさんは「まだマシだった」と語っています。
朝ドラ「あんぱん」でも描かれた「幹部候補生試験」について、以下で詳細を解説しています。
中国・福建省へ派遣、宣撫班の手伝いも
1944年7月、「やなせたかし」さんは中国の福建省に派遣されます。ここでの仕事は中国・福建省で米軍からの上陸を阻止する任務でした。（終戦まで米軍が上陸することはありませんでした）
暗号手だった「やなせ」さんは、本部から届く暗号指令の解読を担当していましたが、毎日仕事があるわけではなく、「宣撫班」の仕事も手伝うことになりました。
宣撫班で紙芝居で啓蒙活動
宣撫班の仕事は、戦地の住民に対して「日本軍の占領は正しいものである」とアピールする宣伝・啓蒙活動です。
「やなせ」さんは大きな模造紙に絵を描き、紙芝居を作成して村々をまわりました。
紙芝居のタイトルは「双生譚（そうせいたん）」でした。双子の兄弟が喧嘩をする物語で、日本と中国は双子の兄弟だから仲良くしなくてはいけないというメッセージが込められた内容でした。
この紙芝居はどこの村でも受けていて、「やなせ」さんは「中国人の通訳が勝手に話を変えて笑わせてるのでは？」と感じたこともあったそうです。
参考文献：「やなせたかしの生涯 アンパンマンとぼく」梯 久美子 (著)
まとめ
朝ドラ「あんぱん」第56話では、嵩は宣撫班の任務を命じられます。嵩の実在モデル「やなせたかし」さんも、暗号手と宣撫班を兼務していました。
他にも、「あんぱん」のキャスト・スタッフ一覧は、以下でまとめています。
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