NHK連続テレビ小説「あんぱん」のヒロイン・朝田のぶは、「今田美桜」さんが演じます。「あんぱん」のあらすじは、以下の通りです。
漫画家「やなせたかし」さんと妻「暢(のぶ)」さんをモデルにしたオリジナル作品。昭和初期、高知で明るく奔放な少女・朝田のぶと、父を亡くした少年・柳井嵩が出会う。
戦後、嵩と再会したのぶは夢を追い東京へ。彼女を追いかけた嵩と共に、六畳一間の貧しい生活を楽しみながら二人は結婚。どんな困難も笑いに変えた彼らの未来には、『アンパンマン』が誕生する希望の物語が続く。
「あんぱん」【第107話】嵩の詩の才能に確信を持った八木は、自分の会社で出版部を作り、嵩に詩集を出そうと声をかけます。
劇中で嵩が書いた詩集『愛する歌』は、実際に「やなせたかし」さんが47歳で出版した処女詩集がモデルです。
【あんぱん第107話あらすじ】八木が嵩の才能を信じて出版を決意!

【第107話】八木の会社「九州コットンセンター」では、嵩(北村匠海)の詩とイラストをあしらった陶器のグッズが追加注文が来るほど大ヒット。
これに手応えを感じた八木(妻夫木聡)は、嵩に対し「もっと詩を書け」と迫ります。しかし、のぶ(今田美桜)は「嵩は漫画家であって、そんなに詩ばかりは書けない」と心配を口にします。
ところが嵩は「言葉がどんどん浮かんでくる」と語り、創作の手を止めることなく詩を書き続けます。

そんな姿を見た八木は、嵩の詩人としての可能性を確信。ついには「自分の会社に出版部を立ち上げて、詩集を出そう」と宣言するのでした。
嵩が書いて八木が出版した『愛する歌』は、嵩のモデルである「やなせたかし」さんが実際に出版した詩集を基にしたエピソードです。
やなせたかし47歳のデビュー詩集『愛する歌』とは?

ドラマ「あんぱん」で嵩が詩集を出版する展開は、実在モデル「やなせたかし」さんの人生と重なります。
アンパンマンの作者として知られる「やなせたかし」さんは、47歳で処女詩集『愛する歌』を発表しました。出版を後押ししたのは、当時まだ小さな会社だったサンリオの社長・辻信太郎さんです。
詩人・やなせたかしの原点『愛する歌』の内容とは?
1966年(昭和41年)に刊行された『愛する歌』は、「やなせたかし」さんにとって詩人としての第一歩となる作品です。
当時「やなせたかし」さんは47歳。デザインや放送作家などの仕事をしながら活動していました。
ちなみに本人はこの詩集に関して「ラジオで使った歌や、歌謡曲や童謡のようなもので、ちゃんとした詩は一編もない。詩人が見れば怒られるか無視されるだろう」と語っています。
自費出版からサンリオ社長・辻信太郎との出会いが生んだ処女作

『愛する歌』を出版したのは、山梨シルクセンター(現・サンリオ)の社長・辻信太郎さんでした。
「やなせたかし」さんが詩集を自費出版しようと思っていた時期に辻信太郎さんと出会い、辻さんが「この詩集をうちで出版しましょう」と声をかけたことがきっかけです。
これを機にサンリオは出版事業に本格的に参入し、『愛する歌』を刊行しました。
朝ドラ「あんぱん」に登場する八木信之介(妻夫木聡)のモデルは「辻信太郎」さんです。さらに、もう一人のモデルとされる人物もいます。詳しくは以下の記事をご覧ください。

『愛する歌』下着売り場でのサイン会
『愛する歌』出版後には各地でサイン会が行われました。その中には婦人服店の下着売り場でのサイン会もあったといいます。
一番ひどかったのは、その頃、サンリオが取引のあった三愛の婦人下着売場に詩集を置いてサイン会をしたことだ。
出典:やなせたかし著『アンパンマンの遺書』P155
「やなせたかし」さんは後年の著書で、「下着売り場でサイン会をしたのは、僕一人に違いない」と振り返っています。
『愛する歌』は予想外の大ヒット!
「やなせたかし」さん自身は「売れないだろう」と考えていた『愛する歌』ですが、予想に反して大ヒット。第5集まで続刊され、総計10万部以上を売り上げました。
印税も入り、イベントには多くの若い女性が訪れ、ファンレターも届くなど、大きな反響を呼びました。
この『愛する歌』はサンリオの業績を押し上げるほどのヒットとなり、「やなせたかし」さんは、出版事業に乗り出したサンリオの元で、絵本の執筆も始めることになります。
まとめ

朝ドラ「あんぱん」嵩は八木の元で、詩集『愛する歌』を出版することに。
実在のモデル「やなせたかし」さんもまた、47歳で詩集を出版し、そこから数々の名作を生み出していきました。
他にも、「あんぱん」のキャスト・スタッフ一覧は、以下でまとめています。


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