NHK連続テレビ小説「あんぱん」のヒロイン・朝田のぶは、「今田美桜」さんが演じます。「あんぱん」のあらすじは、以下の通りです。
漫画家「やなせたかし」さんと妻「暢(のぶ)」さんをモデルにしたオリジナル作品。昭和初期、高知で明るく奔放な少女・朝田のぶと、父を亡くした少年・柳井嵩が出会う。
戦後、嵩と再会したのぶは夢を追い東京へ。彼女を追いかけた嵩と共に、六畳一間の貧しい生活を楽しみながら二人は結婚。どんな困難も笑いに変えた彼らの未来には、『アンパンマン』が誕生する希望の物語が続く。
「あんぱん」第53話、嵩(北村匠海)が戦時中、「幹部候補生試験」の「乙種」に合格するというエピソードが描かれます。
実はこの出来事、嵩のモデル「やなせたかし」さんの実体験をもとにしており、“試験前に寝坊したのに合格した”という驚きのエピソードがあります。
ドラマ内で登場した「乙種幹部候補生」、そして「やなせたかし」さんの実話について紹介します。
嵩は中隊長・島中尉の推薦で「幹部候補生試験」を受験

「あんぱん」第52話、小倉連隊に配属された嵩は、中隊長の島中尉(横田栄司)の前で「軍人勅諭」をすらすらと暗唱し、その姿勢が評価されて「幹部候補生試験」への推薦を受けます。
試験を間近に控え、嵩は戦友・八木(妻夫木聡)から“受かるしか道はない”と発破をかけられ、徹夜で勉強するため自ら進んで不寝番(夜間見張り)を申し出ます。
ところが試験当日、嵩は寝過ごしてしまいます。しかし、八木の口添えもあり、なんとか試験に間に合い、「乙種幹部候補生」に合格することになります。
妻夫木聡さんが演じる嵩の恩人「八木信之介」の実在モデルについては、以下の記事で詳細をまとめています。

日本陸軍「乙種幹部候補生」とは?甲種との違いも解説

「乙種幹部候補生(おつしゅ・かんぶこうほせい)」とは、主に高学歴の兵士から選抜され、下士官(伍長や軍曹など)として部隊を指導する人材を育てるための制度です。
対象 | 昇進先 | |
甲種 | 現役兵・職業軍人 | 少尉(将校) |
乙種 | 高学歴の学徒 | 下士官(伍長など) |
「乙種幹部候補生」は、戦況が悪化する中で、現場を支える下士官(伍長など)を短期間で育てることを目的に拡充された制度です。嵩のように高学歴で、上官の推薦を受けた兵士が対象とされました。
※「幹部候補生」は「甲種」「乙種」の両方を含む総称であり、「乙種」は下士官として部隊をまとめる立場の候補生を意味します。
やなせたかしさんも「乙種幹部候補生」に合格、寝坊も史実どおり

嵩のモデルである「やなせたかし」さんも、実際にこの「乙種幹部候補生」に合格しています。
そして、試験前夜に不寝番をしながら寝てしまったというエピソードも事実そのままです。
本来は「甲種(=将校候補)」に値する成績だったものの、この“寝坊”が減点となり、乙種での合格となりました。
甲種に合格していれば、将校として戦地に送られる可能性が高かったため、乙種での合格がむしろ幸運となり、戦地への配属を免れて生き延びることができたとも言われています。
やなせさんはその後、伍長として内地に残り、暗号班に配属されました。のちに軍曹へと昇進し、班長として新兵の教育にもあたりました。兵を殴らず、話が面白かったことなどから、初年兵たちの人気者だったそうです。
寝坊して「乙種」に合格した出来事は、やなせさん自身も“命運を分けた偶然”として回想録やインタビューで語っています。
まとめ

朝ドラ「あんぱん」嵩が戦時中に「乙種幹部候補生」に合格するエピソードは、「やなせたかしさん」自身の実体験をもとにしたものです。
他にも「あんぱん」のキャスト・スタッフ一覧は、以下でまとめています。


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