2025年1月5日（日）スタートの第64作となるNHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」
「べらぼう」の主人公・蔦屋重三郎を演じるのは「横浜流星」さんです。そして、森下佳子さんが脚本を担当、あらすじは以下の通りです。
“江戸の出版王”と呼ばれた「蔦屋重三郎」の波乱万丈の生涯を描く。人口100万を超えた江戸、貧しい家庭に生まれた蔦重は養子として育ち、貸本屋から書籍編集・出版業へと進出。
田沼意次の時代に「黄表紙」の大ヒットで文化の中心となり、喜多川歌麿や葛飾北斎など、後の巨匠たちを世に送り出す。笑いと涙、謎が交錯する物語を通じ、蔦重の自由と文化への情熱が時代を超えて描かれるエンターテインメントドラマ。
戯作者の中には、「戯号（ペンネーム）」を使って活動していた人物も少なくありません。
「戯号（ぎごう）」とは何か？そして、ドラマ「べらぼう」に登場する戯作者たちが、どのようなペンネームを使っていたのかをまとめました。
戯号（ぎごう）とは？
「戯号（ぎごう）」とは、江戸時代の文人や戯作者が使った“遊び心のある別名”のことです。真面目な本名や正式な号とは違い、洒落や風刺、自由な表現のために用いられた仮の名前です。
たとえば、俳人や川柳、狂歌の作者なども、戯号を使って作品を発表することがありました。名前を隠して書くことで、より自由な表現や批判ができるという側面もありました。
なぜ「戯号」を使ったのか？
江戸時代の出版文化において、名乗り方には以下のような意図がありました
- 政治的な風刺や批判を避けるため
- 身分を超えた活動をするため
- 作風に応じて名前を変える遊び
など、名前一つにも深い意味と工夫が込められていました。
「べらぼう」に登場する「平沢常富（ひらさわ・つねとみ）」も、戯号を使って活動する人物として知られています。平沢常富は「朋誠堂喜三二」や「手柄岡持」といった戯号で作品を発表しました。
平沢常富は、江戸時代中期から後期にかけて活躍した戯作者・狂歌師です。平沢常富が戯号を使った理由は、武士としての身分を隠し、文筆活動を行うため、政治的な風刺や批判を匿名で行うため、自由な創作活動の幅を広げるためです。
「べらぼう」では、尾美としのりさんが演じる「平沢常富」の史実については、以下で詳細をまとめています。
「戯号」と「画号(がごう)」の違いとは？
「戯号」は主に戯作者や俳人が用い、遊び心や風刺を込めた名前です。一方、画号は絵師が使う名前で、芸術家としての個性を表現します。
簡単に言うと、文章を書く戯作者は「戯号」、絵を描く絵師は「画号」を使います。
喜多川歌麿の「歌麿」や葛飾北斎の「北斎」は画号です。特に北斎は生涯で30回以上も画号を変えたことで知られ、「画狂老人卍」など独創的な画号も使いました。
両者とも、本名とは別の名前を使うことで、芸術家としての自由な表現や社会的制約からの解放を図りました。
「べらぼう」に登場する戯作者・浮世絵師の戯号一覧
ドラマ「べらぼう」に登場する戯作者や浮世絵師たちの中にも、戯号を用いて活動するキャラクターが多数登場します。
| 戯号 | 本名 | 「べらぼう」で演じる役者 |
| 朋誠堂喜三二 | 平沢常富 | 尾美としのり |
| 山東京伝 | 北尾政演 | 古川雄大 |
| 平秩東作 | 立松懐之 | 木村了 |
| 四方赤良 | 大田南畝 | 桐谷健太 |
※現時点でわかる登場人物です。
まとめ
江戸時代の戯作者が使う「戯号」について、そして、ドラマ「べらぼう」に登場する戯作者たちが、どのようなペンネームを使っていたのかをまとめました。
他にも「べらぼう」のキャスト・登場人物・スタッフ一覧は、以下をチェックしてください。
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