2025年1月5日(日)スタートの第64作となるNHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」
「べらぼう」の主人公・蔦屋重三郎を演じるのは「横浜流星」さんです。そして、森下佳子さんが脚本を担当、あらすじは以下の通りです。
“江戸の出版王”と呼ばれた「蔦屋重三郎」の波乱万丈の生涯を描く。人口100万を超えた江戸、貧しい家庭に生まれた蔦重は養子として育ち、貸本屋から書籍編集・出版業へと進出。
田沼意次の時代に「黄表紙」の大ヒットで文化の中心となり、喜多川歌麿や葛飾北斎など、後の巨匠たちを世に送り出す。笑いと涙、謎が交錯する物語を通じ、蔦重の自由と文化への情熱が時代を超えて描かれるエンターテインメントドラマ。
「べらぼう」【第10話】蔦屋重三郎は、瀬川最後の花魁道中に合わせて「青楼美人合姿鏡(せいろうびじんあわせすがたかがみ)」を出版します。
錦絵「青楼美人合姿鏡」とは何なのか?また、「べらぼう」で市中の本屋で流通できた理由を解説します。
※この記事の内容は、当サイトが運営する「YouTube」で解説しています。動画でご覧になりたい方は、以下をご視聴ください。
「青楼美人合姿鏡(せいろうびじんあわせすがたかがみ)」はどんな本?

「青楼美人合姿鏡(せいろうびじんあわせすがたかがみ)」は、江戸時代の1776年(安永5年)に、浮世絵師・北尾重政(きたお・しげまさ)と、勝川春章(かつかわ・しゅんしょう)の競作として刊行された「錦絵」です。
蔦屋重三郎が企画・出版を手掛け、吉原遊郭の遊女たちの艶やかな日常姿を描いた作品として知られています。
本作は、吉原の各妓楼が誇る名妓たちが、琴や書画、歌、香合、すごろく、投扇興など、季節の風物とともに多彩な芸事や座敷遊びに興じる様子を描いています。
これらの描写は、当時の遊女たちが美しさだけでなく、高い教養を持っていたことを物語っています。

「べらぼう」では北尾重政を俳優「橋本淳」さんが演じています。浮世絵師・北尾重政の史実については、詳細を以下の記事でまとめています。


勝川春章は俳優「前野朋哉」さんが演じています。
また、多色刷りの「錦絵」とは何なのか?「浮世絵」と「草双紙」との違いについては、以下の記事でまとめています。

錦絵「青楼美人合姿鏡」の魅力とは?

↑蔦重プロデュースの「青楼美人合姿鏡」
出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/collection_items/tnm/A-8773?locale=ja)
「青楼美人合姿鏡」は、江戸時代の遊郭文化や美人画の魅力を伝える作品として、以下のポイントがあげられます。
豪華な彩色と細部へのこだわり
多色摺りによる華やかな彩色で、遊女たちの着物の意匠までが入念に描かれています。
芸事や風俗の詳細な描写
琴や書画、香合、投扇興など、当時の遊女たちの多彩な芸事や遊びが詳細に描かれており、江戸時代の風俗を知る上で貴重な資料となっています。
文化的背景の反映
巻末には、遊女たち自身が詠んだ発句が掲載されており、彼女たちの教養の高さや感性を垣間見ることができます。
「青楼美人合姿鏡」では瀬川(小芝風花)が描かれる
「べらぼう」【第10話】では蔦重が瀬川最後の花魁道中に合わせて「錦絵」を出版するシーンが描かれます。
以下より、「青楼美人合姿鏡」の内容をピックアップして紹介します。
出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/collection_items/tnm/A-8773?locale=ja)
「べらぼう」にも登場する女郎屋「松葉屋」が描かれています。一番右側には本を読む「瀬川(小芝風花)」の姿があります。
小芝風花さん演じる伝説の花魁「花の井(瀬川)」の史実については、以下の記事でまとめています。


出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/collection_items/tnm/A-8773?locale=ja)
別のページでは女郎たちが、芸事に興じる姿が描かれています。
「べらぼう」地本問屋・山崎金兵衛の協力で江戸市中に流通

吉原の忘八と地本問屋との対立により、蔦屋重三郎は吉原以外の場所で本を流通させることができなくなります。
【第10話】のラスト、蔦重が瀬川最後の花魁道中の後に「青楼美人合姿鏡」を大々的に売り出します。
ドラマ内では「青楼美人合姿鏡」は書物問屋を中心に江戸市中で流通して、本が次々に売れるシーンが描かれました。
史実でも、蔦重は地本問屋「山崎金兵衛」に相板元となってもらい、「青楼美人合姿鏡」を江戸市中に流通させることに成功します。
また、書物問屋の「須原屋市兵衛(里見浩太朗)」、地本問屋の「鶴屋喜右衛門(風間俊介)」「鱗形屋孫兵衛(片岡愛之助)」の違いは以下でまとめています。

まとめ

NHK大河ドラマ「べらぼう」、蔦重がプロデュースした錦絵「青楼美人合姿鏡」について解説しました。
他にも「べらぼう」のキャスト・登場人物・スタッフ一覧は、以下をチェックしてください。


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